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あれ、いつの間にそんなに読んだんだ?
![]() | 暗黒童話 (2001/09) 乙一 商品詳細を見る |
ある日、私は片目を失った。そして、その日までの記憶も。しかし、時折激しい痛みと共に見知らぬ映像が頭をよぎる…。その映像の源を求めて旅に出た私を待っていたものは…。 (amazon・出版社/著者からの内容紹介より)
この本も「これ、ひょっとしたら読んでないかも・・・と思ったんだけど、読んでました。
「ZOO」(の中のいくつかの話)とか「GOTH」とかの原点・・・といってもいいのかな。短編が多い作家さんの、数少ない長編です。
これが表現がもう、いやな人は鳥肌が立つくらい嫌な話だと思います。そもそも冒頭が、「傘がまぶたに入り込み、眼球を失った」(←反転してみてね) 場面ですから。私もこういうのはけっこう苦手です。テレビの「手術もの」とか、怖くて見られないですから。(じゃあ何故死体が出てくる話は平気なんだろう・・・)
そういう枝葉をばっさり落としてしまうと、核は端正なミステリです。
「書かれた伏線」と、「書かれないけど推測できる場面」とをうまく利用したストーリーです。ラスト近くなって、「ああ! あそこはここにつながってたのか!」みたいなところが大変気持ちいい。
しかし、なにしろ時々出てくる「あれ」の描写があれなんで、私としては「面白いけど薦めない」作品になってます。
(そういう話なんで、点数としては70点かと。)
今調べてみたら乙一氏の小説について書いたことなかった。結構読んでるのに。
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ZOO〈1〉 価格:¥ 480(税込) 発売日:2006-05 |
ZOO・全2巻。乙一氏の分裂っぷりが如実に現れた短編集。
分裂ってのはけなしてるわけじゃないです。乙一氏の本は、大きく二つに分けられると思う。『GOTH』を代表とする黒くて暗い猟奇的な話と、『暗いところで待ち合わせ』みたいなちょっとしんみりする話。
で、この本には、その両方の話が収録されてます。さらに傾向の違う話も。これだけ色々書いているのに、けしてそれぞれのクオリティは低くないのがまた驚き。
私が一番好きなのは、1巻に収録されている「陽だまりの詩」。青年に作られたロボットの少女。彼女は製作者の青年の遺体を葬る為に作られた。彼の体は病気に冒されていて、もうわずかしか生きられない。限られた時間の中での二人の交流。最初は機械的に物事を処理していた少女は、その交流を通して変化しはじめ・・・。最後の場面、泣けます。少女がいじらしくて可愛くて。ありがちな話といわれればそうかもしれないけど、人より長く生きるロボットの、悲しみにあふれた良品です。
ただし、今回一番お勧めするのは同じく1巻の「SEVEN ROOMS」。コンクリートで固められた部屋に閉じ込められた姉弟。扉越しに食べ物と水は与えられるものの、誰が何の目的で彼女等を閉じ込めたのかわからない。部屋の真ん中を横切る溝を通って隣の部屋に行った弟は、そこにも同じように閉じ込められた少女を発見し・・・。今の季節向きのホラー。状況説明らしきものはほとんどないまま話が進んでいく怖さ。いつまでこのままか解らない怖さ、解ってしまった怖さ。短編だからこその味と、最後の後味の悪さがもう・・・。夢に見ました。
大長編なんかじゃなくても、いい本はいくらでもあるんだよ、という本です。
(80点)






