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「リボン」 草野たき
気がつくとこの作家さんの本も結構読んでるなあ。やわらかい語り口が好きです。

リボン (teens’ best selections 11)リボン (teens’ best selections 11)
(2007/11)
草野 たき

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亜紀は中学三年生。自分を主張するより、周りに合わせているほうが多いし、楽。部活ももう少しで終わるし、受験ももうすぐ。上手に自分を主張した先輩の様子を見て、自分探しが始まるが・・・。

第二ボタンをもらうのの発展系で、「尊敬している女子先輩のリボンをもらう」のが慣習になっている中学校。卓球部では、「先輩全員からリボンをもらう」のがマナーとされていて主人公の亜紀もじゃんけんに負けて仕方なくぜんぜん尊敬してない先輩にリボンをもらいに行くんだけど、「あなたが私を尊敬してるわけないじゃない」とあしらわれてしまう。
この場面の後、「私ならリボンがついたままで記念撮影されても笑えない」って思うところがリアル。この短い場面で、主人公が「人からどうみられるか気になる性格」で「人並みでいたいと思ってる」ことが解る。
そしてクラス替え。今までの友達と離れてしまって、一生懸命「一緒にいられる人」を探す場面とか、実際の中学生がこれ読んだら応援したくなるだろうなあ。

これといって目立つものがあるわけではない、どこにでもいる中学生の、それでもやっぱり「自分らしさ」はあるのだと、だからみんなも自分らしさを探そうと、そう静かに語りかけてるような作品。佳作です。

(83点)

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「ハーフ」 草野たき
普段私が読んでいる児童書より、いくらか幼めな本です。

ハーフ (teens’ best selections)ハーフ (teens’ best selections)
(2006/06)
草野 たき

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ぼくの母親の名前は、ヨウコという。
ぼくは小さいときから、ヨウコが母親だと教えられてきた。
ヨウコは、茶色い毛並みのきれいな、犬だった。(本文3Pより)

主人公は小学6年生の男の子。お父さんは普通のサラリーマン。ところが父親は犬のヨウコを母親だという。
ぼくはそれが嘘だって知ってる。でも、父親には問いただせない。本当のことを知っているだろう親戚にも、聞けない。でも、本当だって信じているふりをするのもそろそろ大変。
子供は、大人が思っているより大人だよなあ、と思いながら読んだ。「本当は知っているけど、何も知らない子供の役を演じてあげるよ」とか、考えてたもんね、私も。
あることをきっかけに、「何も知らない子供の役」を卒業する「ぼく」。ちょっと変則的な家庭の、「再生の物語」。

この本は、ページのあちこちに挿入されているイラストがかわいらしいです。優しい気持ちになれる感じ。

(80点)

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「ハチミツドロップス」 草野たき
この本は表紙が好き。草野たきさんの本は、いつもほんやりあたたかい。

ハチミツドロップスハチミツドロップス
(2005/07)
草野 たき

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てきとー、お気楽、いい加減、がモットーのソフトボール部のキャプテン、カズ。春になって、ソフトボール部にやる気に満ちた新入生が続々入ってきて、「私たちの心地よいハチミツドロップスのようなソフト部」はなくなってしまった。家では家で両親の間に何かあるみたいだし、付き合い始めた彼氏もちょっと変? ・・・どうしたらいいの?

何かあったとき、ここに来て、何もしなくても仲間としゃべっているだけでちょっと元気が出る・・・そんな場所、わかるわかる。
お調子者で、元気がいい私をみんなが期待してるから、ちょっとスイッチ入れて「カズ」を演じてやるか・・・そんな気持ちも、わかる。
失ったもの、大切だったもの、それを失って哀しいけれど、「哀しい」「嫌だ」っていったら相手がどう考えるか不安で、本音じゃなくて距離置いて話してしまう感じ、わかるだけに辛い。
それでもラストは暗くないことに感謝。
特別じゃない、普通の、でも頑張ってる女の子の、喪失と再生の物語。

(80点。現役の女子中学生が読むともっと得点高いかも?)

カテゴリ:草野たき
テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学
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透きとおった糸をのばして 草野たき

余談と蛇足だけじゃあんまりなんで、もう1冊。

透きとおった糸をのばして (講談社文庫) 透きとおった糸をのばして (講談社文庫)
価格:¥ 490(税込)
発売日:2006-06-15

恋の告白がらみで親友と行き違ってしまい、元に戻れるよう努力するもからまわってしまう中二の香緒。香緒の同居人の大学院生の知里を頼って、自分を振った恋人を追ってきたるう子がやってきた。懸命に恋人に連絡を取り、待ち伏せ、後をつけるるう子だが、香緒にも解るくらい逆効果な行動で・・・。

冒頭、女の子同士がいさかう場面で、「ああ、またいじめの話かな」と辟易しそうになった。そこまで浅い話ではなかったので、安心した。いじめる・いじめられるの二元的な話じゃない。それまでどれだけ仲がよくても、ちょっとした引っ掛かりで話をするのも嫌になってしまう中学生の潔癖さ。それで拒まれているのに相手の気持ちを理解できない中学生独特の鈍重さ、純粋さ。この道を通ってきた人は「うんうん」と頷けるだけのリアルさがある。

求められているのはちょっと大人の距離感なのだけど、香緒にはまだ難しかったようで、同じところを堂々巡りするだけだったのが、るう子の行動で次第にまわりに目を向けていく様子が、丹念に書かれている。

結局、「人の気持ちを思いやるって難しいねー」って話で、「押せ押せでいっても人の心は動かないことがあるよ」って話。

ちょっと最近、中学から高校生の話を読むとどろどろしたものが多すぎて、ダウンしかけていたのだけれど、この話はさわやかだった。ラストに希望が生まれてるのもいい。

この本を読んで共感した女の子たちは、もうちょっと大人になったら「唯川恵」とか好きになるんじゃないかな、と思いました。

(75点。点数が低めなのは勧めどころが難しいから)

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