乱読にもほどがあるッ!
趣味? 読書です。毎日欠かさず本を読む、グータラ主婦の読書記録。
このカテゴリーの記事


上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。



ランキング参加してます。 にほんブログ村 本ブログへ 人気blogランキングへ
これはちょっと前に読んだ本。

薔薇を拒む薔薇を拒む
(2010/05/27)
近藤 史恵

商品詳細を見る


施設で育った内気な少年・博人は、進学への援助を得るため、同い年の樋野と陸の孤島にある屋敷で働き始めた。整った容姿の樋野には壮絶な過去が。博人は令嬢の小夜に恋心を抱くが、陰惨な事件で穏やかだった生活は一変する。それは悪意が渦巻く屋敷で始まる、悲劇の序章に過ぎなかった―。(「BOOK」データベースより)


人里離れた豪邸で、見目麗しい使用人と深窓の令嬢の恋――といえばロマンがあるけどそれが誰かに仕組まれたものだったらどうでしょう? その使用人は3年ここで働くことでその後の大学進学に係る費用すべてと生活費を受け取れるという契約をしていたら? それだけの費用を出してまで何を計画しているというのか? 契約主の一家の主人と娘の小夜には血のつながりがないというのに?

閉鎖空間の中での凝縮された人間関係の根底に、これだけの疑問が横たわっています。

使用人であるところの主人公鈴原と、同僚の樋野はともに孤児で、何かが起こったとしても親身になって頼れる人というものはなく、この仕事は好条件がそろっているわけですが、そこに裏を感じてうすら怖くなってしまうのも人間の性。
しかし青年にとって裏を疑っていても恋心を持つことは止められないのです。

陸の孤島といっていいお屋敷で、どんどん煮詰まっていく人間関係は、後に悲劇を生みます。

最後のカタルシスに結びつく場面がちょっと急展開な印象がありましたが、これだけねっとりとした人間関係を書いてくれれば文句なし。主人公の青年が「いい人」だけどなんとなく「哀れに見える」というのも設定の妙ですね。

一編の映画を見ているような印象でした。

(80点)
スポンサーサイト



ランキング参加してます。 にほんブログ村 本ブログへ 人気blogランキングへ

テーマ:本読みの記録 - ジャンル:本・雑誌

二作目は難しいよねえ…。

エデンエデン
(2010/03)
近藤 史恵

商品詳細を見る


あれから三年―。白石誓は、たった一人の日本人選手として、ツール・ド・フランスの舞台に立っていた。だが、すぐさま彼は、チームの存亡を賭けた駆け引きに巻き込まれ、外からは見えないプロスポーツの深淵を知る。そしてまた惨劇が…。ここは本当に「楽園」なのだろうか?過酷なレースを走り抜けた白石誓が見出した結論とは。 (「BOOK」データベースより)


今回は謎解き要素がなく、厳しいプロスポーツの世界の話になってます。

ツールドフランスの名前は聞いたことがあるけれど、内容までは知らなかった私でもすんなり読めました。
「サクリファイス」の主人公のその後のお話ですが、ところどころににおわす描写があるだけで、この本から読んでもさほど問題はないかと思います。(でもサクリファイスから読んだ方が断然面白いと思います)

念願のプロチームでアシストとして走る白石、しかしチームは今季限りで解散が決まっている。チームの首脳は他のチームと協力することを選手に伝えているが、チーム全体のサポートを受けられなくなる可能性のあるエースはそれを知らない。監督の言うがままに他のチームのエースをサポートすべきか、それともチームとしての勝利にこだわるか…。このレースで結果を残さなければ、白石自身プロとして続けることは出来なくなるかもしれない、というぎりぎりのところでの戦い。長丁場だからこその駆け引きと、ともに走るから生まれるライバル心と連帯感。

ぎっしり内容のこもった、いい作品です。
自転車ロードレースものの小説も増えてきたように思います。

まだ続きがありそうな終わり方に期待。ミステリ要素はなくってかまいませんから。

(86点)



ランキング参加してます。 にほんブログ村 本ブログへ 人気blogランキングへ

テーマ:本読みの記録 - ジャンル:本・雑誌

伝統芸能に触れる読書、第二弾。なかなか書く時間が取れなくて、日にちあいちゃいました。

桜姫 (角川文庫)桜姫 (角川文庫)
(2008/02)
近藤 史恵

商品詳細を見る


十五年前、大物歌舞伎役者の跡取り息子として将来を期待されていた少年・音也が幼くして死亡した。それ以降、音也の妹・笙子は、自らの手で兄を絞め殺す悪夢を見るようになる。自分が兄を殺したのではないだろうか? 誰にも言えない疑惑を抱えて成長した笙子の前に、音也の親友だったという若手歌舞伎役者・中村銀京が現れた。二人は音也の死の真相を探ろうと決意するが―。
(「BOOK」データベースより)

この、音也の死に絡む謎とともに、歌舞伎の舞台に出ていた子役が、地下の大道具部屋で死体となって発見された事件が絡みます。
探偵役はガーデンと同じく今泉文吾。文吾の友人の小菊が大部屋の歌舞伎役者と言う設定です。

作中で大きな役割を果たす、銀京という女形。
梨園に生まれたわけでもない、研修所上がりの大部屋役者になるはずが、自分の才覚をフルに活用して上へ上へと上り詰めていく生き様が、「芸」に生きる人のすさまじさを感じさせます。
この辺に納得出来ないと、子役の子の事件の真相に反感がわくかも。

それでいて、一冊読み通してみると、純愛物語。
このバランス感覚は素敵だな。

(72点)



ランキング参加してます。 にほんブログ村 本ブログへ 人気blogランキングへ

テーマ:本読みの記録 - ジャンル:本・雑誌

ああもう。シリーズ2作目からになるのはいろいろあきらめました。大体、2作目からでわかりにくい話はほとんどないしね。

ガーデン (創元推理文庫)ガーデン (創元推理文庫)
(2002/12)
近藤 史恵

商品詳細を見る


小函を抱えて今泉探偵事務所を訪れた奥田真波は「火夜が帰ってこないんです」と訴える。燃える火に夜、人を魅惑せずにはいない謎めいた娘だ。函の中身を見て只事ではないと諒解した今泉は、助手山本公彦と共に火夜の行方を追う。やがて探偵は、死を招き寄せるあやかしの庭へ…。 (「BOOK」データベースより)

発行順はシリーズ2作目になるのだけど、書いた順番は最初になるんだとか。探偵・今泉文吾シリーズの作品です。
いくつかの偶然が重なって同居するようになった真波と火夜。それなりに上手くいっている同居生活だったはずが、火夜が突然失踪し、失踪の影には犯罪らしきものが見え隠れして・・・真波は探偵に依頼して火夜を探そうとする。

全体にダークで、痛々しい話です。犯罪を犯した相手との絆の話。作者が「過去においてきたいろいろなはずかしいものがぎゅっとつまっているような作品」と書いてましたが、解るような気がします。どこかゆがんでいるけれど、誰もが共感できなくない、絶妙な心理描写。私はこの登場人物たちの、犯罪を是とする感覚はなじめませんが、読み応えは十分です。

(74点)



ランキング参加してます。 にほんブログ村 本ブログへ 人気blogランキングへ
我ながら何でもありだと思うのですがこういうのも結構好き。

青葉の頃は終わった (光文社文庫)青葉の頃は終わった (光文社文庫)
(2005/11/10)
近藤 史恵

商品詳細を見る


河合瞳子が大阪郊外のホテル七階から飛び降りた。周囲を魅了した彼女の突然の死。大学卒業から五年、その報せは仲間に大きな動揺を与えた。そんな折り、友人たちに瞳子からのはがきが。そこには、わたしのことを殺さないで、とあった。彼女を死に赴かせたものは? 答えを自問する残された者たちが辿り着いた先は? ほろ苦い青春の終わりを描く感動のミステリー。(「BOOK」データベースより)

冷たくってかたくなで、観念的なのに精巧。
私がデビュー作を読んで抱いた、近藤史恵のイメージです。
最近の作品はイメージ変わったな、と思っていたのですが、この本は昔のままな感じがします。

いい年をした男女が寄り集まって集団を作っていたら、その中には羨望も嫉妬も憎しみも崇拝も生じていることでしょう。
その、いろんな感情の一端をになっていた女性、瞳子。
彼女の死から物語が始まります。

登場人物たちが、積極的に瞳子の死の原因を探ろうとする話ではありません。
どうしてなんだろう、とは思うものの、日々の自分の生活の方が大切。これは成人として正しい行為です。
そこに、「大人になってしまった私たち」という悲哀があります。
「もう、取り返しのつかない」こと。
全体に、そういう重い感情があふれている話。
タイトルからしてそうですよね。

特に、女性同士の確執の書き方が上手いなあ、と感心して読みました。
しかし、読後感はあまりよろしくないので、お勧めはしにくいかも。

(75点)



ランキング参加してます。 にほんブログ村 本ブログへ 人気blogランキングへ

テーマ:本読みの記録 - ジャンル:本・雑誌

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。