乱読にもほどがあるッ!
趣味? 読書です。毎日欠かさず本を読む、グータラ主婦の読書記録。
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佐藤多佳子氏、初のノンフィクションもの。

夏から夏へ夏から夏へ
(2008/07)
佐藤 多佳子

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2007年8月。世界陸上大阪大会。400メートルリレーでアジア新記録を出しながら、メダルに手が届かなかった男たちがいた。彼らのその時の状況と、その後の競技生活を丹念に取材して描いたノンフィクション。

わたくしごとですが。
ちょうど、一年前、「一瞬の風になれ」を読んだ直後に北京オリンピックがあって、日本男子400メートルリレーがメダルを取りまして、「ああ、いいタイミングであの本を読んだなあ」と思っていました。
で、今回、「一瞬~」が文庫化されたと前後して、この本が図書館に並んでいました。
「借りてくれ」ということなのかなあ、と思って読みました。

この本で面白いなあ、と思ったのが、「大きな大会とその後」という構成だということ。
これが普通の小説なら、「大会に向かっての積み重ねと、その結果」という構成になると思うのです。

しかし。

私、この本を読んで泣きました。

全然、泣ける話じゃないです。泣かせるための話じゃないんです。
私の心を打ったのは、「競技者が、ただ競技者足らんと、思い定める姿勢」。

丁寧に取材して書かれた作品です。
「小説家」が取材したので、「そのときどう思ったか」「これからをどう考えているか」といった、人間性の部分に主軸をおいているのが面白い。
ルポライターとは違う作品に仕上がっていると思います。

ちょうどこの本を読んでいるころ、世界陸上ベルリン大会がありました。こういう縁のある作品なのだと思います。

(87点)
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児童書の方の佐藤多佳子作品も、全部読みたいとは思っているのですが。それがなかなか。

ごきげんな裏階段 (メルヘン共和国)ごきげんな裏階段 (メルヘン共和国)
(1992/04)
佐藤 多佳子

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※どこを探しても画像が発見できませんでした! 残念無念。

築三十年の「みつばコーポラス」の裏階段は、さびれてボロきたないけど、とびっきりの場所。学も一樹もナナも、そこで、ちょっとふしぎでちょっとこまった生き物たちと遭遇する。謎めいた味わいの三つのお話を収録。 (「BOOK」データベースより) 


たまねぎが大好きで洗うたびに小さくなっていく猫、笛を吹く蜘蛛、煙で出来たモクー。生き物というか、怪談に近い感じですね。
裏階段に行くとほっとする、というちょっとひねくれた子供というのはいつの時代にもいくらかいると思うんですが、そんな子供たちが主人公です。

そして。
いいなあ、と思ったのが、そんな子供たちが連れ帰った「不思議」たちに直面した大人たちの反応、です。頭ごなしに無視するでなく、忌避するでなく。そのままの形で受け入れて、子供たちと同じように「どうしよう」と悩む。現実にはなかなかこういう大人はいませんよ。

(76点)



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面白くない、わけがない。

一瞬の風になれ(全3巻セット)一瞬の風になれ(全3巻セット)
(2007/06)
佐藤 多佳子

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主人公の新二は、天才的なサッカープレイヤーの兄の背を追いかけ、サッカーをやってきたが、「自分にサッカーの素質はない」と見極める能力には恵まれていた。高校入学に当たって、選んだのは近所の公立高校。同じ高校に通うことになった、幼馴染の天才スプリンターとともに、陸上部に入る。目標はただ、速くなること・・・。

三分冊で、結構ボリュームはあるのに、それを感じさせない軽妙な語り口がたまらない本。

メインの種目は「400メートルリレー」。100メートルずつ、4人の選手でバトンをつなぐ競技。
個々人の素質はもちろんだけど、バトンをつなぐタイミングなど、「チーム」としてのまとまりも要求される、難しい競技。

新二は、陸上でも「天才」と呼ばれるほどの才能は、ない。
あがり症だし、周りは見えてないし、自分の才能がどの程度なのかを見際める目も、最初はない。
それでも、天性の関節の丈夫さや練習をする才能などには恵まれていて、どんどん走る楽しさに目覚め、タイムも縮めていく。

そしてよかったのが、主人公だけの話に終わらないところ。
「俺が走るよりあいつが走った方が、次はともかくその次の大会で勝てる確率が高くなる」といって自らメンバーを降りる決意をするチームメイト。
チーム内でも際立って遅いのに、もくもくと練習に励み、「少しずつでも早くなってるのがうれしい」といって笑う女生徒。
0.1秒の差で上の大会に進めない、悲しみとあきらめ。
3年、部活を続けることによって、そういったいろいろな人たちの思いを背負っていることを自覚し、「次へつなぐ」ために走る主人公たち。
才能のあるなしが数字で現れる、シビアな競技。それでも、「一緒に汗を流した」時間は尊く、走る仲間たちに声援を送りたくなる。
ちゃんと、この物語のどこも無駄にならずに、最終巻の山場へとつながっていく。ただ、走る。少しでも早くなるために。


どう言葉を尽くしても、この本の面白さは言い尽くせないと思う。
ぜひぜひ読んでみて。面白いから。

(95点)



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佐藤多佳子氏の読了本三作目。やっぱり上手いなあ。

神様がくれた指 (新潮文庫)神様がくれた指 (新潮文庫)
(2004/08)
佐藤 多佳子

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すりでつかまって出所したばかりの牧夫。隣家は家族同様にしてくれるんだけど、どうしてもその家には帰りたくない。そんな牧夫の前で、学生たちが集団で見事な手さばきのすりを見せ、追いかけた牧夫は利き腕に怪我を負ってしまう。
そんな牧夫を助けた昼間。女性のような外観で、「神秘の占い師」として人気があるが、酒とギャンブルにのめりこんで、アパートを追い出される寸前。
この2人が出合って、共同生活をはじめることになって・・・。


すりの話なんだけど、「青春小説」なんだよね。
すりと言うのは犯罪で、すられた人の事を考えたら共感してはいけないのだけど、読んでるうちにどんどん牧夫の「仕事」が上手くいくといいなあ、と思うようになる。応援したくなる。
実際、「子供たちがやってる、組織的なすり」の実態にも興味をそそられるし。

対する昼間は、普通の占い師で。
女性らしい外観を生かして、性別不詳の占い師として売ってるけど、曲がったことが嫌いで。相手をいい気分にさせるために表現を曖昧にすることはあるけれど。

この2人が、「集団すり」に違う方向から接触して、どんどん中心部に迫っていく。

いつ気付くか、知ったらどうなるのか、ぐいぐい引っ張られる感じ。結構長いストーリーなんだけど、一気にいけます。(いけちゃった。時間かけて読もうと思ってたのに)

これは読んで損はないよ?

(87点)



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テーマ:感想 - ジャンル:本・雑誌

結構たまってた積読もこれで一応の解消です・・・。あとは、「単行本を図書館から借りて読んでたのが文庫になったんで買いました」って本と、『ドグラ・マグラ』くらい。『ドグラ・マグラ』は何回チャレンジしても途中で萎えちゃうんだよね。

黄色い目の魚 (新潮文庫)黄色い目の魚 (新潮文庫)
(2005/10)
佐藤 多佳子

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海辺の高校で、同級生として二人は出会う。周囲と溶け合わずイラストレーターの叔父だけに心を許している村田みのり。絵を描くのが好きな木島悟は、美術の授業でデッサンして以来、気がつくとみのりの表情を追っている。友情でもなく恋愛でもない、名づけようのない強く真直ぐな想いが、二人の間に生まれて―。 16歳というもどかしく切ない季節を、波音が浚ってゆく。青春小説の傑作。(「BOOK」データベースより)

失礼しました。私が悪かった。
実を言うと、この本買ったの結構前で、最初の2章だけ読んで、「絶賛されてるらしいけど、それほどでもないなあ・・・」と思って読むのをやめてたんでした。(貸し出し期限のある図書館本のほうが優先される傾向にあり)
しかし、この本の面白いのは3章に入ってから、なのでした。
第一章が、別居している父親を通して「絵」と出会う小学生の悟の話。第二章が、イラストレーターの叔父を持つみのりが、いじめと友人関係のあれこれで悩む話。
第三章になって、2人が同じクラスになってから、話が動き出すんです。

「絵を描く」という、誰にでも出来るのに才能の有無がはっきり傍目で解るもの。
取り付かれたように絵を描き続ける悟と、「自分に描く才能はないけれど絵の近くで生きていきたい」と切望するみのり。安易に恋とはいいがたい、強い感情。たった一人に出会ってしまった、苦しみと喜び。
まさに「青春小説」って感じです。16歳、高校生の頃の、不安定で一生懸命でときどきむしょうに走り出したくなるような強い衝動を抱えてる感じ、よく出てます。
これは確かに大傑作。読み返しても味が濃くなる、いい作品です。自分の見る目の無さにがっくり。
(88点!)



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