乱読にもほどがあるッ!
趣味? 読書です。毎日欠かさず本を読む、グータラ主婦の読書記録。
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これまた雑誌連載で読んでいて、単行本はいいかな、と油断していた本。

謎の転倒犬―石狩くんと(株)魔泉洞 (創元クライム・クラブ)謎の転倒犬―石狩くんと(株)魔泉洞 (創元クライム・クラブ)
(2008/05)
柴田 よしき

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深夜のアルバイトを終えた僕が偶然出会った、厚化粧の女性。なんと彼女は連日女の子が行列をなす、カリスマ占い師・摩耶優麗だった。時を遡って過去を見てきたと嘯く彼女に、ズバリ言い当てられた僕の過去。きっと何かカラクリがあるはずだ!ミステリ同好会の僕が必ずこの謎を解いてやる!(株)魔泉洞に持ち込まれる不思議な事件を、鮮やかに解く、優麗の推理(占い?)。そして石狩くんの受難をユーモラスに描いた本格ミステリ連作集。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

読み終わって目次を見返して、章タイトルが先人の作品のもじりだったことに気付きました。転倒犬って変な言葉だなあ、って思っていたんですよ(気付くの遅すぎ)。

気付いたら占い師の助手を種ることになっていた主人公・石狩。なんかよくわからないけどちょっと不思議な出来事を、違う側面から光を当てることによって別な景色に書き換えてしまう占い師・優麗。この二人を主軸にした日常の謎系ミステリですが、優麗が高名な占い師という設定もあって、本当の日常の謎から、政府関係者の国交問題まで幅広く出てきます。
犯罪がらみの話ばかりなのですが、いいとこ窃盗どまりなので、血なまぐさいのが苦手な人にもおすすめです。

そして最近の日常の謎系の流行というか、ラストの一話で今までの話に違う面を浮き上がらせる手法に近いものを使っていますが、それほど綿密に各話がリンクしているわけでもないです。
でもラスト一話を読んでいるかどうかでこのシリーズの印象はちょっと変わるかな。

「優麗が何故厚化粧なのか」や「宇佐美部長と優麗との関係は」などの魅力的ななぞはまだいろいろ残されています。
続巻出るのかな。楽しみです。

(80点)
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この本は装丁が好き。帯の文句も好きです。

激流激流
(2005/10/21)
柴田 よしき

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京都。修学旅行でグループ行動をしている、東京から来た七名の中学三年生。知恩院に向かうバスで、その中の一人の女生徒、小野寺冬葉が失踪し、消息を絶った―。
二十年後。「わたしを憶えていますか?」三十五歳となったグループのメンバーに、突然、送られてきた冬葉からのメール。冬葉は生きているのか? そして、彼女の送るメッセージの意味とは…? (「BOOK」データベースより 抜粋)

班でグループ行動していて、一人が失踪してしまったら・・・。
他のメンバーは「あなたたちがいじめていたのではないか」「仲間はずれにしていたから気付かなかったのではないか」と疑いを受けることになる。普通に卒業していたら、日常にまぎれて忘れてしまったかもしれない、ただのクラスメートが、「失踪」してしまったがゆえに心の中でとげのように残っている。
この、「思い出すと何か苦い気持ちになる思い出」の書き方が上手いなあ、と思うのです。

二十年たって、それぞれの人生を送っているメンバーに、送られてきたメール。
本人が送ってきたとは信じられないけど、誰が、何のために送ってきたのかは気になる。
引き寄せられるように集まって、真相を探ろうとするメンバーたちの気持ちを想像すると、切ない気がします。

作中の盛り上がりに比べると、真相が普通っぽい気がしますが、日常の枠の中におとすとしたらこんな感じなのかもしれません。

(75点)




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時々、無性にこの人の世界が読みたくなるのです。

銀の砂銀の砂
(2006/08/22)
柴田 よしき

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売れない作家の佐古珠美はかつて、女流ベストセラー作家・豪徳寺ふじ子の秘書だった。珠美は恋人の俳優・芝崎夕貴斗をふじ子に奪われ、彼女のもとを去った。夕貴斗はその後ふじ子とも別れ、いまは音信不通である。ある日、珠美のもとをフリーライターの男が訪ねてきた。夕貴斗のことを訊きたいという。なぜ今さら? 手に入れたはずの平穏な生活が崩れ始める―。(「BOOK」データベースより)

珠美が離婚してささやかながら自分の城を持った現在。ふじ子が作家になる前、主婦として暮らしていた息苦しくなるような過去。珠美がふじ子の秘書になったいきさつ。それぞれの時代が交錯して書かれていて、愛憎入り混じった人間関係の話なのかと思って読み進んだら、失踪した男性を探すミステリのような要素もでてくる。

すべての元凶、ふじ子。彼女の書きようによってはもっと救いのない流れになる気がするのだけど、そこはしっかり踏みとどまっています。

ラストの珠美の独白は、呆然となるせつなさがあるのだけど、荒々しく筆で書き上げた絵画のような、色彩のない迫力があります。
このラストは予想していませんでしたよ。すっかりやられました。

続けて何冊も、ではなく、時々、この人の文章に触れたくなる原因がわかったような気が。
(78点)



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左のカテゴリを見ていただければ一目瞭然、「柴田よしき」氏がダントツに多いです。理由は単純、ブログをはじめてから読み始めた作家さんで、なおかつ既刊本が多い方だからです。(角田光代氏なんかもこの口)その上「割と好き」だけど執着はないので、シリーズ1冊目がなくても2冊目から読んじゃうし。この作品もそう。

観覧車 (祥伝社文庫)観覧車 (祥伝社文庫)
(2005/06)
柴田 よしき

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失踪した夫を待ち続ける下沢唯。夫の居場所を残しておきたい、という思いから探偵事務所を引き継いだのだが、浮気調査など気が滅入る仕事ばかり。あるとき、行方不明になった男の捜索依頼が舞い込んだ。手掛かりは白石和美という愛人。が、和美は日がな寂れた観覧車に乗って時を過ごすだけだった。彼女の心を占める虚無とは? 静かな感動を呼ぶ恋愛ミステリー。(「BOOK」データベースより)

回転木馬の前段の本。
実際、日本の探偵には事件の捜査権があるわけじゃないので、依頼のほとんどは人探しや素行調査、そして浮気調査だということを聞いたことがある。この話もそのとおり、恋愛や不倫にかかわる調査を、唯が1つずつこなしていく形の短編集。
一年に一作という割合なので、「失踪した夫」への感情が次第に変化していくのも読みどころの1つ。

特によかったのが表題作の『観覧車』。事件らしい事件もない、謎としては「何故彼女は毎日観覧車に乗り続けるのか」というシンプルなものなのだけど、理由が解ったときはぞくりとした。こんな初期から柴田よしきはやっぱり柴田よしきなんだなあ、と思いました。女の情念って怖い。

(73点)



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専業主婦が読むには幾分つらい本、かな。

Close to You (文春文庫)Close to You (文春文庫)
(2004/10)
柴田 よしき

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派閥闘争に負け、リストラされてしまった雄大。妻とは共稼ぎでお互いの生活に口を出さない約束をしていたはずだったが、「専業主夫になってくれ」といわれた。納得のいかない雄大。しかしその後、オヤジ狩り、放火などの災厄が二人に降りかかってきて。


まず、この夫婦の生活スタイルがゆがんでいるということに主人公が気が付かない、というのがいらいらするんですよ。
夫婦共働き。月収は妻の方が幾分多いくらい。同じだけの金額を共通の口座に入金して、生活費はそこから。お互い忙しいので食事も食べたいときに自分で用意する。お互いの私生活に口を挟まない。
これ、楽なのかもしれないけど、結婚している意味ってどれくらいあるんだろう。ただ同居しているだけと、どう違うんだろう。
なんたって主人公の雄大が失業しても、妻に向かって愚痴も言わないし、妻も慰めたりしないのです。
これじゃおかしいと気付いた妻の鮎美が、「夫婦生活ってのはもっと絡み合ってるもんじゃないの」と言っても雄大は何のことだかさっぱり解らない。
いらいらするというか、個人主義もここまできたか、というか、これって男の論理だよねえ、と思いながら読み進む。

それでこのまま進めば家庭内ミステリになったんじゃないかと思うのだけど、急転直下、中盤で突然妻の誘拐事件が発生するのです。
どうやら、犯人は、雄大に何らかの恨みを持っているらしい様子。
その恨みの正体と、団地内の人間関係が絡まって、ラストまで持っていきます。

どうにも無理があるというか、いろんなパーツがなじんでないというか、要所要所が上手いだけに残念というか、そんな感じ。もし今この作品を書いたら、力点が変わってもっと面白くなるんじゃないかな、と思います。

(72点)



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