乱読にもほどがあるッ!
趣味? 読書です。毎日欠かさず本を読む、グータラ主婦の読書記録。
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悦楽の園がすごくよかったので、次に何をかいても上手くいかず、間が空いてしまいました。

コロヨシ!!コロヨシ!!
(2010/02/27)
三崎 亜記

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20XX年、掃除は日本固有のスポーツとして連綿と続きつつも、何らかの理由により統制下に置かれていた。高校で掃除部に所属する樹は、誰もが認める才能を持ちながらも、どこか冷めた態度で淡々と掃除を続けている。しかし謎の美少女・偲の登場により、そんな彼に大きな転機が訪れ―。(「BOOK」データベースより)


青春小説も書くんだ! というのが第一の感想です。
スポーツ少年の挫折、出会い、淡い恋、正体不明な顧問、練習と成長、という普通のスポーツ小説と骨格は一緒ながら、なんともいえない味わいになっているのはその競技が「掃除」だからでしょう。

といっても普通の掃除とは違って、くまでのような掃除用具の棒を用いて規定空間内にある塵芥をいかに美しく舞い散らせ、いかに完璧に片付けるかという競技で、テニスなどのラケットを使った競技に近い要素もあり、新体操などの道具を使った競技に近い要素もあり、しかしまったく架空の世界でまったく架空の競技なのです。

そして「掃除」は政府の管理下にある競技で、常に監視の目があります。主人公の祖父はその関係で失踪したらしく、自宅では「掃除」関係の話はご法度。そんな環境下で禁止されている幼い頃からこっそり掃除をやってきた樹が全国大会を目指すのがメインストーリー。

様式は王道のスポーツものですが、作中にまぶされている「異民族」「弾圧と反発」などのモチーフは、今までの作品に通じるところがあるかな。

正直、最初は競技の具体的なイメージがわかなくてとっつきにくい感じもしたんですが、どんどん加速して面白くなっていきました。
ラストの終わり方が納得いかないし、まだ隠されている部分もあるのですが、それはかかれるらしい次回作に着たいということで。

(88点! 楽しんで読みました)
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三崎氏の「失われた町」が面白かった方なら、絶対面白いと思います。同じ世界が題材ですが、ストーリーはリンクしてないので、こちらを先に読んでも大丈夫。

刻まれない明日刻まれない明日
(2009/07/10)
三崎 亜記

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街の一角から、3000人を超える人たちが一瞬で消え去った街。それから10年。いなくなってしまった人たちがまだいるかのように日々を営んできた街だったが、転機が訪れて・・・。


連作短編の形をとった長編です。
最初は「10年前の事件」がどういうものか明かされずに、逸れによってトラウマを負ってしまった女性が、出会いを通して乗り越えるきっかけをつくる話。
そこから少しずつリンクして、だんだん事件の真相らしきものが明らかになる。
それを街の人たちに乗り越えさせようと、見えないところでこつこつがんばっている人たちの姿も描かれる。

でも、主眼なのは「突然大事な人を失ってしまった人たちの想い」です。
恋愛ものが中心で、でも甘くなりすぎない。
切ない場面がたくさんある、いい話でした。

(88点)



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さて、気を取り直して今月も書きましょうか。

廃墟建築士廃墟建築士
(2009/01/26)
三崎 亜記

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廃墟に魅せられ、廃墟建築士として生きてきた私。この国の廃墟文化の向上に努めてきたが、ある日「偽装廃墟」が問題になり…「廃墟建築士」 巷でおこる事件は七階で起こることが多いため、七階を撤去しようという決議が市議会で出された。マンションの七階に住む僕は、同僚の並川さんに誘われて反対運動に参加することになったが…「七階闘争」 (他2編 AMAZON・内容紹介より抜粋)


三崎亜紀氏の長所は、大きくゆがんだ設定と、その設定の上に緻密に組み立てられたストーリーだと思います。
この短編集もそんな感じの話ばかり集められてます。
「建築」がテーマ。

面白かったのはなんといっても「図書館」!
ストーリーがどうこうという前に、「野生に戻った本」たちが「自由に図書館内を飛び回る」という、幻想的な映像がすぱっと浮かんできて。夢中になるというのはこういうことかと。前に読んだ動物園の話とちょっとリンクしてます。

どの短編を取ってみても、この世界でちゃんと生きている人物が描かれています。
世界は違うけど、そこに住む人たちの感情は同じ。
この揺らめく感じがすきなんですよね。
堪能しました。

(80点。そろそろ長編も読みたいところです )



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著者についての説明を書くのは担当の編集者の方なのでしょうか。だとしたら、私、この文章書かれた方、好きです。

鼓笛隊の襲来鼓笛隊の襲来
(2008/03/20)
三崎亜記

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戦後最大規模の鼓笛隊が襲い来る夜を、義母とすごすことになった園子の一家。避難もせず、防音スタジオも持たないが、果たして無事にのりきることができるのか――。
表題作ほか書下ろし1編を含む全9編。眩いほどに不安定で鮮やかな世界を見せ付ける、贅沢な傑作短編集。 (amazon・出版社 / 著者からの内容紹介)

三崎氏の作品を、なんと表現したらいいのか。
基本設定のところで、大きくひとつ歪ませて、その土台の上に緻密な家を建てる感じ、というか。
結果、緻密に出来てるにもかかわらず、なんか歪んでる感じがするのが魅力。

そんな三崎氏、初の短編集。
なんといっても表題作がいい。
「赤道上に、戦後最大規模の鼓笛隊が発生した。」こんな一文ではじまるんだから、最初から はぁ?と聞き返したくなる。鼓笛隊とは何ぞや。彼らがやってくるとどんな被害がおこるのか。たとえば台風がやってくる小説を読んでも、「台風とはこれこれこういうもので」という説明は書かれていないと思うのだけど、この小説内にも「鼓笛隊とは・・・」という説明はない。なくても解る。
そしてラストに近付くにしたがって、だんだん、「今の私たちがなくしてしまったもの」についての強烈な皮肉が、さらっと読み流せる形で書かれている。
この、さらっと読み流せるけど考えると深いってのも三崎氏の作風かも。

そして実は「欠陥・住宅」が好きなのです。
見えるのに、あえない夫婦。住宅の欠陥によって歪んでしまった関係。そしてラストのラスト、あの一行がやられた! と思った。微妙に幻想文学とホラーの香りがする秀作。

(87点)



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となり町戦争も面白かったし、どこにいってもいい評判しか聞かないんで、大変楽しみにしてました。・・・さて。

失われた町失われた町
(2006/11)
三崎 亜記

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30年に一度起こる町の「消滅」。その町に住む人たちが一瞬にして忽然と消えてしまう。失われた町「月ヶ瀬」に集まる人たち。二次災害を防ぐため、写真も、手紙も、すべて処分しなくてはならないとしたら・・・。管理局は次の消滅を阻止すべく、プロジェクトを開始するが・・・。

まず、なんといってもこの装丁がお見事。
画像ではわからないんですが、人の絵が印刷された透明なカバーをはがすと、誰もいない町になる、という仕掛け。象徴的。

30年に一度、町が意思を持って住人を消滅させるという設定がまずすごい。
それに対抗する管理局という話はありそうなのだけど、組織としての活動がメインではない、あくまで、消滅に関わった人たちの「想い」を綴った本です。

「この思いを伝えたい。たとえ明日すべてが失われても」

帯にあるこのセリフが秀逸。
切なくて、哀しくて、・・・簡単に「泣ける」っていうとなんか違うんだけど、「人ってすごい」って思いました。

最初はちょっと設定がわかりにくいんだけど、どんどんページをくるスピードが増してく感じ。一気読みでした。

(86点)



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