乱読にもほどがあるッ!
趣味? 読書です。毎日欠かさず本を読む、グータラ主婦の読書記録。
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短編集。北村氏の作品の中では異色作です。

元気でいてよ、R2-D2。元気でいてよ、R2-D2。
(2009/08/26)
北村 薫

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隣の課の課長が自分のことを好きらしいと聞いた陽子は、全く好意はないが変に意識するようになる。その後課長は若い部下との結婚が決まって、陽子は微妙に“振られた女”という目で見られるように。最初に課長の話を振ってきた後輩・亜里沙の作為を疑う陽子。だが後輩の行動はそれだけではなかった…「三つ、惚れられ」 他、普段は見えない人の真意がふと現れる瞬間を描く、全8編収録の短編集。(amazon・内容紹介より)

テーマは「ホラー」なのかな。もっと「人の心の不思議」を前面に出したものが多いです。もともとミステリとホラーは相性がよくて、どちらも書かれる作家さんも多いですが。

中でも、うーんと怖かったのが「腹中の恐怖」。ストーカーものです。ラスト数行が本当に怖い。こういう体験をしてしまったら、素直に子供をかわいがれなくなりそう。ぞくぞくっとする話です。

ラストの一行のあとの絶望感を想像して怖かったのが「よいしょ、よいしょ」。私はぞっとしましたが、人によっては怒りまくるのかも、と考えました。

もともとの北村氏の持ち味の品のよい文章で、「怖がらせるためのホラー」ではない怖さ、を感じながら読みました。
恐ろしきは人の心なり。絶妙です。

(87点)
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テーマ:本読みの記録 - ジャンル:本・雑誌

この本、通して読んだことがなかったです。反省。

ニッポン硬貨の謎 エラリー・クイーン最後の事件 (創元推理文庫 (Mき3-6))ニッポン硬貨の謎 エラリー・クイーン最後の事件 (創元推理文庫 (Mき3-6))
(2009/04/20)
北村 薫

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これは・・・大いなる内輪受けが仕込まれている本、ですねえ。

そもそも設定が、「エラリー・クイーンの未発表原稿、それも来日時のことが書かれたミステリーが発見されたので、北村薫がそれを翻訳する」というものなのですよ。ところが東京創元社のミステリ、「競作五十円玉二十枚の謎 」がストーリー中にぬけぬけと仕込んであるのです。それでいてさくひんちゅうに「クイーン論」が組み込まれていたり、脚注が凝っていたり、それでいてラストが尻切れトンボだったり、もう、好きなこと書いているなあ、というのが印象。
東京創元社好きでいろいろ読んでいる人はくすりとする場面満載ですが、そういうのに興味がない人はわかりにくいかもしれません。

それでいてちゃんとミステリとしての体裁は整っているんだよね。文章もクイーン調だし。読み応えは十分です。

(80点。おすすめどころが解りにくい本)



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「ベッキーさん」シリーズ、第三弾。

鷺と雪鷺と雪
(2009/04)
北村 薫

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名門、滝沢子爵の当主様に良く似た男が浅草のルンペンの中にいるという・・・。調べてみると、子爵はある日突然、玄関からかき消すように姿をくらましたという。失踪だとしたら、何故、どうやって・・・。(「不在の父」より)

お嬢様の英子と、その運転手のベッキーさん。些細な事件を、ベッキーさんの助言によって解決する話、三話。
謎解きの部分はもちろん見事なのだけど、それよりむしろ、時代考証的な部分に強く興味を引かれました。

さらりとでてくる、芥川や川端のような文豪の名前。偉人としてではなく、同時代に生きたひととしての書かれ方。
第二皇子誕生に号外が配られたこと。
だんだん勢力を増していく軍部。
昭和初期を舞台にしたファンタジーのようなつもりで読んでいたのが、急に今の時代と地続きだと気付いて、ぞくり、としました。

この本は、昭和十一年二月二十六日に、幕を閉じます。

これからおこるであろう悲しい出来事が予想できるだけに、胸に迫る書き方です。
決して、華々しく飾り立てる文章ではなく。何があったと明記されているわけでもなく。
それでいて、「何かがあった」ことだけは解るように書かれていて・・・。

果たして、彼女たちは、いつの時代まで生きるのか。
この物語は、いつの時代で幕を閉じるのか。

読みたいけれど、切なくなってしまいました。

(87点)

「蒲生邸事件」・宮部みゆきもあわせてどうぞ。



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テーマ:本読みの記録 - ジャンル:本・雑誌

待ってました! の北村薫氏による「ミステリーランド」。もともと、北村氏の作品は、「子供に読ませたら面白いんじゃないか」と思っていたので、その北村氏があえて書く、「子供対象」の話。楽しみ、楽しみ。

野球の国のアリス (MYSTERY LAND)野球の国のアリス (MYSTERY LAND)
(2008/08/07)
北村 薫

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野球が大好きなアリス。小学校では少年団のエースとして投げていたが、中学に進学し、彼女から野球をする機械は失われてしまった。そんなアリスが迷い込んだのは鏡の向こうの国。そこでは、全国大会で負け続けたチーム同士が戦って最弱チームを決める、負の全国大会が開かれていて・・・。

どうして北村氏は、こういう、「女の子だからあきらめなきゃならないちょっと切ない気持ち」を書くのが上手いのでしょう。
自分のいた世界の裏側で、負け続ける野球部。試合ボイコットなんてしようものなら、周りから非難を浴びせられる世界。こんなのおかしい!と思ったアリスが、その連鎖を断ち切る為に、ピッチャーとして一試合投げる話。
青春小説としては満点です。
自信家で天才肌のライバル「天才」五堂。頼れる女房役(男の子だけど)の、キャッチャー兵頭。情熱は人一倍でチームを引っ張っているキャプテン、安西。それぞれのサブキャラクターが実にいいし、なんといっても主人公のアリスが生き生きしている。「この試合が、きっと最後」。この切なさは、なかなか書けるもんじゃありませんよ、本当に。

ラス前、「パワー充電」の場面なんかはほろりと来ました。

あえて、本当にあえて難点を挙げるとしたら、
「何で本格を書いてくれなかったの?」
ということだけ。
このレーベルの本格率は大して高くないのだけど、でも北村氏だから・・・と期待しておりました。
ちょっと、残念。

(その辺を差し引いて、90点)



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なんか、北村薫氏っぽくないタイトルだなあ、と思いながら読んでみた。

1950年のバックトス1950年のバックトス
(2007/08)
北村 薫

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一瞬が永遠なら、永遠もまた一瞬。過ぎて返らぬ思い出も、私の内に生きている。秘めた想いは、今も胸を熱くする。大切に抱えていた想いが、解き放たれるとき――男と女、友と友、親と子、人と人を繋ぐ人生の一瞬。「万華鏡」「百物語」「包丁」「昔町」「洒落小町」「林檎の香」など、謎に満ちた心の軌跡をこまやかに辿る二十三篇。 (帯より)

最初の数編が、読み終わったあとちょっと薄ら寒くなる話だったので、「そういう短編集なのか?」と思ったら途中でがらりと変わった。色々な時期に発表された短編を集めた本なだけに、文体とか表現が多少変わっているのはご愛嬌かな。

表題作もよかったのだけど、私が好きなのは「昔町」。
莫大な財産を手に入れた老人たちが、ノスタルジーを求めて作った街の全容やいかに?
っていう、簡単に書いちゃえばそれだけの話なんだけど、ラストシーンがすごく好き。
これに共感するとは私も年かなあ(笑)

(75点。本格が読みたいなあ)




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