乱読にもほどがあるッ!
趣味? 読書です。毎日欠かさず本を読む、グータラ主婦の読書記録。
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感想を書き上げてから某所の書評を読む習慣なのです。私がよいと感じた本を酷評している人がいると、気になって他のレビューも見に行ったりするのですが、やっぱり逆の感想を持っていることが多い気がします。万人に受ける物語はない、と実感するときです。

スコーレNo.4スコーレNo.4
(2007/01/20)
宮下 奈都

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どうしても忘れられないもの、拘ってしまうもの、深く愛してしまうもの。そういうものこそが扉になる―。ひとりの女性への道のりを描く書下ろし長編小説。 (「BOOK」データベースより)


アンソロジーで短編を読んだことがあるっきりの作家さんなので、それほど期待していたわけじゃないのですが、これは大当たりでした!

自分よりかわいい妹と常に比べられて育った麻子。
自分には妹のようなかわいげはない、妹のように激しく何かを愛する気持ちはない。自分には何かが欠けていると感じながら成長していく女の子。

初めての恋、二度目の恋、なんとなく就職してしまった職場、そこで出会った人たち。自分に自信がないからの回り道。もう少しだけ貪欲であったなら、手に入ったかもしれないもの。
自分で思っているほど麻子は無能な女性ではない。それでも小さいころからすりこまれた「妹のような生き方は出来ない」という思いが彼女を卑屈にさせる。

自分を認めてくれる人にであったり、責任のある仕事を任されたりして少しずつ成長していく彼女の様子が細やかに描かれていて、胸がつまる思いをしたのも一箇所や二箇所ではない。
そして最終章で、「長い迷路をさまよっていた」と言えてしまう麻子。妹の姿を見て、彼女もきっと彼女の迷路を歩いていたのだと考える場面なんかもう、泣きそうになりました。

自分を愛してあげられる、自分を認めてあげられる、たったそれだけのことが時にはこれだけ難しい。

心震える繊細なお話です。いい本にめぐり合えました。

(90点)女の子に。そして、かつて女の子だった人に。
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恥ずかしながら初読です。世の中には知らない本がたくさんあるなあ。

かいぶつのまちかいぶつのまち
(2010/07)
水生 大海

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演劇大会の前日、出演者たちが次々に体調を崩し、上演作品「かいぶつのまち」に見立てたかのように主人公に繰り返し凶器が届く。元「羅針盤」メンバーは、後輩との壁の大きさに戸惑いながらも、その隙間に巣くう「かいぶつ」を探し始める。心打つ青春ミステリー。(「BOOK」データベースより)


ところどころ解らない描写がでてくるな、と思ったらシリーズ2作目でした。こちらから読んでも物語的には問題ありません。

自分が小劇団用に書いた脚本が母校で演じられることになり、全国大会まではたし、観覧と激励に訪れたところ、顧問を含む何人かが原因不明の体調不良を訴え、なし崩しに面倒を見ることになった瑠美。しかし問題は体調不良だけではなく、主役の下へ何度も届けられるカッターナイフ、顧問と生徒の確執、以前の主役の退学、2年と3年の間にある温度差と盛りだくさん。それでも舞台の幕は開くし、出来がどうであろうと幕はおりるのです。しかし舞台が終わったからといって人生の幕はおりないし、問題も解決するわけではありません。主人公の瑠美たちは、一連の問題の原因を探ることになります。

何より胸に迫ってきたのは、演劇に対して「部活動です」とさめた目線で言い切れてしまう現部長。舞台にのめりこんで舞台の周囲で生きている主人公たちとはまるっきり違う考え方で、このあたりも衝突の原因になったりするのですが、イマドキの少年はこういうものなのかもしれません。寂しいけど。

物語としては最高だけど、私がこの現場にいたら怒るな、ということが最後の山場で行われていました。私はそこを減点せざるを得ない。見ていた観客はどう思ったんでしょうね。そういうことを瑠美たちは考えたのかな。

(80点。面白かったです。一作目も探してみよう)



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おっと、日付が変わるとこだった。あぶないあぶない。

世界記憶コンクール (ミステリ・フロンティア)世界記憶コンクール (ミステリ・フロンティア)
(2009/12/11)
三木 笙子

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ある日萬朝報に載った『記憶に自信ある者求む』という求人広告。昔から見たものを瞬時に覚えてしまう力に長けた博一は、義父の勧めもあってその募集に応じ、見事採用となった。高い日給を受け取りながら、大学教授から記憶力の訓練を受けていた博一だが、あるときを境に急に教授と連絡が取れなくなり不安を覚える。そこで友人である高広に相談を持ちかけたところ、『赤髪連盟』に酷似したこの出来事に、礼が興味を示し―。(表題作・「BOOK」データベースより)


超有名絵師と、彼に「ホームズ役」を押し付けられてしまっている雑誌記者を主人公にすえた、明治が舞台の連作短編集。2冊目です。

…のはずなんですが、彼らが主役を張っている話は一つで、後は前日譚だったり番外っぽかったりしています。そのせいか、一冊通しての印象が薄い気がします。個々の短編は面白いんだけど。もう少し主人公たちの話が多くてもよかったかなー。

シリーズとして考えなければ一番好きなのは「黄金の日々」。美術学校に入学した恵がであった、外見はまるっきり外国人なのに中身が日本人そのものの、幸生。木彫りを専攻して腕は確かだが、歯にものを着せぬ物言いで敵を作ってばかりの彼。そこへ何者かがとある器を買い占めているという噂が流れてきて…。物語としてものすごく意表をつく話ではないですが、青年二人を見守る視線が優しい作品です。どうして学生時代っていうのはあれほど角つき合わせているようでいて、連帯感があるんでしょうか。男子学生たちのバカっぷりも楽しい。

(78点。はずれではないのだけど喰いたりない。1作目のほうが好き)



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森谷さんの本は入手が難しいんだよねー。

七姫幻想 (双葉文庫)七姫幻想 (双葉文庫)
(2009/01/14)
森谷 明子

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寵姫の閨でなぜ大王は死んだのか? 遥か昔から罪の匂いをまとってきた美しい女たちがいる。時代を経てなお様々に伝わる織女伝説をモチーフに、和歌を絡めながら描く七編の連作ミステリー。(出版社 / 著者からの内容紹介より)


織姫の異名を章タイトルにした、連作短編、7編。
古代大きな力を持っていた「織姫」の物語から、だんだん時代が降りてきて、王朝時代あたりまで続きます。清少納言などの有名な人物もちらりと出てくるのだけど、どのくらい史実に沿っていてどのくらいが森谷氏の創作なのか解らない自分が悔しい。

そして、それぞれの物語が「歌」に添う形になっています。
形式の整った和歌だったり、神楽歌だったりとさまざまですが、本編を読み終えて歌を読み直すとこう解釈したのか、と感心するばかり。
全体に悲恋の話ですが、駆け引きをする女性もいたり、自分を犠牲にして想う人の生を祈る女性もいたりとさまざまです。
それぞれの話にいろんな謎が絡んできますが、謎解きものとして読むより物語として楽しんだほうがいいと思います。美しいイメージの連続ですよ。

(78点)



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ああ、今月も終わりか(大焦り)。

千年の黙 異本源氏物語 (創元推理文庫)千年の黙 異本源氏物語 (創元推理文庫)
(2009/06/25)
森谷 明子

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帝ご寵愛の猫はどこへ消えた?出産のため宮中を退出する中宮定子に同行した猫は、清少納言が牛車に繋いでおいたにもかかわらず、いつの間にか消え失せていた。帝を虜り左大臣藤原道長は大捜索の指令を出すが―。気鋭が紫式部を探偵役に据え、平安の世に生きる女性たち、そして彼女たちを取り巻く謎とその解決を鮮やかに描き上げた絢爛たる王朝推理絵巻。(「BOOK」データベースより)


源氏物語の新解釈ではなく、源氏物語を書いた人たちにスポットを当てた作品です。
といっても主人公は「紫式部」ではなく(そもそもこの名称は一度も作中に出てこない)、彼女の身の回りを世話するあてき。童の頃から恋をして結婚して子供を生んで、あてきの成長物語としても読めます。

が、本筋はミステリ。いなくなった猫の行方は、何故源氏物語が一巻だけ紛失したか、など日常の謎系ですね。一編一編読んでも面白いですが、通して読むと最後の章にいろんな話が集約してきていてなるほど、といった感じ。

作品のイメージとして、作家は女性。それも30代くらいの、既婚・出産経験あり。初恋の初々しさ、母が子供にかける愛情、どれも決め細やかに書いてあります。そこも好印象。

源氏物語は知らなくても読めると思いますが、いくらか時代背景を知っていた方が読みやすいかも。中学校レベルで十分ですが。

(80点)



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