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「妃は船を沈める」 有栖川有栖
ちょっと今までと違うタイトルだな? と思ったら「白いウサギが逃げる」の出版社か。なるほど、ちょっとカラーが違うのね?
妃は船を沈める妃は船を沈める
(2008/07/18)
有栖川有栖

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港から、海へダイブした車。中から死体が見つかった。それだけなら、事故か自殺だが、死体から睡眠薬が検出されたので事件の目が出てきた。さらに、死亡した彼には高額な保険金がかけられていた。火村准教授と、作家アリスに捜査協力の声がかかり・・・。

ああ、准教授になってしまわれた(涙)。
という、ストーリーとは関係ないところでショックを受けた私。断然、「助教授」のほうが響きとして好きだ。そのうち慣れるんだろうけど。

有名なホラー「猿の手」がモチーフ。3つの願いを聞いてもらえる代わりに、悪いことが起こるというあれ。
前半があらすじに書いた事件。後半は、使用されていない離れの中、施錠されたドアの中で射殺された死体が発見された事件。共通の登場人物がいるけれど、味わいとしては長編というよりは中編2本。

この話の売りは、「火村准教授の過去」。今までもちらちら見えてたけど、この話が一番大きなモチーフとして書かれている。
知りたいけど、明らかにされたらシリーズ自体が終了しそうで困った。

後半のトリックは、それほど深読みしなくても解けました。前半も、それほど難易度は高くないです。

(期待してたけど微妙な出来。78点)

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「壁抜け男の謎」 有栖川有栖
表紙を見て「あ、角川の本だ」と思いました。何故わかった、自分。

壁抜け男の謎壁抜け男の謎
(2008/05/01)
有栖川 有栖

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犯人あて小説から近未来小説、敬愛する作家へのオマージュから本格パズラー、そして官能的な物語まで。有栖川有栖の魅力を余すところなく満載した最新傑作作品集。(帯の解説より)

この説明文を読んじゃうと、もうこれ以上書くことはないかな、という気持ちもするなあ。
シリーズものではかけなかった作品のみを集めた、ごった煮の作品集。

私が印象に残ったのは、「彼方にて」。ちょうど、「虚無への供物」読んだとこだったんだよね。今までの有栖川小説の中にときどき垣間見える「この世界に絶望した人たち」の話を突き詰めるとこうなるのか、といった話。謎としては小さいけど、がつん、とくる。

今回の本は、こういう、「他の作家さんと絡んだ」作品が多くて、あとがきまで読んで楽しめるのがいい感じですね。

そして何より、ラストの「恋人」が。
官能小説を書くとこういうことになるのか、と感嘆。エロティックな描写はほとんどないのに、官能的。やられた、と思いました。

(75点。多分、ファンの人が楽しめる作品集)

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「モロッコ水晶の謎」 有栖川有栖
既読本なんですが、文庫が出たらしいのでこの機会に。

モロッコ水晶の謎 (講談社文庫 あ 58-14)モロッコ水晶の謎 (講談社文庫 あ 58-14)
(2008/03/14)
有栖川 有栖

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推理作家・有栖川有栖の眼前で起きた毒殺事件に、臨床犯罪学者・火村英生が超絶論理で挑む表題作ほか、クリスティの名作「ABC殺人事件」をモチーフに書かれた、連続挑戦予告殺人を追う「ABCキラー」、誘拐殺人の陰に潜む悲劇を描く「助教授の身代金」など、研ぎ澄まされた論理が光る有栖川本格全4編を収録。 (「BOOK」データベースより)


全4編というよりは、3編+掌編1作。短いのも業界内輪話みたいで面白いのですが、なんといってもこの本の白眉は表題作。

ホームパーティでおきた毒殺事件、毒は乾杯のコップから発見。毒を入れる機会は誰にでもあったが、被害者に間違いなくその飲み物を渡す方法がなかった、という王道の謎解き。
種明かしをされてみると、動機はありきたりなのだけど、被害者にそのコップを渡す方法というのが・・・「本格」だから許される、ぎりぎりの「そんなのありか」な感じ。あり、なんだろうなあ。「これはフェアじゃない」って言う人もいそうだけど、有栖川氏はこういうロジック好きだよねえ。

「助教授の身代金」もイントロから騙しの入る端正な作品だし、「ABCキラー」もパターンを踏んでいるのにしっかりひねってあるし、佳作ばかりです。

きっちり騙されて種明かしで「ああ!」というのが楽しいのです。大好き。

(88点)

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「作家の犯行現場」 有栖川有栖
またしても既読本。しかもまた有栖川有栖氏。だって好きなのだ!

作家の犯行現場 (ダ・ヴィンチブックス―ダ・ヴィンチミステリシリーズ)作家の犯行現場 (ダ・ヴィンチブックス―ダ・ヴィンチミステリシリーズ)
(2002/02)
川口 宗道、有栖川 有栖 他

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作家が“創作という犯行を行った現場”をめぐる旅。軍艦島(長崎県)、明石海峡大橋(兵庫県)、出羽三山湯殿山(山形県)、八つ墓村・獄門島(岡山県)他書き下ろし小説2編を加えた充実の23編を収録。(「BOOK」データベースより)

この説明文だけでもう、何を書き加える必要があるんだ、って気もしますが。
北村薫氏のエッセイなんかを読んでても思うんだけど、本格作家って、骨の髄までミステリを愛してるのね。で、ミステリの舞台になった土地にも、愛着があるんだな。

既存の作品で舞台になった土地。ここには作品を生み出す磁場のようなものがあるんだろうか?

そういう本です。ミステリファンなら面白いだろうと思います。これもファンブックかな?

(点数ナシで)

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「絶叫城殺人事件」 有栖川有栖
「yom yom」を買ってみました。読むのに時間かかってます。雑誌の感想はここには書かないつもりなんで、今日は既読本から。

絶叫城殺人事件 (新潮文庫)絶叫城殺人事件 (新潮文庫)
(2004/01)
有栖川 有栖

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「NIGHT PROWLER(夜、うろつく者)」と記された小さな紙片を、口の中に押し込まれ、次々と殺害される若い女。残酷な無差別殺人事件の陰には、カルトなホラー・ゲームに登場するヴァーチャルな怪物が―。暗鬱の「絶叫城」に展開する表題作ほか、「黒鳥亭」「壷中庵」「月宮殿」「雪華楼」「紅雨荘」と、底知れぬ恐怖を孕んで闇に聳える六つの迷宮の謎に、火村とアリスのコンビが挑む。(「BOOK」データベースより)

有栖川有栖、初の「〜〜殺人事件」というタイトルの本です。
なんといっても、表題作のタイトルがいい。絶叫城ってどんな建物? と興味がそそられる。・・・が、残念ながらゲームのタイトル。「館もの」ではないです。
短編なので挑戦状は入ってないものの、丹念に拾ってけば自力で推理のできるフェアな作品群。ロジカルでありながら、人間を記号として扱うわけではない、情の部分もしっかり。

私が好きなのは「紅雨荘」。ラストシーンの映像の、鮮やかで哀しいことといったらもう・・・。

(80点)

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