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| 輪違屋糸里 上 価格:¥ 1,575(税込) 発売日:2004-05-27 |
文藝春秋
年末時代劇ってことで。
新選組がまだ「みぶろ」と呼ばれていたころ。島原で天神(太夫の下の位)を張っている糸里は、土方に恋心を寄せていた。その折、姉とも母とも慕う音羽太夫が、新撰組局長芹沢に無礼打ちにされてしまう。芹沢といえば商家への押し借りや酔った上での乱暴など、悪名高い人物だが、その胆力で周囲に一目置かれているのも本当。島原芸者としての伝統を受け継いだ女・糸里は、幕末という時代のうねりの中に、いやおうなく巻き込まれていく…。
浅田次郎氏の作品からはしばらく間をおいていたんですが、久しぶりに読むとやっぱり上手いなあ。どのくらいまで史実かは詳しくないんですが、同じ事件を書いたんでも、人の内面の描き方によってはこれほど違う話になるものか、とうならせられた作品。ただし。日本史や幕末に興味のない人、新選組についての知識がない人は解りにくい、かも。時代小説的に仕方ない部分もあるけれど。(これ以上詳しく説明してたらストーリーが堰き止められてしまうぎりぎりまでは説明あるんで)
そしてやっぱり、女性の描き方が上手い。糸里・吉栄・お梅・お勝ら女性陣がしっかりかけてなかったら、この話、薄っぺらくなっちゃうだろうな…。今時の女性とは違う芯の強さ、男を支えて操って、でも恋情には負けてしまったり、解っててもあえて騙されてあげる気丈さ。歴史の表舞台には出てこない部分だけに、作者の思い入れが伝わるような描き方です。
やっぱり読書ってのはいいよね。視界の狭まっていた自分に気付く場でもあるよ。ひとつのジャンルにとらわれずに、色々読むのも大事だよね。(これは一年の総括か?)



