乱読にもほどがあるッ!
趣味? 読書です。毎日欠かさず本を読む、グータラ主婦の読書記録。
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うお! 一週間ぶりか?

闇の喇叭 (ミステリーYA!)闇の喇叭 (ミステリーYA!)
(2010/06/21)
有栖川 有栖

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平世21年の日本。第二次世界大戦後、ソ連の支配下におかれた北海道は日本から独立。北のスパイが日本で暗躍しているのは周知の事実だ。敵は外だけとはかぎらない。地方の独立を叫ぶ組織や、徴兵忌避をする者もいる。政府は国内外に監視の目を光らせ、警察は犯罪検挙率100%を目標に掲げる。探偵行為は禁じられ、探偵狩りも激しさを増した。すべてを禁じられ、存在意義を否定された探偵に、何ができるのか。何をすべきなのか。 (「BOOK」データベースより)


有栖川有栖とミステリーYA!なら面白くないわけないじゃん、というのは私の嗜好の問題ですが。

謎解き自体も端正な、このトリックだから犯人は彼しかありえない、という非常に美しいものです。しかしこの話の肝は設定ではないかと。

第二次世界大戦の影響で、北海道が独立。日本はかろうじて天皇制を残した国体を維持しているが、締め付けのきつい、方言や外来語の使用が許されない、徴兵制度のある国に変貌しています。自由がないわけではないけれど、どこに監視の目があるか解らない、息詰まる世界。何より大きな特徴が、「探偵行為の禁止」なのです。
ミステリーで殺人事件で主人公は女子高生なのに。
しかしちゃんと謎は解けるのです、あまり後味のよろしくない形で。

そして殺人事件の謎が解けても物語は続きます。

中学生から高校生をターゲットにしたこのレーベルでこの話を書くというのは、作者も出版社も思いきったことをしたな、とも思うのですが、この社会の閉塞感、翻ってわが身の幸福、社会制度のありようについても考えさせる話なので若い人が読むのはいいことなんだろうな…。

単に面白かった、という言葉ではくくれない話でした。もっというと、このトリックが可能かどうかもどうでもいい。こういう事件が起きる土壌のある社会というものにそら恐ろしいものを感じます。すごくいろいろ考えた。いろんな人にぜひ読んで欲しい。

(88点。戦争ってなんだろうと感じました。反戦小説ともまた違うのだけど。)
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テーマ:本読みの記録 - ジャンル:本・雑誌

常に「私のベスト作家」の位置を占めている有栖川有栖氏の新作です。

赤い月、廃駅の上に (幽BOOKS)赤い月、廃駅の上に (幽BOOKS)
(2009/02/04)
有栖川有栖

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駅・鉄道をテーマにした怪談集。全10編。


ありゃりゃ。本格ミステリじゃないんですね。amazonの内容紹介に「本格幻想怪談集」なんて書いてあるから、幻想で怪談で本格なんだ! と思い込んでおりました。

そこはそれとして割り切って読んでしまうと、うん、私、このお方の文章が好きです。
ちょっと夢見ているようなリズムに乗せられて、怖いのにするする読まされてしまう感じがします。
ただし、ホラー小説として読むとこの人がベスト!っていう作品ではないし(それでも結構怖い話も混じってたけど)、普段の有栖川氏の作品を読みなれている人にとってはちょっと異色で物足りないかも、とは思います。

一番気に入ったのは「海原にて」。
この本の中ではちょっと異色かな、海の上で起こるファンタジックな怪奇現象と、それに出会ってしまった男性の、ほんの短い時間を切り取った小品です。この話は怪談じゃないですね。
なんといっても浮かんでくる映像が美しくて、魅力的でした。

(一冊全体だと76点)



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テーマ:本読みの記録 - ジャンル:本・雑誌

タイトルを聞いただけで「おお!?」と思ってしまった私はやっぱり筋金入りのファンなんだろうなあ。

火村英生に捧げる犯罪火村英生に捧げる犯罪
(2008/09/25)
有栖川 有栖

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エステティシャンの扼殺死体が発見された。直後、大阪府警に「これは火村英生に捧げる犯罪だ」と書かれた犯罪予告状らしきものが届く。入試時期で職場を離れられない火村教授だが・・・。
(表題作より)

短編集。普通の長さの短編に混じって、携帯サイトで配信されたショートショートが混じってる。

もうね、しみじみと「私は本当にこの作者のファンなんだなあ・・・」と思いましたよ。
読んでて顔がにやけてくるもんね。
今回の本は割と火村准教授が活躍しなくて(というか全体に出番が少なめ)、アリスが出張ってる印象でした。

表題作はタイトルの派手さの割に犯人が小物で、あっさり解決しちゃった。
もっと華々しい事件を期待していたんだけど。
しかし、実にアリスが解決した事件としてはばかばかしくも「らしい」展開でした。

いやもう、これは冷静な評価が下せない本ってことで。
楽しかったです。

(点数・・・無理!)



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テーマ:感想 - ジャンル:本・雑誌

ちょっと今までと違うタイトルだな? と思ったら「白いウサギが逃げる」の出版社か。なるほど、ちょっとカラーが違うのね?

妃は船を沈める妃は船を沈める
(2008/07/18)
有栖川有栖

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港から、海へダイブした車。中から死体が見つかった。それだけなら、事故か自殺だが、死体から睡眠薬が検出されたので事件の目が出てきた。さらに、死亡した彼には高額な保険金がかけられていた。火村准教授と、作家アリスに捜査協力の声がかかり・・・。

ああ、准教授になってしまわれた(涙)。
という、ストーリーとは関係ないところでショックを受けた私。断然、「助教授」のほうが響きとして好きだ。そのうち慣れるんだろうけど。

有名なホラー「猿の手」がモチーフ。3つの願いを聞いてもらえる代わりに、悪いことが起こるというあれ。
前半があらすじに書いた事件。後半は、使用されていない離れの中、施錠されたドアの中で射殺された死体が発見された事件。共通の登場人物がいるけれど、味わいとしては長編というよりは中編2本。

この話の売りは、「火村准教授の過去」。今までもちらちら見えてたけど、この話が一番大きなモチーフとして書かれている。
知りたいけど、明らかにされたらシリーズ自体が終了しそうで困った。

後半のトリックは、それほど深読みしなくても解けました。前半も、それほど難易度は高くないです。

(期待してたけど微妙な出来。78点)



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テーマ:感想 - ジャンル:本・雑誌

表紙を見て「あ、角川の本だ」と思いました。何故わかった、自分。

壁抜け男の謎壁抜け男の謎
(2008/05/01)
有栖川 有栖

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犯人あて小説から近未来小説、敬愛する作家へのオマージュから本格パズラー、そして官能的な物語まで。有栖川有栖の魅力を余すところなく満載した最新傑作作品集。(帯の解説より)

この説明文を読んじゃうと、もうこれ以上書くことはないかな、という気持ちもするなあ。
シリーズものではかけなかった作品のみを集めた、ごった煮の作品集。

私が印象に残ったのは、「彼方にて」。ちょうど、「虚無への供物」読んだとこだったんだよね。今までの有栖川小説の中にときどき垣間見える「この世界に絶望した人たち」の話を突き詰めるとこうなるのか、といった話。謎としては小さいけど、がつん、とくる。

今回の本は、こういう、「他の作家さんと絡んだ」作品が多くて、あとがきまで読んで楽しめるのがいい感じですね。

そして何より、ラストの「恋人」が。
官能小説を書くとこういうことになるのか、と感嘆。エロティックな描写はほとんどないのに、官能的。やられた、と思いました。

(75点。多分、ファンの人が楽しめる作品集)



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