乱読にもほどがあるッ!
趣味? 読書です。毎日欠かさず本を読む、グータラ主婦の読書記録。
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これこれ! こういうのが読みたかったのよ。

ニサッタ、ニサッタニサッタ、ニサッタ
(2009/10/21)
乃南 アサ

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最初の会社を勢いで辞め、二番目の会社が突然倒産し、派遣先をたて続けにしくじったときでも、住む場所さえなくすことになるなんて、思ってもみなかった。ネットカフェで夜を過ごすいま、日雇いの賃金では、敷金・礼金の三十万円が、どうしても貯められない。失敗を許さない現代社会でいったん失った「明日」をもう一度取り返すまでの物語。 (「BOOK」データベースより)


最初の会社を辞めてしまったのは甘え、でもすぐ次の会社に就職したところはまだよかった。ふたつめの会社が倒産してからの、派遣社員すら勤まらないだめっぷりのリアルさに、泣けた。
働く意思がないわけでもない、働かなくては食べていけない自覚もある、でも「どうせなら体力を使わずに」「清潔な職場で」「嫌な思いをせずに」働きたいと思っていて、希望の職種じゃないから、派遣だと思って正社員のやつらがバカにするから、と次々に仕事をやめてしまう。何とか続きそうな仕事を見つけても、自分の不注意でそのチャンスを逃してしまい、気付くと住む家もなくし、クレジットに手を出し、それももう首が回らないくらいの額に膨れ上がり、もう本当ににっちもさっちもいかなくなってしまう…。

というところから、再生する主人公・耕平。

日雇いでも短期でも住み込みがあるのなら何とか働き、母親に心配をかけないために利息だけでも返済しようとする耕平がたどり着いたのは新聞店の住み込み。借金を一括で返してもらって、月々の給料から天引きで返すという契約。借金を返し終わるまではと、劣悪な環境でも、感情を殺して何とか何とか働き続けるのです。
ここの仕事が彼を変えたね。なんだかんだいっても借金踏み倒して逃げようとしないあたりが偉い。さらにこの段になってもまだ、親に心配かけないように、って気遣う気持ちもある。

作者のすごいところは、ここで改心したからもう安心だよね! っていう風に話を持っていかないこと、なのです。
ちょっとした油断からまた失敗することはある。それも、順調な生活で勢いがついてたから大きくなってしまった失敗を。
脇が甘いというか隙があるというか、どうも頼りない主人公なのです。

でも人間っていうのはそういうものかもしれない、前進してつまずいて、ちょっと戻ったところからまたやり直して、ちょっとずつしっかりしていく。
なかなか失敗した後に復帰するのが難しい社会だけど、それでも道はある。

最後が寝坊からはじまるエピソードなのもいい。冒頭でも寝坊の場面は出てくるけど、まるで別人。
成長したなあ、としみじみ。

(89点!)
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さてさて、今日も一冊。

自白―刑事・土門功太朗自白―刑事・土門功太朗
(2010/03)
乃南 アサ

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新シリーズです。

昭和の高度成長時代を背景に、さえない中年男の刑事が事件捜査に当たる連作もの。昭和史を彩る事件やヒット曲がちりばめられていて、懐かしい感じがします。
刑事ものだけど、推理ものではなくて、もっと普通の人生を淡々と描いているような感じ。派手さはないけれどいぶし銀のよさがあります。
もう一ひねり、同僚に癖のある刑事がいたりすると物語としては盛り上がりそうですが、この話が求めているのはそういうものではないのでしょう。
各章の最初に、事件の当事者の目から見た事件の様子がさらりと描かれるのですが、ここのうまさはさすがとしか言いようがない。

私は「また逢う日まで」が好き。突然張り込みを命じられた主人公・土門が、じりじりとあぶられながら勤めをはたす話ですが、じわっと暑さがわき出てくるような文章がいい。

(80点。昭和にノスタルジーがない人は読みにくいと思う)



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自ブログを見直してみたらどうにもこうにもこう、サイドバーが乱雑だなあ、と感じてしまい。いやいや、今いじっている時間はないのだ(あんまり)。

いつか陽のあたる場所で (新潮文庫)いつか陽のあたる場所で (新潮文庫)
(2010/01/28)
乃南 アサ

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小森谷芭子29歳、江口綾香41歳。ふたりにはそれぞれ暗い過去があった。絶対に人に知られてはならない過去。ふたりは下町の谷中で新しい人生を歩み始めた。息詰まる緊張の日々の中、仕事を覚え、人情に触れ、少しずつ喜びや笑いが出はじめた頃―。(「BOOK」データベースより)

新刊が出るたびにチェックしてしまう乃南さんなんですが、実際に読むのは半分くらいだし、購入するのはさらに少ないというあんまり性質のよくない読者です。
しかしこの本は買った。

犯罪を犯し、刑務所から出てきた女性の、その後の人生を書いている話。
周りにばれたらどんな目で見られるか解らな、と息を潜めるようにしている二人の話なんですが、全体のトーンは割と明るい。明るくしぶとく、でも心のどこかに後悔を忍ばせて、生きている女たち。
特に綾香は本当に強い。罪名は「殺人」なのだけど、DV夫に耐えかねてという同情の余地もあったりして・・・。

社会復帰を目指して就職してみたり、人の裏側を見てみたり、近所の人とだんだん交流を持てるようになってみたりとだんだん芭子が成長していく様子が、派手じゃないけれどじんわり温かい筆致で書かれています。

このシリーズはまだ続くようなので、続きも楽しみに使用と思います。音道シリーズより、ちょっと身近な感じ。

(80点)



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お~と~こ~なんてしゃ~ぼんだま~♪ と 歌いながら借りてきました。(ふ・・・古い・・・)

しゃぼん玉 (新潮文庫)しゃぼん玉 (新潮文庫)
(2008/01/29)
乃南 アサ

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伊豆見翔人は、金ほしさに強盗を繰り返すような無目的な人生を送っていた。ある日、引ったくりをしようと持ち出したナイフで、女性を刺してしまい、逃亡生活に入る。流れ着いた山村で、怪我をした老女を助け、そのままその家に居候することになるが・・・。

基本のストーリーはありきたりといっていいと思う。
無軌道に生きている若者が、田舎で純朴な老人たちに触れ、生きなおすきっかけを得る話。
平凡な作家が書いたら、平凡につまらない話。

ところが。
この主人公、イズミがあまりに馬鹿で、いいかげんで、空っぽで、宮崎が四国だと思うくらい常識がなく、本当にどうしようもないんだけど、素通りできない吸引力があるのです。これは、作者の筆力ですね。
親の代の嫁姑問題に端を発して、そこから誰にも愛されず、大事にされず、何かを大事にする方法も知らず、空っぽのままで流されてきた主人公のイズミ。
なんかこう、読んでいるうちに愛着のようなものがわいてきたりして。

そして脇を固める老人たちがいい味出しているんですよ。そうだった、私はこういう老人の出てくる話に弱いんだった・・・。

人は誰でもどこからでもやり直せる、という祈りを描いた物語。
こういうの、好きなんだよねえ・・・。

(80点!)



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あ、こういうのも「私小説」って言うのですね。エッセイとはまた一味違った読感。

二十四時間 (新潮文庫)二十四時間 (新潮文庫)
(2007/03)
乃南 アサ

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幼なじみの“よっちゃん”は、会う度に違った。私立の詰め襟中学生、暴走族の高校生、恋する浪人生。でもその内面はいつも温かで…(「二十四時」)。子供の頃、雪の積もった帰り道を歩いた。方向感覚を失って、“遠く”という“悲しく寂しい場所”に迷い込んでしまった(「十七時」)。人生のそれぞれの風景を鮮やかに切り取った、私小説の味わいを残す、切なく懐かしい二十四の記憶。(「BOOK」データベースより) 


過去に体験した24時間それぞれにまつわるエピソードを、小説形式で書いた連作。ごく最近のものあり、子供のころのあいまいな記憶のものあり。
実体験が元になっているので、割り切れない結末になっているものも混じっています。

悪くはないと思います。

ちょっと短い(1冊に24章、一章あたり10ページ弱)のが弱点で、それとも自身の体験が元になっているからかもしれませんが、ちょっと切れがない感じ。
ファンなら読んでもいいかも、くらいの位置づけですね。

(72点)



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