乱読にもほどがあるッ!
趣味? 読書です。毎日欠かさず本を読む、グータラ主婦の読書記録。
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マラソンランナーの話ですが、青春ものではありません。

ランラン
(2008/06/19)
森 絵都

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仲良くなった自転車屋から、息子の形見の自転車を譲り受けた環。ある日操られるまま自転車をこいでいた環は、「死者の国」へいたるルートを発見した。なくしてしまった家族との再会。しかし、その自転車は元の持ち主に返さなくてはならなくなり、環が家族に会うには自力で40キロのルートを走れるようになるしか方法がなく・・・。

死者の国に行くルートという設定が実に絶妙で。
「自力で走らなくてはならない」(環の乗っていた自転車は死者の国にいた持ち主が『呼んで』いたので例外)
「休憩をせずに進み続けなくてはならない」
「スタートは日没後でなくてはならない」
「日付が変わるまでに元の世界に帰らなくてはならない」
というもの。
日没が午後6時としたら、6時間以内に、40キロの道のりを自力で走らなくてはならない。

環は家族全員を一時に事故で亡くしてしまい、その後身を寄せたおばさんも数年前になくしていて、生活するためだけに仕事はしているが、他人とのかかわりはまったくない。

そういう自分に閉じこもった女性が、「死んだ家族に会うために」というネガティブな前向きさでマラソンチームに入り、トレーニングに励む。
そのチームの面々がまた個性的。特に環の天敵として書かれている、悪意はないのに口を開くと毒舌ばかりする主婦の真知がいい。
とにかくもう、気に障るいやな人なのだけど、しかし彼女には彼女なりの人生があるのだ、と書かれている。

その真知とかかわることで、人間関係に前向きになり、嫌な人に文句を言ったり、恋が芽生えたり。
主人公の環が、成長する話です。

そして。
環は、決して「天才ランナー」とかではなく、普通の、むしろ体力も根性もない女性で、自覚もあって、マラソンに挑戦してもきっとみっともない姿をさらすことになるだろう、と予想している。
それでも、走ろうと思う強さ。ここが素敵。生きてるってすばらしい、と思いました。

(80点。ちょっと厚いけどすらすら読めるよ)
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テーマ:本読みの記録 - ジャンル:本・雑誌

森絵都氏の本は久しぶり。なかなか児童書の棚を覗きにいけないのが原因。

アーモンド入りチョコレートのワルツ (角川文庫)アーモンド入りチョコレートのワルツ (角川文庫)
(2005/06/25)
森 絵都

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ピアノ教室に突然現れた奇妙なフランス人のおじさんをめぐる表題作の他、少年たちだけで過ごす海辺の別荘でのひと夏を封じ込めた「子供は眠る」、行事を抜け出して潜り込んだ旧校舎で偶然出会った不眠症の少年と虚言癖のある少女との淡い恋を綴った「彼女のアリア」。シューマン、バッハ、そしてサティ。誰もが胸の奥に隠しもつ、やさしい心をきゅんとさせる三つの物語を、ピアノの調べに乗せておくるとっておきの短編集。
(「BOOK」データベースより)

私が一番好きなのは、「子供は眠る」。
いとこの男の子たちが集まっておくる夏休みの共同生活。楽しそう、と思ったけど、そこにも人間関係のバランス感が求められていて。人間は生まれながらにして平等ではないし、それを乗り越える力も子供たちは手に入れなくてはいけなくて。
章くんの、特別意識と、「それじゃいけない」って気持ちのせめぎあい、はっきりとかかれてないところがまた切なかった。

小粒ですが、いい作品です。大人が読んでも切ないぞー。

(78点)



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テーマ:感想 - ジャンル:本・雑誌

なんとも言えず、表紙の線に味のある本。この方のイラスト、好きです。

ショート・トリップショート・トリップ
(2000/06)
森 絵都

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どこまで行ける?  どこまでも行こう!  森絵都がおくる、「旅」をめぐる超短編集。
毎日中学生新聞に「Further sight 旅のかけら」として連載したものの中から40編を選び、加筆。(「MARC」データベースより)


旅がテーマ・・・と言われればそうなんだけど、それは「地球上のどこか」への旅ではなく、「どこにもないけどどこかにありそうな世界」への旅です。SF調。
3ページほどの短編がみっしり詰まってます。

この長さだと私は星新一を思い出すんだけど、ああいう切れ味はないです。作品としての良し悪しではなく、もう少し優しい視線の話がメインというか。爆笑する話はないけれどにやりとする話は多いというか、そんな感じです。

私が一番好きなのは「注文のいらないレストラン」。「注文の多い料理店」を連想させるタイトルですが、内容は全然逆。ほろりとします。

(71点)



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テーマ:今日の一冊 - ジャンル:本・雑誌

結構前に買ったのに、なんとなく気が乗らなくって読んでませんでした。後悔。

DIVE!!〈上〉 (角川文庫) (角川文庫)DIVE!!〈上〉 (角川文庫) (角川文庫)
(2006/05/25)
森 絵都

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高さ10メートルから時速60キロで飛び込み、技の正確さと美しさを競うダイビング。赤字経営のクラブ存続の条件はなんとオリンピック出場だった!少年たちの長く熱い夏が始まる。(Amazon内容紹介より)

水泳・高飛び込み競技ってマイナーな感じがしますが、その通り競技者も少なく、施設も指導者も少なく、クラブ経営は厳しいらしいです。
そんな中、飛び込みに取り憑かれたような少年たちが、オリンピック出場を目指して頑張る話・・・なのだけど、いわゆるスポコンもの、ではない。

第一章は、柔軟性と動体視力という天分に恵まれつつも、中途半端な取り組み方しかしてこなかった知希が、競技者として本気になるまでを。
第二章は、オリンピック出場目前まで行きながら戦争にそれを阻まれた祖父を持つ飛沫が、半分恨んでいた飛込みを無理やりやらされ、何かを掴むまでを。
第三章は、両親ともにオリンピック選手で、父がコーチという恵まれた環境に育ち、才能にも恵まれ、自分を追い詰めるように競技してきた要一の、初めての我が儘を。

少年たちが、互いに刺激し合い、一つ成長するまでの様子を丹念に書いた話。読みやすい文章だし、共感できるところもたくさん。

そして、第4章で、オリンピック出場選手選考会の様子が、周りの人たちの心理も交えてかかれます。この盛り上がりがもうもう・・・。

ちなみに私の萌えツボは要一でした。なに不自由なく競技に打ち込んできたように見えた要一の、屈折というか挫折というか、がんじがらめな様子と、そこから抜けた時のさわやかさが泣けるほどいい。
あと、協会会長の食えないところも妙に好き。
それと、協議会の時にコーチが選手の女性関係を知ってうろたえる場面も好き。

そして選考会後の場面もよかった~。まさに尻尾までおいしい本。

この本は絶対上下そろえてから読んでください。続けて読みたくなるから。

(90点! いいもの読んだ)



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テーマ:今日の一冊 - ジャンル:本・雑誌

ううーん。狙ったわけじゃないけど似たような小説が手元にそろうのは何故だろう。出版年も、作者も、出版社もばらばらなのに。

永遠の出口永遠の出口
(2003/03)
森 絵都

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紀子たちの友達グループの一人・好恵は、グループの中で少し浮いている存在だった。誕生会に招かれ、好恵の家に招かれていった紀子たちは、「うちでは誕生会はやらない」という好恵の母の言葉に反発し・・・。一年に一つずつ、10代の女の子が大人になるまでのエピソードを丹念に追った連作集。


最初の一話は「えらく古めかしい話だなあ(今時誕生会なんてやるのか?)」と思いながら読み進んだんだけど、違った。今、大人な女性が、「10歳の頃の思い出といえば・・・」と、過去を振り返って語る話だった。
全然実体験と重なる話じゃないんだけど、「ああ、こんなことあった」って思えるのはどうしてだろう?
それも一つだけじゃなくて、書かれている一つ一つの話が、懐かしくて、こそばゆくて、そしてちょっと恥ずかしい。いや、こういう表現はどうかと思うんだけど、まさしく「青春」。(この単語がすでに恥ずかしい)
初恋の不器用さとか、親への反発とか、初めての仕事への思い入れとか、理想が裏切られた時の悔しさとか、ぐらぐらと心を揺さぶられて、それでも本を置けない引力を感じながら読んだ。

これは多分、すでに大人になってしまった女性が読むと一番面白いんだろうな。
男性でも共感できるのかしら?

(80点)



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