東京・地震・たんぽぽ (2007/08) 豊島 ミホ 商品詳細を見る |
東京で、震度6強の大地震が起きた。そのとき、東京にいた人たちと周囲の人たちをめぐる、14編の短編集。
東京で大地震、起こるかもしれない近未来。この小説の凄い所は、あくまで市井の人にスポットを当てたところ。地震がおきて、政府や自治体がどういう反応をしたか、経済的なダメージはどうなったか、これ、一切ストーリーに出てこない。地震に合った人たちが、その瞬間・避難所生活で・震災被害者の家族として、どういう反応をしたか、どう思ったか、これをごくごく短く、一瞬だけ切り取った話。
情に流されず、淡々と描いてしまう迫力。その時の子供の残酷さ。非常時に浮かび上がる歪んだ人間関係。流される弱さ、踏みとどまる強さ。
この長さだから書けた話ばかり。いいもの読みました。
(88点)
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いつも読ませていただいているのですが、コメントするのはお久しぶりです。
この本、さっそく図書館から借りて来て読みました。
最初の2編くらいは、「これで終わり?」と思いましたが、全部読み終わったときは、大満足でした。
こんな描き方もあるんですね~。
よい本を紹介してくださり、ありがとうございました。
こうしてまとまったのを読んでみると、
「淡々と積み上げる」ということの迫力に圧倒されました。
参考になったようで幸いです。
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