いわずと知れた「館」シリーズ第七弾。上下巻、計2500枚の力作、だそうです。ああ、しんどかった。
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暗黒館の殺人 (上) 価格:¥ 1,575(税込) 発売日:2004-09-10 |
近隣の村では「あそこには怖い物が住んでいてうかつに近づくとさらわれる」と恐れられている館、暗黒館。そこが中村青司に関係あるらしいと聞いて、江南は一人車を走らせるが、途中、地震が原因で事故を起こしてしまう。退路を絶たれ、暗黒館に向かう江南だが、そこには「浦登」の一族が住んでいた。
ここまでが、序章のあらすじです。ここからが本番。語り手の「私」の正体は明かされぬまま、黒く塗りつぶされた館、窓がほとんどなく内に向かっている部屋、そこに住むシャム双生児の少女、早老症の少年、心が壊れた婦人、いわくありげな儀式、と次から次へと畳み掛けるように書き連ねられる「昏い」イメージ。入り組んだ人間関係。乱歩や正史のころのような、時代がかった作品です。
ミステリを好んで読んでいると、「よくこんなこと考え付いたなあ」と思うような作品にめぐり合うことがあるのですが、正直、この作品はそこまでいってない気がする。謎のいくつかは読んでいる途中に解る。具体的にこれこれこうだからこうだと理屈だてて考えなくても、「あれおかしいなあ」くらいは解る。そういう文章になっている。
だから、私のこの作品に対する評価は、「よく書ききったなあ」です。
そもそも、「うらど」家、いわくありげな儀式、隠し扉や使えない階段、と聞いて私が思い出したのは小野不由美氏の「アレ」。同じモチーフの作品を少女小説とミステリと文法変えて書いたらこうなるのか? とか考えながら読んだ。
しかし、この膨大なモチーフを、積み重ね積み重ねしてフェアなミステリにする体力はすさまじい。
おまけ。「私」の正体はこうだろうなあとおもいながら読んだ。当たってた。江南の名前も予想どおり。でも、玄児の正体は予想外だった。中村某も。読んだ方だけわかってください、私の読解力はそんな感じです。
(点数…難しいなあ、自分で楽しんだ点数は85点、人にお勧めするなら60点。とにかく長くて読みにくいので)
| びっくり館の殺人 価格:¥ 2,100(税込) 発売日:2006-03 |
綾辻行人 講談社ミステリーランド
「館」シリーズといえば、新本格のさきがけともいえる「十角館の殺人」から始まる一連のシリーズで、「館」と広義での「密室殺人」をテーマにした大変トリッキーな作品群です。
その続きをここで書くかぁ? と、思いつつ読みました。…面白くなかったわけではないです。ただ、シリーズの一冊として読むには肩透かし。
メインのトリックはクリスティーの「あれ」と同じだし(活用が違うんでそれについて文句を言うつもりはないけれど)、いつもの中村青司の、どこか気の狂った設計も物足りないし、そもそも探偵役が…。(これ以上言うとばれてしまう)
少年少女のための、としてはいい作品だと思う。ミステリーに興味を持たせるという意味で。

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