乱読にもほどがあるッ!
趣味? 読書です。毎日欠かさず本を読む、グータラ主婦の読書記録。
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合掌。

暁英 贋説・鹿鳴館暁英 贋説・鹿鳴館
(2010/04/16)
北森鴻

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明治十年、日本政府に雇い入れられた若き英国人建築家―のちの鹿鳴館建造担当者―ジョサイア・コンドルは、横浜港に降り立ち、外務卿井上馨らと対面する。工部大学校造家学科教授兼工部省営繕局顧問としてのコンドルの多忙な日々が始まった。一方でコンドルは、来日の仲介をした国際商社ジャーデン・マセソン社から、ある密命を帯びていた。それは、銀座煉瓦街の設計を担当した後に忽然と姿を消した、ウォートルスというアイルランド人建築技術者の消息を調べることだった。コンドルはやがて、時代が大きく動く際に必然的に生じる、濃くて深い闇の中に、自分が足を踏み入れてしまったことを知る―。(「BOOK」データベースより抜粋)


傑作なのである。
口惜しいことに。

鹿鳴館を設計したコンドルが来日した時点から物語は始まります。コンドルが出会ったであろう幾多の日本人とのエピソードを交えつつ、鹿鳴館の謎の部分にスポットを当ててゆくつくり。
当時流行していたコレラや、日本中あちこちでくすぶっていた旧侍たちの行動、日本が近代化を成し遂げるために軋みをあげながら駆け足で進んでいく様子。綿密に計算されて書かれた、時代小説です。鹿鳴館についての予備知識がほとんどなくても、書かれている濃密な人間関係にうっとりしながら読めました。

なのにこの小説、「作中作」なのです。駆け出しの作家津本が、あちこちから「鹿鳴館」についての資料を集める間に驚愕の発見をし、書き出した小説という設定。この冒頭部分も魅力的な謎がたくさんちりばめられていて、答えを知りたいと思わせるものです。思わせぶりにでてくる海波潤一郎の真意とか。

しかしその望みはかないません。
北森氏が旅立ってしまったから。

神様はどうして、彼にこの作品を完結させるだけの時間を与えてくれなかったのか。
おそらく、彼の代表作となる大傑作になったに違いないのに。

(採点はやめておきましょう)
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伝統芸能に触れる読書、第一弾。

狂乱廿四孝 (角川文庫)狂乱廿四孝 (角川文庫)
(2001/08)
北森 鴻

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明治三年。脱疽のため右足に続き左足を切断した名女形、沢村田之助の復帰舞台に江戸は沸いた。ところが、その公演中に主治医が惨殺され、さらには、狂画師・河鍋狂斎が描いた一枚の幽霊画が新たな殺人を引き起こす。戯作者河竹新七の弟子・峯は捜査に乗りだすが、事件の裏には歌舞伎界の根底をゆるがす呪われた秘密が隠されていた…。 (「BOOK」データベースより)

時代が揺らいだ名残のような時期に焦点を合わせた処女長編。この時代でなければこういう作品にはならなかっただろう、と思われます。
謎解き部分はちょっと弱い気もします。デビュー作だけあって、文章もところどころ引っかかる。

しかし、歌舞伎の世界を題材に、一人の女形の凄絶な生き様が書かれた、迫力ある作品。
芸のために、何を犠牲に出来るか、ということですね。
謎解きに女性が参加しているのも時代のうねりでしょう。


実は再読で、今回の目的は文庫版にのみ収録されている、「狂斎幽霊画考」。「廿四考」の原型となった作品です。さらに文章が荒い気もしますが、意外と読みやすかったです。

(70点)

このほかにも蜻蛉始末とか・・・読み返したい本はいろいろあるのです。



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虚栄の肖像の感想」のときにちらりと書きましたが、読んで感想がまとまらずにスルーしていた本。再読しました。

深淵のガランス (文春文庫)深淵のガランス (文春文庫)
(2009/03/10)
北森 鴻

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「花師」と「絵画修復師」の二つの顔を持つ佐月。有名な画家の孫から依頼を受け、画伯の若かりし頃の絵の修復をすることになった佐月だったが、その絵画の下にもう一つの絵が隠されていることに気付き・・・。

何かわかりにくい場所があったように記憶していましたが、それが間違いだったことに気付きました。
明かされていないのは、佐月の過去。「花屋」ではなく「花師」を名乗る佐月。場所と花器、それぞれに似合うこれしかないという花を選びいけるという自負。すさまじいまでの美意識に支えられた才能。
そして、佐月に絵画修復の仕事を持ち込む女性。
佐月が絵画修復の仕事に専念するあいだ、代役を勤める老人。
彼らのつながりや因縁は明かされないし、ほのめかす程度しか書かれていません。それが「はっきりしなくてまだるっこしいなあ」と感じてしまう人もいるかもしれませんが(以前の私はこっちでした)、作品に深みを出す小道具だと感じる方が強いと思います。

修復の「技」の部分も、冗長になりすぎす、でもわかりやすく。必要なリアリティがしっかり書き込まれた秀作だと思います。

(80点)



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深淵のガランス」の続編です。あれ、読んだんだけど、上手く感想がまとまらなくて、スルーしてたんだった。もう一度読むべきか。うーん。

虚栄の肖像虚栄の肖像
(2008/09)
北森 鴻

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墓前での奇妙な花宴で依頼されたのは、肖像画の修復。報酬は、桜を活けた古備前というが…。表題作ほか全3篇を収録した、ミステリー連作短篇集。全3編。 (「MARC」データベースより)

下手な修復家によって、真作が贋作になり、贋作が真作になってしまう。しかし、修復を行わなければ作品は朽ちていくだけ。
そういう、骨董品とは一味違う、真贋の境目を見極める話です。
前作はちょっとわかりにくい部分があったように記憶していますが、今回はずっとすっきりした印象。
出てくるのは「素人の肖像画」「パリ派の画家の風景画」「無名の天才の緊縛画」。それとその周りを行き来する骨董品。
作品の良し悪しや価値のほかに、その絵画が存在することによって広がる波紋が主眼です。

少し屈折した主人公の佐月が魅力的。彼と因縁のある女性も出てきて、佐月の人物に奥行きがでてきました。

(74点)



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これまた第二作。シリーズ続編は大概第一作を超えられない、なんていいますが・・・。

ぶぶ漬け伝説の謎 裏京都ミステリー (裏京都ミステリー)ぶぶ漬け伝説の謎 裏京都ミステリー (裏京都ミステリー)
(2006/04/20)
北森 鴻

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知る人ぞ知る名刹・大悲閣千光寺に、今日も珍妙な事件が持ち込まれる。元裏世界の住人の有馬次郎、マイナー新聞の記者・折原けい、スチャラカ作家のムンちゃんが難事件の謎を追う! 古都ならではの謎解きの珍妙をご堪能あれ。(「MARC」データベースより)

支那そば館の謎 裏京都ミステリーの、続編に当たります、この作品。登場人物はそのまま、世界観もそのまま。
・・・なんですが、どうにも一味物足りない感じがしました。
「このキャラクターじゃないと成立しない」話が少ないから、かなあ。有馬次郎氏の前身に絡む話、とか、期待してたからなあ。

相変わらず出てくる食べ物がおいしそうで、その点でちょっと評価底上げしてます。
もともとこのシリーズはちょっとすちゃらかな感じなんで、雰囲気としてはいいんですけど。
読んだあと、「ああ、おもしろかった」で終わってしまう話のような気がします。

(73点)



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