乱読にもほどがあるッ!
趣味? 読書です。毎日欠かさず本を読む、グータラ主婦の読書記録。
このカテゴリーの記事


上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。



ランキング参加してます。 にほんブログ村 本ブログへ 人気blogランキングへ
今日は辛口で。

極北クレイマー極北クレイマー
(2009/04/07)
海堂 尊

商品詳細を見る

財政破綻にあえぐ極北市。赤字5つ星の極北市民病院に、非常勤外科医の今中がやってきた。院長と事務長の対立、不衛生でカルテ管理もずさん、謎めいた医療事故、女性ジャーナリストの野心、病院閉鎖の危機…。はたして今中は桃色眼鏡の派遣女医・姫宮と手を組んで、医療崩壊の現場を再生できるのか。 (「BOOK」データベースより)

この人の本なら何でも好き、という方に時々出会うのだけど、私はそこまで達観できない。
そして、この本は・・・面白くない、と思うんだよね。

そもそも、人口10万をキープしている市なら、これだけ住環境が貧相なことはありえない。1万、なら納得いく。うちの実家のあたりは人口6000人規模の町だが、スーパーはチェーン店含め4店舗、コンビニも同じくらいある。スーパーが一つしかなくて、どうやって10万人の口を養うというのか。その辺の実感のない人が、イメージで書いちゃったんだろうなあ、という気がする。
そしてここで引っかかりを持ってしまったからこそ、そのあとの病院内の出来事に対しても、納得が行かない。
その人数がある町で、本当にこれしか病院がないのか。産婦人科があるなら小児科はどうした。いちいちみんな一時間かけて隣の町まで行くのか。小児科対象の子供だけでも、1万5千人くらいいるだろう。他の病院が市内にあるのなら、この病院がこういう状況になりうるのか。

そしてそのところを差し引いても、物語的にも納得がいかないのだ。
ぱたぱたと流れるようにストーリーが進むのはいい。読者をひきつける魅力もある。地方医療の問題点もさりげなく出されている。他の作品のキャラクターがぽろぽろとでてくるのも、ファンにとっては楽しみの一つだろう。
しかし、現在の問題に寄り添いすぎたからか、物語として上手くまとまっていない気がする。登場人物たちの性格付けも、なんかふざけているみたいで好きになれなかった。(現場の医療人はもっとまじめだ、と思う)

私はこの本を他人に薦めない。
他の本が好きで、「この人の本なら何でも読みたい!」という人だけ読んでみたら、と主張したい。

(点数なし)
スポンサーサイト



ランキング参加してます。 にほんブログ村 本ブログへ 人気blogランキングへ

テーマ:本読みの記録 - ジャンル:本・雑誌

結局のところ、楽しく読めればそれでいいんじゃないだろうか、と。

ジーン・ワルツジーン・ワルツ
(2008/03)
海堂 尊

商品詳細を見る


桜宮市・東城大学医学部を卒業、東京・帝華大学に入局した32歳の美貌の産婦人科医、曾根崎理恵―人呼んで冷徹な魔女(クール・ウィッチ)。顕微鏡下人工授精のエキスパートである彼女のもとに、事情を抱えた五人の妊婦がおとずれる。一方、先輩の清川医師は理恵が代理母出産に手を染めたとの噂を聞きつけ、真相を追うが…。(「BOOK」データベースより)

チームバチスタがAIについて世の中にもっと知ってもらおう、という趣旨の作品だとしたら、これは「参加にかかわる医療現場の苦悩」がテーマです。

実際、ここ数年で、産科の医師数は激減していますし、お産難民なんて言葉も生まれたくらい、状況は悪い。医者も限界を迎えています。
しかし、その現状はなかなか一般市民に伝わってきません。

この問題をどれだけ身近なものとして楽しめるかが鍵なんじゃないかと思います。

実際、これだけ物事が上手く運ぶことはあまりないんじゃないかと思うのだけど(特にお産の場面)、物語として十分楽しめて、情報がぎゅっとつまっている、よく出来た作品です。
現状について書かれていますので、読むなら情報が古くならないうちの方がいいかもしれません。

(82点)



ランキング参加してます。 にほんブログ村 本ブログへ 人気blogランキングへ

テーマ:本読みの記録 - ジャンル:本・雑誌

海堂氏一連のシリーズを読むなら、この本は押さえておいた方がいいと思います。

死因不明社会 (ブルーバックス 1578)死因不明社会 (ブルーバックス 1578)
(2007/11/21)
海堂 尊

商品詳細を見る


日本の解剖率は2パーセント。詳しい死因を解明されないまま、死亡診断書が書かれているのがほとんど。しかしすべての死体を解剖するにはマンパワーが足りない。この現状を打破する方法は。

エーアイという、死体に対して画像診断を行うことによって死因を確定する、という技術。海堂氏はこの方式を強く支持しているし、現場の医師や警察官の間でも要望があるのに、これが採用される気配はありません。なぜか。厚生労働省が予算を出さないから、です。

これは「バチスタ」シリーズでも何回も書かれている主張です。

ところがここで出てくるのが、「何故死因を確定させなくてはいけないの?」とか「エーアイってぶっちゃけどんなの?」という疑問。
学術的なデータを交えつつ、一般人にもわかるように噛み砕いてかかれた説明書です。
データ解析的に難しいところは多少あるんですけど、でも医療関係の本としては格段に読みやすく、とっつきやすいように書かれています。

読んでおいて損はないと思います。
(78点)



ランキング参加してます。 にほんブログ村 本ブログへ 人気blogランキングへ

テーマ:本読みの記録 - ジャンル:本・雑誌

帯のあおり文句「厚生労働省をぶっとばせ!」を見ていやーな感じはしてたんですよね。

イノセント・ゲリラの祝祭イノセント・ゲリラの祝祭
(2008/11/07)
海堂 尊

商品詳細を見る


田口医師は、白鳥にはめられて「医療事故調査委員会創設検討会」なるもののメンバーにされてしまった。医者・官僚・医療被害者がそれぞれの立場で討論らしきものを繰り広げるも、実りのない会議。そんな田口にへエーアイ推進者の医師が接触してきて・・・。

検死のシステムが整っていない日本。不自然死の原因を探るシステムとして、画像診断は非常に望ましい、それを導入しようとしない官僚(厚生労働省)は間違っている、というのがこの作品の基本スタンス。海堂氏の主張でもありますね。

この主張自体はいいと思うんですよ。小説という形で描くからこそ、多くの人たちが手に取ってくれる、というのも正しいと思います。

この本は、その主張が前面に出てきた話になります。作中の大半は会議室。

今まで読んだ海堂氏の本は、医療システムの問題点非難を打ち出しながらも、医療サスペンスだったんです。
ところが今回は、その要素ががっぽり抜け落ちています。

面白かったかどうかというと、面白かったです。(厚生労働省側の)現行の論理を、新しいロジックで突き動そうとする熱量。医者としての論理と自尊心。日本はもっとよくなる、という訴え。矛盾点を的確について、会議の流れをコントロールしようとするクレバーさ。うん、面白かったです。

ただし、多分、これ一冊読んでも、面白くなかったんじゃないかな、とは思う。
シリーズの流れの中で重要な一冊、という気がします。

次作に期待。

(72点)



ランキング参加してます。 にほんブログ村 本ブログへ 人気blogランキングへ

テーマ:本読みの記録 - ジャンル:本・雑誌

うーん、うーん、作家さんによって向き不向きって、あるよね・・・。

夢見る黄金地球儀 (ミステリ・フロンティア 38)夢見る黄金地球儀 (ミステリ・フロンティア 38)
(2007/10)
海堂 尊

商品詳細を見る

首都圏の端っこに位置する桜宮市に突如舞い込んだ1億円。その名も「ふるさと創生基金」。だがその金は黄金をはめ込んだ地球儀に姿を変え、今では寂れた水族館にひっそり置かれているだけとなった――はずだった。が、ある日を境にトラブル招聘体質の男・平沼平介の日常を一変させる厄介の種へと変貌する。
8年ぶりに現れた悪友が言い放つ。「久しぶり。ところでお前、1億円欲しくない?」 
(amazon 出版社 / 著者からの内容紹介より) 

読んだ順番が違えば、感想も違ったかもしれないけど、私はこの本いまいちでした。

「だらしなくていい加減でどうしようもなくくず男だけど、かっこいい」と思わせないとこの手の作品は成功しないんじゃないかな。主人公も、悪友の久光も。
そして、「なんかわからないくらいめちゃめちゃな展開なんだけど、勢いがあってぐいぐい読ませる」くらいじゃないと。

海堂氏の作品は、どこか一本理論の筋が通ってて(もちろんこれは欠点ではないが)、・・・熱くない。どこかで冷静に計算して書いてる匂いがする。
バチスタとかブラックペアンとかならその匂いは悪いものじゃないのだけど、この手の本ならもう少し、はじけてくれた方が面白い。

まあ、ミステリ・フロンティアだしね。開拓者は、それまでの形式を捨てて挑戦するものだしね・・・。

既存の作品とリンクしていて、「あの人がこんな事に!」って驚きはあるんで、合わせて読む分にはいいかもしれません。

(70点。伊坂幸太郎の後では分が悪すぎる)



ランキング参加してます。 にほんブログ村 本ブログへ 人気blogランキングへ

テーマ:今日の一冊 - ジャンル:本・雑誌

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。