乱読にもほどがあるッ!
趣味? 読書です。毎日欠かさず本を読む、グータラ主婦の読書記録。
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不倫の話はどちらかというと苦手なはずなんですが。

ベーコンベーコン
(2007/10)
井上 荒野

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毎週日曜日、家族に言い訳をして数時間だけ訪れる、安海。毎回、おいしいけれど簡単な料理をつくって彼を待つ温子。このまま穏やかに続くはずだったが、安海に子供が出来たことを知らされて・・・。(「ほうとう」 あらすじ) 性欲と食にまつわる短編集、全9編。

細かいところまで描ききらない、ぼんやりとした不安感というのがこの作者の持ち味だろうなあ、ということを前に書いたんですが、今回これを読んで、すごく納得しました。

「みずうみ」とか「くちなし」とかに近い、どこか物悲しい響きに感じた、という一節があったんですよ。
ああ、こういう感性なのか、と感じました。
どこか物悲しい。寄る辺ない、不安定な、漂う感じ。
そういう感性をこめて文章にしたらこうなるのか、と。

収録作品には幅があって、ねじの外れかけた若者の話や、離婚する親に振り回されて「早く大人になりたい」と感じる女の子の話、不倫だと思っていたら全部嘘だったと相手の死後知らされた女性の話など、味わいは違うのです。
が、共通するのは「何か満たされない」、それでいて「どこかあきらめている」感じ。
うっすら不幸な香りがします。

たまに、読むんなら、いいかもしれない。
しかしやはり不倫が当たり前のように書かれている話は苦手なのです。

(74点)
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テーマ:本読みの記録 - ジャンル:本・雑誌

なんだかんだ言いつつ、普通なら手に取らなかったであろうジャンルの本を読ませてしまう力がある、「賞」ってのはやっぱり侮れない。

夜を着る夜を着る
(2008/02)
井上 荒野

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東北のT温泉に「仕事に行く」と言い残してでかけていった夫。可能性は三つ。T温泉に旦那がいない。T温泉に旦那がいる。T温泉に旦那が女といる。夫を信じきれない妻は、隣家の男とT温泉に旅立つが・・・。(表題作より)

一言で表すなら、「寄る辺ない」。はっきりと大事件がおきたわけではなく、頼りない、淋しい、泣きたいような気分の、そんな短編8編収録。
それでいてウエットな感じはしない。泣かせよう、と狙ってる感じはない。「旅」をテーマにした話、と作者があとがきで書いているので、そのせいで余計に心もとない感じがするのかもしれない。「ここは私のいるところではないのかも」、的な。

細かいところまで描ききらない、ぼんやりとした不安感。
これは多分、この作者の持ち味だと思います。

(78点)



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直木賞受賞作。というのを聞いて、あわててこの作家さんの本を何冊か読みましたが、そういうきっかけでもなければ読まないジャンルだなあ、と実感。

切羽へ切羽へ
(2008/05)
井上 荒野

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画家の夫と二人で暮らす主人公は、島にひとつしかない小学校の養護教諭をしている。そこに、音楽が専門の新任教師がやってきたが・・・。

あちこちに廃墟のある小さな島、何もかも筒抜けで開けっぴろげな住人たち、そこにやってきた異分子の教師。最初は反発したものの、気にかかって仕方がない主人公。
なんといっても文章がいい。この作家さんは「感情を文章にしない」かた。「悲しい」「うれしい」「悔しい」「腹立たしい」といった言葉なんか使わなくても、行動を描くことで感情があぶりだされる感じ。それが、淡々とした雰囲気になって、実にいい。

そしてまた、「恋しい」とか「好き」といった言葉は使われていないのだけど、紛れもなく恋の話。
夫を深く愛しているからこそ、成立しうるせつなさ。ひっそりうまれて強くなっていく想い。
透明な、まじりっけのない寂しさの満ちたラストシーンも、余韻を残していい感じ。

こういう男に恋をしてしまうというのは不幸だなあ、と思いましたよ。それがわかっていたとしても、とめられるものではないんでしょうね。

(86点。作品の文章がとてもいいのに、私のような未熟者がどう語ればいいというのか)



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テーマ:感想 - ジャンル:本・雑誌

新しい直木賞作家さん。初読のつもりでしたが、多分どこかで何編か短編を読んだことがあるっぽい。

ヌルイコイ (光文社文庫)ヌルイコイ (光文社文庫)
(2005/10/12)
井上 荒野

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つまらない恋―ぬるい恋を続けている「わたし」は、ある日、死に至る病の宣告を受ける。一緒に暮らしていても月に二度しか顔を合わせない夫との生活、童話作家との不倫にも慣れ、死さえも諦めにも似た気持ちで受け入れたが…。 (「MARC」データベースより)

うーん。不倫の話は嫌いなんだよねえ・・・。

ところがこの話はするりと読めた。
最初はただの都合のいい女の話なのかと思ったら、そうではなく、夫は結構いい男だし、生活的にも恵まれてる。なのに、なぜ不倫? なんとなく、という感じしかしない。
将来に、特別な目標もなく、必死になることもなく、なんとなく流されてきちゃった結果。死に至る病だと知らされても、ただ、なんとなく流されて、受け入れているかのような反応。

銭湯の前でであった青年との恋、病、夫とのいさかい、山場はいろいろあると思うのに、すごく盛り上がる場面があるわけでもない。

でも、この主人公のゆるい生き方、嫌じゃない。この辺は感性なんで、嫌な人は嫌かもしれないけど。

この作家さんの評価は、少なくとも後2冊読んでから位置づけることに決定。
(72点)



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