乱読にもほどがあるッ!
趣味? 読書です。毎日欠かさず本を読む、グータラ主婦の読書記録。
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久しぶりに荻原氏の情けない系の長編。

オイアウエ漂流記オイアウエ漂流記
(2009/08/22)
荻原 浩

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塚本賢司、28歳。接待出張で乗り合わせた飛行機が遭難し、なんと、流れ着いたのは水も火もないポリネシアの孤島!! 賢司をコキ使う上司たち、スポンサー企業の御曹司、挙動不審な新婚カップル、小学生とそのじっちゃん、怪しいガイジン。あり得ないメンバー10人での毎日は、黒~い本音も秘密の過去も、隠しきれない生活だけど…。 (「BOOK」データベースより)


登場人物が、どうにもこうにもダメなヤツばっかりなのです。

飛行機が落ちて島に流れ着いたというのに、一番部下をこき使うばかり。せっかく非常用ボートに積んであった水も非常食も流してしまう。救助がすぐ来ると信じ込んでいて、せっかく確保できた水もあっという間に飲んでしまう。
…という、なんとも情けないところからはじまります。

そもそもでてくるのが結婚に不満を持つ夫婦だの、冥土の土産に戦争にいった島をもう一度見に来た時々いうことがおかしくなるおじいさんだの、そのおじいさんの世話を押し付けられた子供だの、金持ちのぼんぼんと彼におべんちゃらを使うことに腐心しているサラリーマンだの、どうにも情けない人たちばかりなのです。

それでも救助が来ないことを悟ってからの彼らは強かった。
気候に恵まれていたことも幸いして、食べられる果実を確保。試行錯誤の末火をつける。調味料は塩しか作れないものの、魚を釣ったり、小動物を捕まえて食べるものを確保する。
行き違いがあったり、失敗があったりしながら、何とかかんとかささえあって生きていく。

暗い場面のほとんどない、ユーモアにあふれる話。こういうゆるい話は意外と書きにくいと思います。
頑張れ、頑張れ、と応援したくなるような本でした。
読後感もいい。

(83点)
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テーマ:本読みの記録 - ジャンル:本・雑誌

私、新刊弱いです。「発売予定」を全然チェックしてないので、新刊が出てから本屋で驚くこともあるし、いろんな方の読書ブログで感想を読んで、「これ、いつの間に出てた?」ってことも結構あります。
この本もそれで、あわてて予約入れたんだけど、読めたのはこの時期になりました。

ちょいな人々ちょいな人々
(2008/10)
荻原 浩

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犬や猫にスーツ型の装置を着用させることによって、発汗や筋肉の動き、心拍数などを元に「彼らの言いたいことを完全に翻訳できる」装置が発明された。早速モニターが募集されたが、そこで聞こえてきたペットの彼らの本音といえば・・・。 (『犬猫語完全翻訳機』 あらすじ)


いやいや、笑えました。
若い子のほめ言葉に浮き足立っておしゃれ自慢する中年男性とか、手に職をつけようと思ったのがどこで間違ったのか詐欺まがいの占い師をやっている男の話とか、市役所で「いじめ相談室」のカウンセラーをやっているのはいいけれど、気づくと相談室内でいじめの標的になってしまった主婦とか。
ほんの少し、「いきすぎ」なところがある主人公たちが、四苦八苦する話、かな。何故そうなる、と突っ込みを入れつつ読んで、すこしほろっと来る話が混じっているのが面憎い。

みんなさ、大変だけどそれなりにがんばってるよね、という気にさせてくれる本です。
この、ちょっと皮肉なユーモア感が荻原氏の持ち味だよなあ、と思う。

好きな作家さんの一人です。泣ける長編も好きだけど、こういうピリッとしてる短編も好き。

特に、最後の「くたばれ、タイガース」が好きです。阪神ファンの恋人と、巨人ファンの父親。結婚を申し込みに来たはずが、一緒にナイター中継を見ることになってしまい、感情的に相容れないことになってしまって・・・。
本人、阪神ファンなだけあって、「あーありそう」な設定をよく生かした短編じゃないかと思います。

(85点)



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テーマ:感想 - ジャンル:本・雑誌

朝日新聞連載の単行本化だそうで。

愛しの座敷わらし愛しの座敷わらし
(2008/04/04)
荻原 浩

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東京から、田舎に引っ越した一家。社内の出世街道から外れてしまった父。神経質で心配性の母。自分ではしゃんとしているつもりだがぼけかけの祖母。前の中学で軽いいじめに会っていた姉。サッカー大好きだが小児喘息のけがあって運動が余り得意ではない弟。慣れない田舎生活で、お互い神経を尖らせていた。しかし、その家には「座敷わらし」が住んでいて・・・。

とにかくもう、この座敷わらしの描写がかわいい。かわいいったらないのだ。この本の魅力の3分の1はそこにある、と言っちゃいたい。・・・が、子育て経験のない方にはこのかわいさ、伝わらない可能性があります。
家族のキャラクター設定は少し類型的かな。誰が読んでも、誰かに思い入れできるんじゃないかな。

都会ではいろいろな娯楽があって便利があって、家族力を合わせなきゃならないことはほとんどないのだけど、田舎ではそうは行かなくて、だんだん、すこしずつ、歩みよって行く過程も楽しいです。

「千年樹」や「明日の記憶」などに比べると、明るくて軽く読めて、それでいてほろりとさせられる、私が最初に好きになった荻原さんの作風そのまま。大好きな作品の仲間入りです。

(89点)



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テーマ:感想 - ジャンル:本・雑誌

昨日の「行きつ戻りつ」が普通の主婦の話なら、こっちは普通?の職業人の話。

さよなら、そしてこんにちはさよなら、そしてこんにちは
(2007/10/20)
荻原 浩

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覚念は、寺の住職。3歳になった娘に、「どうしてうちではクリスマスをしないの?」と聞かれ、「宗教が違うから」というものの、納得してもらえない。普通の家からお嫁に来た妻もクリスマスをやりたがり・・・。 (『長福寺のメリークリスマス』より)


葬儀屋、スーパーの発注、すし屋、新規就農者など、よく知ってそうであまり知らない職業人の日常を、徹底してコミカルに書いた作品。
悪趣味になる一歩手前で止めるセンスが好き。

一番すきなのは、「美獣戦隊ナイトレンジャー」かな。主婦友の中に、こんな感じでヒーローものにはまってる人、けっこういます。(私の友人は家族公認ではまってる人のほうが多いけど)アクション俳優に恋心を抱く気持ち、わからんではない。けど、ここまで書かれるといっそ笑える。

(80点)



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前作「ハードボイルドエッグ」が、実はあんまり好きじゃなくて、しかもこの話雑誌掲載で読んじゃったこともあって、あまり乗り気じゃなかったのでした。

サニーサイドエッグ (創元クライム・クラブ)サニーサイドエッグ (創元クライム・クラブ)
(2007/08)
荻原 浩

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フィリップ・マーロウにあこがれる私立探偵・最上俊平は、必要に迫られて「ペットの捜索」をすることもある。和服の似合う美人が依頼に来たならなおさらだ。ところが探偵助手を雇うことになり、ただのネコ探しではなくなってきて・・・。

雑誌掲載時よりうんと読みやすい感じがしたのは何故だろう。(私が二ヶ月前の話を忘れてるから? いや、それはあるんだけど。だけじゃなくて)
ただし、やっぱりストーリーは微妙。
これ、交通整理して、話の順番ところどころ変えて、伏線上手に張ったらうんと面白くなると思うんだけど。
助手の茜の家族の話とか、突然で話に馴染んでない感じがするし、かといってあれよあれよという間に話が進んでいくスピード感もさほどでもなく、強引に押し切る話とも違うだろうし。
いや、でもね、この時代錯誤感たっぷりの主人公の視点から語られるから、「結構こんなものかも」と思えてきちゃうんだよね。

そして! 何故かこれ読み終える頃には、いまいちだったはずの「ハードボイルド~」が読み返したくなっちゃったのだ! 不思議。
(78点)



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