乱読にもほどがあるッ!
趣味? 読書です。毎日欠かさず本を読む、グータラ主婦の読書記録。
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この本は子供の学校での読書タイム用に購入しました。親もゆっくり読んでます。

ボーイズ・ビー (幻冬舎文庫)ボーイズ・ビー (幻冬舎文庫)
(2007/10)
桂 望実

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多分ブログではきれいにでないかと思いますが、繊細な色使いの素敵な表紙です。

母親を亡くしたばかりの川畑隼人は、引っ込み思案な十二歳。ある日彼は、真っ赤なアルファロメオを乗りこなす七十歳の靴職人と出会う。だけどそいつは、かなりの偏屈ジジイ…。出会うはずのない二人。出会っても通じ合うはずのない二人。そんな彼らが、徐々に心を通わせていく。(「BOOK」データベースより)


主人公の一人が小学生で、母親をなくしたばかり。これだけでもう、辛い設定なのに、母親に頼まれたからと弟の世話を引き受ける、なのに弟は母親とはもう会えないってことをよく理解してなくて、何とかわかってもらおうと苦戦するわけです。こういうとき本当は頼りになる筈の父親は仕事に一生懸命すぎて子供のほうを向いていないし、主人公の隼人は自分も辛いのに「母さんは父さんに心配かけないでねっていってた」とか気を回しすぎるあたりがもう、いじらしくていじらしくて…。

これに対してもう一人の主人公は老人。靴職人。腕は一流なのに気難しくて、納期は約束しない、気が向かなかったら作らない、人付きあいなんかしたくない、という頑固さ。

この二人がだんだん親しくなっていく物語。しかしよくある「老人と子供」ものと一味違うのは、子供のほうが周りに気を使って自分のことを後回しにしている大人びた子供であることと、老人のほうが気の短い内面子供であることだと思います。

二人とも、上手く自分と折り合いがつかなくて、無理しているところがそっくり。

この小説の山場は、文庫本223ページころからの隼人が必死に父親を説得するあたりだと思います。
いろんな大人に知り合って、自分の話を聞いてもらって、そしてようやく自分に一番近しい、でも一番心配をかけたくない父親に話を聞いてもらおうと努力するところ。この父親も人格の練れていないバカ者で、気を回すところが違ってやきもきさせられます。こういう父親を持った子供は苦労するけど、苦労しているということが父親に伝わるだけでどれほど子供の気持ちが楽になるのか…。母としての立場から、我が子や知り合いの子の事を思い返して頷きながら読みました。

この話は「十二歳」や「夏の庭」・「西日の町」あたりがツボの私にとってはどんぴしゃ!でした。ちょっと子供向けとは違ったかもしれないなあ…。

(87点)
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今日も一冊。

ボクハ・ココニ・イマス 消失刑ボクハ・ココニ・イマス 消失刑
(2010/02/19)
梶尾 真治

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実刑判決を受けた浅見克則は「懲役刑」と「消失刑」のどちらかを選べ、と言われる。消失刑だったら、ある程度の自由が与えられ、刑期をどのように過ごしてもかまわないらしい。いったい、どんな刑罰なのか?(「BOOK」データベースより)


近未来を舞台にしたSFです。
「消失刑」とそれに関するアイテムがSFなだけで、日常の描写はまるっきり現代ですが。

勤め先の女性のトラブルに巻き込まれる形で暴力事件を犯してしまった主人公が、「行動の自由を認められ」「刑期が短くなる」というのにつられて選択した「消失刑」。特徴は、誰からも見えず、声もだせず、触ることも出来ない、まるっきり「いないもの」として扱われる刑だということ。
首に計器をつけることで、周りの人から受刑者の姿は見えなくなるし、声を出したり触ったりと自分の存在を告げようとするとリングがしまってしばらく行動不能になる、といった設定です。

前半はこの刑に服している主人公・浅見の、日常生活を襲う孤独感やそれでも何とか順応していこうとする様子がかかれています。浅見は基本的に善人だし(犯罪者だけど、状況的に同情の余地がある)、共感できるように書いてあります。
それなのに残酷にも刑期の終了をつ得る機械は壊れてしまい、頼りの綱の管理センターも撤収されて、いよいよ孤独のどん底に突き落とされる浅見。そこにテレパシーのようなもので話しかけてくる女性が現れて…。なのに彼女も犯罪に巻き込まれていて…。

ちょっと切ないラブストーリー風味な小説で、でもそんな簡単な話でもない。人間は社会性の生き物だということや、孤独についても考えさせられる小説です。リングが壊れるあたりはちょっと都合がいい展開かなとも思いました。ラストもすべてが解決したわけでもないし。

で難しくはないんですよ。文体もライトでさくっと読めます。梶尾真治らしい小説だなあと感じました。

(80点)



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読もう読もうと思って長らくお預けにしていた本。くう~~もったいない! 傑作です!

悦楽の園悦楽の園
(2007/10)
木地 雅映子

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この世界は、人間を礎にした塔。人が勝手に塔になることをやめてしまえば材料が足りなくなる。だから人は必死で塔にしがみついている、それに適さない人までも無理やりに巻き込んで。私たちはそんな生き方は出来ない、2人でこの塔を出る――。少女真琴は同じ魂をもった少年に出会う。彼女たちは生きていける場所を見つけることは出来るのか? 


「氷の海のガレオン/オルタ」と絡めての感想になります。

オルタは、「逃げろ」というメッセージを持った作品でした。

「普通」という生き方が出来ない、どうしてもどうしても周りの人たちに合わせられない、世界は私が考える様に整然としてない。普通なら解る、といわれて、でもその普通がわからない。
そういう(おそらく脳の働きに癖があるせいで)「普通に生きられない」少年少女たちに、「死ぬな」「逃げろ」「逃げて生き延びろ!」と叫んでいる作品でした。

しかし私はこれが長らく不満だったのです。

学校というシステムになじめない子はいるのです。逃げるのを責めているわけではありません。しかし、「じゃあ、逃げてそのあとどうするの?」という疑問はずーっとずーっと持ち続けていたのです。
その子が一人で生きていく力は、どこでどうやって蓄えるの、と。


そしてこの作品は、「戦え!」と言っている作品です。

普通からはみ出ているものの、争いを避けて周りにあわせていくだけの器用さを持っていた少女真琴と。
普通が解らない、その分純粋で才能を持った少年南一と。
彼女たちが自分の生きていく場所を掴み取るために、傷ついて血みどろになって戦う話です。


その戦いの中に叫びを感じました。

必ず、道はあるから、と。
必ず、仲間に出会えるから、と。

普通じゃなくたって、生きていく価値はあるから、と。


私の疑問の答えをもらいました。


幸い、真琴の周りには彼女たちの置かれている状況をわかってくれる大人がいて、彼女たちの居場所を作るために尽力してくれます。
この大人たちも、真琴たちの置かれた状況と似たものを潜り抜けて大人になったのでしょう。
そして真琴たちも、戦いながら傷つきながら大人になって、いつか同じような子供の力になる日が来ることでしょう。
そういった、未来へ続いていく明るさを感じさせる作品です。

絶対、絶対読んでみるべき。

(96点!)



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そろそろサイドバーも整理しないと(汗)

踊るジョーカー―名探偵 音野順の事件簿踊るジョーカー―名探偵 音野順の事件簿
(2008/11)
北山 猛邦

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推理作家の白瀬は、とっても気弱な友人・音野順が秘める謎解きの才能を見込んで、仕事場の一角に探偵事務所を開いた。今日も白瀬は泣き言をいう音野をなだめつつ、お弁当のおにぎりを持った名探偵を事件現場へ連れてゆく。殺人現場に撒かれた大量のトランプと、凶器が貫くジョーカーが構成する驚愕の密室トリック(「踊るジョーカー」)、令嬢の婿取りゆきだるまコンテストで起きた、雪の豪邸の不可能殺人(「ゆきだるまが殺しにやってくる」)など五つの難事件を収録。(「BOOK」データベースより)


名探偵と、彼がといた謎を元に小説を書いている推理小説家が主人公の物語です。
探偵の音野順が自分に自信がない引きこもりで、でも安楽椅子探偵ではなく、現場に出て行って手がかりをつかむタイプです。
作品としてはオーソドックスな、依頼系の謎解き連作集。
トリックとしてそれはありか? と言う感じのも混じってますが、キャラクターの魅力で読ませます。名探偵・助手・警部の三つ巴のやり取りが楽しいです。

最後の「ゆきだるまが殺しにやってくる」が好きです。ツンデレかよ!みたいな。

(80点)



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体調不良にてしばらく間が開いてしまいました。もう元気です。

ヨルの神さまヨルの神さま
(2008/11/26)
樫崎 茜

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弟といっしょに塾に向かう途中、突然鳴った公衆電話。電話が告げた「ヨルの神様」という言葉に引かれて、調べ始める恵だったが・・・。

成績・まあいいほう。兄弟は弟一人で、こいつがめっぽう勉強好き。友達はいる。親は学習塾の塾長をしていて、子供への理解はある方。さすがに塾には通わせられる。勉強は嫌いだが、やればそこそこの成績が取れるので、しないこともない。
・・・という主人公、恵。はっきりとした不満があるわけでもなく、そこそこの濃さで毎日を送っている中学生。
でも、背中にべったりと「つまんねえ」って書いてあるような、そんな少年。

そんな少年が受けた間違い電話。恵は「ヨルの神様は公園の滑り台に座っている」という言葉を頼りに、近くの公園を探しまわります。

そして出会ったヨルの神様は、特殊な能力があるわけでなく、ただの物静かな青年で、しかも犯罪計画まで立てています。その計画は罪を当てはめるとしたら「窃盗罪」なのだけど、もっと悪い犯罪もあちこちにありふれている。恵はその「計画」に手を貸すことにして・・・。

小説として甘い部分はあると思います。展開に無理がある場面も、説明が足りない場面もあると思う。
ただ、少年の視点からつむがれた彩度の低い日常についての文章は、読ませるものがあります。
どちらかというとYA小説の部類になりますね。

(75点。もう少し大きなうねりがある小説のほうが好みかな)



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