乱読にもほどがあるッ!
趣味? 読書です。毎日欠かさず本を読む、グータラ主婦の読書記録。
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私が一番多く読み返している本はこれではないかな、と。

ラビリンス(迷宮) (徳間文庫)ラビリンス(迷宮) (徳間文庫)
(1987/12)
新井 素子

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村の誰よりもすぐれた身体能力を持つサーラと、神官の娘で誰よりも聡明なトゥード。「人を喰らう」という「神」の生け贄になるために、2人は迷宮へと向かう。サーラは道具として生きる人生に別な答えを出すために、トゥードは神の持っている知識を分け与えてもらうために。2人が出会った神は、実は人工的に生み出された生き物で…。


遠くに売られていく運命よりも、神と戦って生きのびられる可能性に賭けるサーラ。神が知っているはずの膨大な知識を得られるのなら、死んでもいいと思うトゥード。彼女たちが神への生け贄になるところから物語が始まります。
まずこの、与えられなかった人生を掴み取るために命をかける少女たち、というモチーフが好きなんですね。無鉄砲で、真剣で、ちょっと向こう見ずな少女たち。

そして神と彼女たちは出会い、戦うことになります。結果は神の圧勝。しかし、神は彼女たちを殺すことよりも、逃げて欲しいと訴えます。
なぜなら、彼女たちが目の前にいると、「喰いたい」という欲望を抑えきれなくなるから。理性では人を食べたくなどないのに。

しかしトゥードの願いもあって、怪我をした神と、サーラと、トゥードは、怪我が治るまで一緒に暮らすことになります。
迷宮という閉鎖された空間の中で、「喰うもの」と「喰われるもの」、「教わるもの」と「教えるもの」、「狩るもの」と「狩られたいと願うもの」の幾重にも重なり合った感情のやり取りの、緊迫した雰囲気も好き。

そしてこの作品については、なんと言っても「神」の性格設定がいいと思うのです。欲望と理性との狭間で悩みながら死ねずにいる人。ゆがませたいという欲望と、教えたいという喜びと、相反する感情のゆれの中で自分は何のために生きているのかと悩み続けるような人。

怪我が癒える日はやってきます。そのとき、三者は再び人生の選択に迫られます。

ネタバレかも知れないのですが、この作品の舞台が「密室」ではなく、「迷宮」であることに大きな意味があるのです。迷路なら抜け出ることが出来るのです。そして、新井素子の描く登場人物たちは、決して不幸になるための決断をしない。

最後の場面は印象的です。


この本がもう、好きで好きで。私が今もっているのはこの徳間文庫の初版本です。いろんな本を手放してきましたが、この本だけは処分しようと考えたこともなかった。
「ディアナ・ディア・ディアス」も好きです。「扉を開けて」は今読むとちょっと文章が苦しいのですが、それでも大好きな物語です。

この世界の物語はもうつづられないんでしょうね、残念ですが。

(点数はつけられません。好きすぎて)
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なんだかんだ、一番長い間読み続けている作家さんというのは彼女ではないかと思います。

もいちどあなたにあいたいなもいちどあなたにあいたいな
(2010/01)
新井 素子

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なんだか変!いったい何が起きてるの?大好きな和おばさんは、愛娘を亡くして大きなショックを受けているはず、だからあたしが力づけなくちゃ。でも、それにしても。―何かがおかしい。澪湖は、その謎を探り始める。失われた記憶と、関係のなかで醸成され増幅される呪詛…著者ならではの軽妙な文体でつづる濃密な物語。 (「BOOK」データベースより)


最初の感想は「んんん?」でした。
仲のよいおばさんの様子がおかしい、何か変だ、と思って真相を確かめる女子大生の話です。
しかし前半はそのおばさんと、主人公の女性がどれだけ仲がよかったか、何故それだけ密接した関係になっているのか、ということを家族それそれの目から描いた小説になっていて…。

大きな事件は怒りません。
隕石も落ちてこないし、異世界にトリップしちゃったりもしないし、小説の登場人物が現実化したりもしません。
普通の家庭の、普通の悲劇の裏で起こっていた不可解な出来事。しかしそれは当人以外にほとんど影響を及ぼしません。気のせいですませることも出来るようなこと。
大きな盛り上がりにも欠けています。
それでいて読ませる力はあるんだよねえ。最後まで一気でした。

なんというかな、緩やかにゆがんでいる家族をかいている本なんだよね。
共働きの夫婦と、娘。その娘の養育を一切任されたおばさん。娘はおばさんのほうに親近感を感じていて、母親は我が子との関係につまずいている…。夫婦間の感情にも行き違いがある。どこにでもいそうな家族なのだけど、みんな少しだけ思い込みが強いがためにさらに関係がこじれていっている感じ。そこにあるのは愛情なのだけど、とにかく決定的にかみ合っていない。
考え方に少し前の世代を感じさせる場面なんかもありましたが、こういう書き方が出来る作家は確かに彼女だけかもしれない。

それでいて、しっかりSFなんだよね、最後まで読むと。

不満はあちこちありますが、やっぱり私は彼女の書く作品世界が好きです。
(72点)



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これも再読になるのかな? 今まで別に出版されてた話がようやく併録されました。

グリーン・レクイエム/緑幻想 (創元SF文庫 (SFあ1-1))グリーン・レクイエム/緑幻想 (創元SF文庫 (SFあ1-1))
(2007/11)
新井 素子

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子供の頃であった、緑の髪の少女。彼女の面影を追いながら、島村信彦は植物学への道を進んだ。そして、大人になった少女と再会し・・・。


改めて読んで見ると・・・懐かしい・・・。
すごく我の強い登場人物がそろってます。意思疎通が十分になされてない感じがする。「私はあなたのためを思って」といいつつ相手の思うところとは裏腹な行動する人がなんて多いことか。
ストーリー展開も強引だし、特に「グリーンレクイエム」の方は欠点がいろいろ見えるんだけど、それでもやっぱり、「新井素子な感じ」するなあ。これが好きではまってたんだよね、私。
そして、緑幻想、今読んでも決して古くないです。
地球の生態系を崩す「人間」という生き物についてのくだり、やっぱり読み返したら頷いちゃうもんなぁ・・・。
復刊に感謝。

(思い入れ強すぎて点数つけられません)


「星へ行く船」シリーズの復刊も希望!



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最近新刊でないなあ。復刊とか児童向けとかで再出版してくれて嬉しいことは嬉しいんだけど・・・という、新井素子さんの本。

お元気ですか お元気ですか
価格:¥ 1,470(税込)
発売日:2004-08

SF作家新井素子が、日常生活で感じたことを思いのままに綴ったエッセイ集。家事も仕事も「素子流」。著者の毎日を垣間見ることができる一冊。『クロスワードハウス』連載に加筆。 (MARCデータベースより)

もう、この紹介文そのままの本です。著者自信に興味がある人が読む本。『結婚物語』とか読んでる人も、面白く読めるかな。これだけ単独で読む本じゃないと思います。

私は面白く読みましたけど。

(点数なし)




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なぜか無性に新井素子が読みたくなって、ここ一週間でちょっとずつ読んだ本。次は「チグリスとユーフラテス」も読む予定。 Photo

おしまいの日
価格:¥ 540(税込)
発売日:1995-04

結婚7年目の主婦、三津子。夫の忠春は出世頭だし、夫婦仲も円満、経済的にも余裕があると、はたから見たら幸せそのものな三津子だが、心の中には狂気の種が眠っていた・・・。三津子の日記と、少しずつ壊れていく三津子、昔からの友人久美、3つの視点からなるサイコ・ホラー。

この本が出た当時、私はまだ未婚だったんですが、えらく感情移入して読んだ記憶がある。「仕事熱心すぎる人と結婚するのはやめよう」とか思った。

三津子の狂気の第一の原因は、忠春が忙しすぎること。家事が好きで結婚と同時に退職、毎日家を磨いて、栄養バランス考えた食事作って・・・でも、忠春が帰宅するのはおおむね午前様。・・・報われない。でも、三津子にとって「夫に尽くすこと」は「いい事・当たり前のこと」なので、苦痛に思わない。思わないようにしている。思わないように努力している自覚がないのが彼女の怖いところ。

第二の原因は、三津子が人付き合いが苦手なこと。そして、自分と価値観の同じ友人に出会えなかったこと。話す相手がいればちがっただろうに。母親とかに相談しても、「仕事熱心でいいだんなじゃない」と、贅沢な悩みのように言われてしまう。母の気持ちはわからないでもないけれど、三津子を追い詰めていく要因だろうなあ。

第三の原因は、結婚後すぐに子供が出来なかったこと。母親ってのは子供中心にコミュニティ作っていくので、子供さえいたなら第二の原因も解消されたかも知れない。(不妊等でお悩みの方、すみません〉

冒頭から暗い雰囲気で話は始まり、三津子が自分の中へ中へと迷い込んでいく様が描かれている。怖い。どう壊れていくかは読んでのお楽しみ。

でも、読み終えたら、「狂っているのは誰?」という気分になる。絶妙。怖い怖いと思って読み進めるんだけど、最後は切ない。それが好き。

あ、ネコ好きな方は読まないほうがいいと思います。作中、結構ひどい扱いうけてるんで。

(80点)




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