乱読にもほどがあるッ!
趣味? 読書です。毎日欠かさず本を読む、グータラ主婦の読書記録。
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なかなか作品発表順に読めないのが図書館利用者の悩み。この方の作品も評価の高い「空とぶタイヤ」を先に読んじゃったのよね。欠点が気になるかしら、と思ったのですが。

果つる底なき (講談社文庫)果つる底なき (講談社文庫)
(2001/06)
池井戸 潤

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「これは貸しだからな」。謎の言葉を残して、債権回収担当の銀行員・坂本が死んだ。死因はアレルギー性ショック。彼の妻・曜子は、かつて伊木の恋人だった…。坂本のため、曜子のため、そして何かを失いかけている自分のため、伊木はただ一人、銀行の暗闇に立ち向かう! (「BOOK」データベースより)

もっとオーソドックスな陰謀ものを想像していたら、ハードボイルドな作品でした。
同僚が事故とも事件とも取れる突然の死を遂げ、彼が横領していたことが発覚する。潔白を信じる主人公は彼の死の直前の仕事について調査をはじめるが、周囲に不穏な空気が漂い始める。しかも、どうやら彼が前に交際していた女性の父親が経営していた会社の裏事情が関係しているらしく・・・。
銀行員ものなら、暴力のにおいが出てきたところで、主人公が違う道筋を探し出すもの、という偏見があったんですが、この話の主人公の伊木は、いっそ馬鹿なほど道筋を変えない。むしろ、「何かある」と判断して、よりいっそう突き進むタイプ。
これこそハードボイルドの王道。

銀行内部のあれこれも、それほど深く理解してなくても読み進められる簡潔さ。
もうちょっとねちっこく銀行内部の闇について書いてくれると面白かった気もするけど、それはまさしく「次回作に期待」な部分で、実際このあとの作品ですでに発表してくれてたりする。

残念なのはヒロインの書き方が薄っぺらいことかな。早いうちに印象的なエピソードがひとつあると違った気がする。

(75点)
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お久しぶりでございます。感想、たまってます。バリバリ書きますんでよろしく。

不祥事 (講談社文庫)不祥事 (講談社文庫)
(2007/08/11)
池井戸 潤

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事務処理に問題を抱える支店を訪れて指導し解決に導く、臨店指導。若くしてその大役に抜擢された花咲舞は、銀行内部の不正を見て見ぬふりなどできないタイプ。独特の慣習と歪んだ企業倫理に支配されたメガバンクを「浄化」すべく、舞は今日も悪辣な支店長を、自己保身しか考えぬダメ行員を、叱り飛ばす! 張り飛ばす! 痛快! 新しい銀行ミステリーの誕生!(amazon・出版社/著者からの内容紹介 より)

「銀行は、利用してくれるお客様の為にあります」・・・なんて言葉、建前としてはどこの銀行員も言いますが、本当にそう思って仕事をしている人は少ないんじゃないかな、と思います。人として、「お給料のため」や「出世のため」に働くことは、当然ですから。問題はバランスで、「お客様のため」だけじゃなくていいけど、お客様のことも考えなきゃならない。これ、当然です。
しかし、銀行内の狭い世界で生きていると、自分の利益のためにお客様をないがしろにする人たちも出てきて、しかもそういう人たちが偉くなっていくから性質が悪い。しかも、そういう人の部下になってしまうと、文句を言うこともできずただ踏みつけにされなくてはならないこともあったりする。
そんなゆがんだ構造に、どんどん切り込んでいくのが主人公の舞です。権力はないんですが、迫力はある。水戸黄門的な、勧善懲悪の部分もあったりして、実にすっきりした読み心地。

それぞれの話は単独でも十分面白いのですが、私は順に読むことをお勧めします。
悪役側の人物がつながっていて、あれこれ舞を罠にはめようとする過程も面白い。どう切り抜けるか、見所のひとつです。

(78点)



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かれこれ2ヶ月以上前に牛くんの母さまからお勧めいただいて、ようやく読めました。近場の図書館にないんだものよ・・・。

空飛ぶタイヤ空飛ぶタイヤ
(2006/09/15)
池井戸 潤

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トレーラーの走行中に外れたタイヤは凶器と化し、通りがかりの母子を襲った。タイヤが飛んだ原因は「整備不良」なのか、それとも…。自動車会社、銀行、警察、週刊誌記者、被害者の家族…事故に関わった人それぞれの思惑と苦悩。そして「容疑者」と目された運送会社の社長が、家族・仲間とともにたったひとつの事故の真相に迫る、果てなき試練と格闘の数か月。 (「BOOK」データベースより)

実に面白かった!

私が普段読んでいるミステリだと、「容疑者」扱いされている運送会社の社長が、企業の隠ぺい工作を見破る、というつくりになっちゃうかと思うのですが、この話は違います。

警察、運送会社のメインバンクの行員、自動車会社の一社員、それぞれの目線からの話が交錯し合い、次第に真相が明らかになっていく。
この、銀行員の話が入ってるのが、池井戸さんらしいところ。
確かに、事故を起こして大きく報道された会社は、業績も下がるだろう。資金繰りにも苦労するだろう。銀行視点が入ったことで、被害者の苦悩がさらに深刻になった感じ。リアリティ、たっぷりです。
それでいて、わかりにくくない。登場人物山ほどなのに、それが作品としての厚みになってる。

そして、個人的に、この運送会社の社長の子供が学校でいじめに合う場面。
常識が通じない母親。子供に、「あそこの家は・・・」と悪口を吹き込む親。
事故というのはそれだけのものじゃなくて、周囲まで影響を及ぼすんだと、しみじみと考えさせられました。

山場の警察官のセリフもいい。

ラスト2ページの、あのエピソードもいい。

こう、思い返してみて、「ここがちょっと・・・」という場所が思い当たらない。正義は必ず勝つ! という、実にすっきりした読後感の作品でした。

分厚い上に2段組で、ちょっと最初は腰が引けましたが、読んでみてよかった!

(90点)



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初読です。名前はよく拝見するものの、この作者さんのどの本から読んだら適当なのかわからなくて、今まで手を出してませんでしたが、帯がよさそうだったんで借りてみました。

シャイロックの子供たちシャイロックの子供たち
(2006/01)
池井戸 潤

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たたき上げの副支店長、社内恋愛中のOL、お調子者の課長代理…出世のため、家族のために奮闘する行員たち。現金紛失事件をきっかけに不穏な空気がたちこめ、一人の男が失踪した。 (「BOOK」データベースより)

章ごとに主役を変えて、同じ銀行・同じ支店内の出来事を違う角度から見ていく形です。
最初、短編集かと思って、「あんまり面白くないなあ・・・」と思ったんですが、読むのやめなくてよかった。それぞれのつながりが見えてきたあたりからぐんと面白くなります。

メインの謎は、「100万円紛失」。銀行内から100万円の束が一つ消えてしまいます。実際に触ったことのある方なら解ると思いますが、100万円って薄めのノベルズと同じ位の嵩があります。簡単にどこかに隠すのは無理だし、身体検査や持ち物検査もしたし、なのに見つからないお金。疑われて人は何人もいますが、証拠はどこにもない。上のほうでは偽装工作をして、何事もなかったかのように取り繕ってますが、納得の行かない人物が、犯人を追い詰めて・・・その事を誰にも知らせないまま、失踪してしまう。・・・犯人は誰だ?

大手企業内での出世欲、足の引っ張り合い、求められる実績、押し付けられるストレス。
銀行勤めの経験があるだけあって、きっちり細部まで目の行き届いた書き方をしています。

(76点。読者の向き不向きが激しそう)



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