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「夢見る黄金地球儀」 海堂尊
うーん、うーん、作家さんによって向き不向きって、あるよね・・・。

夢見る黄金地球儀 (ミステリ・フロンティア 38)夢見る黄金地球儀 (ミステリ・フロンティア 38)
(2007/10)
海堂 尊

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首都圏の端っこに位置する桜宮市に突如舞い込んだ1億円。その名も「ふるさと創生基金」。だがその金は黄金をはめ込んだ地球儀に姿を変え、今では寂れた水族館にひっそり置かれているだけとなった――はずだった。が、ある日を境にトラブル招聘体質の男・平沼平介の日常を一変させる厄介の種へと変貌する。
8年ぶりに現れた悪友が言い放つ。「久しぶり。ところでお前、1億円欲しくない?」 
(アマゾン 出版社 / 著者からの内容紹介より) 

読んだ順番が違えば、感想も違ったかもしれないけど、私はこの本いまいちでした。

「だらしなくていい加減でどうしようもなくくず男だけど、かっこいい」と思わせないとこの手の作品は成功しないんじゃないかな。主人公も、悪友の久光も。
そして、「なんかわからないくらいめちゃめちゃな展開なんだけど、勢いがあってぐいぐい読ませる」暗いじゃないと。

海堂氏の作品は、どこか一本理論の筋が通ってて(もちろんこれは欠点ではないが)、・・・熱くない。どこかで冷静に計算して書いてる匂いがする。
バチスタとかブラックペアンとかならその匂いは悪いものじゃないのだけど、この手の本ならもう少し、はじけてくれた方が面白い。

まあ、ミステリ・フロンティアだしね。開拓者は、それまでの形式を捨てて挑戦するものだしね・・・。

既存の作品とリンクしていて、「あの人がこんな事に!」って驚きはあるんで、合わせて読む分にはいいかもしれません。

(70点。伊坂幸太郎の後では分が悪すぎる)

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「ブラックペアン1988」 海堂尊
バチスタシリーズは読んだし、「ジェネラルルージュ」が一番好きだ。海堂作品全部がリンクしている構成もいいと思う。全体に、「好き」な作家さん、なのですが・・・。

ブラックペアン1988ブラックペアン1988
(2007/09/21)
海堂 尊

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世良は外科研修医一年生。東城大学医学部で、佐伯教授の下、研修に励む毎日だが、そこに新しい技術とともに赴任してきた医師がいて・・・。

・・・この話、難しくないですか? 医療用語が。「コッヘルって何?」の状態で読むのが間違ってるのか。

バチスタシリーズは、医療技術がどうこうではなく、それを取り巻く人間関係のほうに主軸がおかれていたような印象で、多少わからない治療法があっても流れで読み進んでいけたんだけど、今回は妙につまずきました。「病院」が舞台ではなく「手術室」に絞られてるからかなあ。
前半、ストーリーの流れに乗って、医療の問題点が色々提示されるのは面白かったんだけど、ストーリーの閉じ方、ラストの手術のあたりが、駆け足だったのももったいない。

(73点)

過去編として、「若かりしあの人はこんな感じだったのね!」って思いながら読むのもあり、だとは思いますが・・・。

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「医学のたまご」 海堂尊
理論社さん、ありがとう。良くぞこの作品を子供向けレーベルで出してくださった!

医学のたまご (ミステリーYA!) (ミステリーYA!)医学のたまご (ミステリーYA!) (ミステリーYA!)
(2008/01/17)
海堂 尊

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薫は中学一年生。「ゲーム理論」の研究をしている父親が作った「潜在能力テスト」を学校で受け、全国一位になってしまった! 結果、近所の医学部で週に二日研究をすることになってしまい、しょっぱなからすごい発見をしちゃった、ってそれホント?

主人公が年齢よりちょっと幼い感じがするかな。持ち上げられたらどんどん調子に乗るし、嘘もつくし、カンニングしてでもいい格好したがるし、褒められる性格ではない。でも、「天才だ」と持ち上げられて、どんどん周囲に流されていったら、自分がやったわけでもないことの責任を押し付けられそうになって、ようやく「違う!」と声を上げようとする話。

落ち着いて読めばストーリーはかなり力技なんだよね。
カオル本人が医学を志してるわけじゃないし、「近所だから」ってだけで医学部に通うことになってしまうし、担当の教授がやっている研究を無理やり押し付けられるし。
「嫌だ」て言わないカオルがそもそもの原因。
そして、「よい結果は俺のおかげ、悪い結果は他人のせい」というわかりやすく自己中心的な教授と合わさって、どんどん悪いほうへ悪いほうへ事態は進展し・・・。

最初引っかかった横書きが気にならなくなるくらい、面白く読めました。
それでいて、全部全部大団円ではない、「大人の判断」が含まれる結末。「正義がすべて正しいとは限らない」、このセリフをぜひぜひ我が子にも読ませたい!

(85点。一般小説として読むなら、若干ご都合主義的な上手くいっちゃった感もありますが)

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「螺鈿迷宮」 海堂尊
待ちに待ってたバチスタシリーズ番外編。これ、読んだ順番、大正解でした。

螺鈿迷宮螺鈿迷宮
(2006/11/30)
海堂 尊

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留年を繰り返している医学生・天馬は、借金のかたに、桜島医院に表向きはボランティア、実際は調査員として潜入することに。桜島医院は、画期的な終末医療のシステムが確立した医院だが、最近雲行きが怪しくて・・・。

「バチスタ」は、読んでなくてもいけるかもしれない。読んでた方が面白いと思うけど。
なんとなく、私の感想としては「姑獲鳥の夏」と同じにおいを感じた。血族で運営されている病院、美人姉妹、死のにおい、隠されているがほころびかけている事実、そういうあたりから連想されるのかなあ・・・。
ミステリーというよりサスペンスな感じ。でも謎解きも面白かったけど。

(78点)

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テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学
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「ジェネラル・ルージュの凱旋 海堂尊
借りてきたらもう、我慢できなくなって読んじゃった。借りた順に読まないと後で苦しくなるんだけど。
ジェネラル・ルージュの凱旋ジェネラル・ルージュの凱旋
(2007/04/07)
海堂 尊

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リスクマネジメント委員長をやらされている田口の下に、一通の告発文書が届けられた。内容は、ジェネラル・ルージュの異名を持つ救急救命センター部長速水が、業者と癒着しているというもの。田口は、同期の速水を守るために調査を始めるが、倫理問題委員会による嫌味な介入にさらされて・・・。

きたきたきたー!!
これですよ、これ。病院内部の入り組んでいる、かつ独特な人間関係、権力闘争。「ナイチンゲール」で物足りないと思ってた部分が、全部突っ込んである。かなり典型的な医療サスペンスでありながら、際立って鮮やかなキャラクター描写。劇的な展開。こっそり紛れ込まされている恋愛。
医療関係者って大変だなあ・・・。そしてやっぱり表と裏の使い分けをしないと大学病院では生き残れないのかな。すっごいぐうたらに見えても、違う方向から見れば有能だったろする不思議。
そして何より、展開されていた論理がひっくり返される快感。これは本格ミステリに通じるものがあります。不可能だと思ってたのにそんな抜け道が! ってやつ。

「ナイチンゲール」とまったく同時期に起きていた事件なので、これをよんでからもう一度ナイチンゲール読むと、また違った発見があって面白いですよ。

(88点! 堪能しました)

カテゴリ:海堂尊
テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学
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