乱読にもほどがあるッ!
趣味? 読書です。毎日欠かさず本を読む、グータラ主婦の読書記録。
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総ページ数100ページ足らずの、薄い本です。ネタばれありです!すまん!

わたしのおじさんわたしのおじさん
(2004/10)
湯本 香樹実植田 真

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一面の草原に突然現れた少女と、小学生くらいの年恰好の少女のおじさん。かれらは少女の母親の気持ちが反映する草原で暮らしていたが、少女の旅立ちの時がやってきて…。


そこはかとなく死の香りがするので、てっきり主人公が事故か何かで亡くなったのかと思ったら、違いました。
人は死んだあと生まれる前の世界に還っていく。
そういうテーマのお話です。
少女はこれから生まれるのです。

読んでて切なくなるような、誕生の物語。

文章も素敵ですが、どちらかというと絵本に近い作りになってます。イラストも素敵。

(78点)
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これはひょっとして共同テーマの連作なんでしょうか。「」「」、そしてこの「秋」。

ポプラの秋 (新潮文庫)ポプラの秋 (新潮文庫)
(1997/06)
湯本 香樹実

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夫を失ったばかりで虚ろな母と、もうじき7歳の私。二人は夏の昼下がり、ポプラの木に招き寄せられるように、あるアパートに引っ越した。不気味で近寄り難い大家のおばあさんは、ふと私に奇妙な話を持ちかけた―。18年後の秋、お葬式に向かう私の胸に、約束を守ってくれたおばあさんや隣人たちとの歳月が鮮やかに甦る。(「BOOK」データベースより) 

父の突然の死。
ショックが大きすぎて魂が抜けてしまったような母との生活を経て、移り住んできたアパート。
少女である「私」が、大家のおばあさんと触れ合うことで、心の傷を乗り越える話。

突然訪れた近しいものの死。それは大きな傷になる。
大人でも苦しいし、ましてや子供なら言わずもがな。
おばあさんは、ちょっとした嘘とちょっとした手伝いをすることで、その傷を「在るもの」として受け入れるお手伝いをしてくれて。
この、おばあさんの書き方が実に上手いのね。本当に、そこにいそうな感じ。ちょっと偏屈で、自分の理屈を持っていて、なのに頑固ではなく、幼いものへの慈しみの心を持っているおばあちゃん。
最初はただただ「おっかない」人として書かれているのが、だんだんかわいいおばあちゃんに見えてくる。

終わり間近の、お葬式の場面はびっくりしたしほろりとした。
こういうお葬式が出来るのは、おくる方もおくられる方も幸せだよなあ、と。

(85点。私は夏の庭の方が好き)



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もともと児童書関係の作家さんですが、絵本を出すのは珍しい気も。

くまとやまねこくまとやまねこ
(2008/04/17)
湯本 香樹実

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冒頭一ページ目から主人公のくまさんの親友の小鳥が突然死を遂げるという展開にびっくりしました。
ストーリーは親友の死に打ちのめされ、認めたくなくて苦しんでいたくまが、やまねこと知り合うことで癒され、死を受け入れて前向きに生きて意向と決意する話、です。

語り口のやわらかさが深みを出しているし、ほぼモノクロの酒井駒子氏のイラストに味のある名作。
特に前半の喪失感が深く、ちょっと涙を誘います。

あえて欠点を挙げるなら、ちょーっと対象年齢が高めかな、と感じました。少なくともうちの二歳児は途中で飽きてしまいました。この味がわかるのは、少し大人になってからだと思います。

(88点。大人として読んで大満足)



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夏の庭」を読んで以来、大好きな作家さん。

西日の町西日の町
(2002/09)
湯本 香樹実

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母親と二人で暮らしていた「ぼく」の家に突然やってきたてこじい。母は今まで散々悪口を言っていたが、追い出すこともなく共同生活を始めた。


いや。ツボ。
なんといっても「少年とおじいさん」というモチーフに弱いのです!

そしてまた作者の筆が上手い。
母親がてこじいを邪険に扱う様子、それでいながら無視できない屈折。血がつながっているからこその愛憎。子供ながらに母の態度に不審を感じつつ、てこじいにだんだん近づいていく心の距離。
そして作中には「死」のかげりが漂っています。
誰にでもいつかは訪れる、死。本人の覚悟と、おくる人たちの覚悟を、さらっと無理なく描いてみせる。
いや、上手いなあ。

そして最後にてこじいと暮らした部屋から旅立つ「ぼく」。

中編ながら、しっかりとした存在感のある作品です。こういう話がすきなのだ。

(80点)



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小学生~中学生くらいの子を書いた話を読むと、「ええ! 今の子ってこんなに大変なの!」って思うことがしょっちゅうあるんですが、この話の「大変さ」はすんなり入ってきました。波長が合うのか、年代か。

春のオルガン (Books For Children)春のオルガン (Books For Children)
(1995/02)
湯本 香樹実

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小学校を卒業した春休み、「私」のただ一人の仲間は9歳の弟だった。隣の家との争いのせいでぎくしゃくする家を離れて、姉弟は外の世界をさまよい始める。広い空の下の河原、不思議なおばさんとの出会い、そしてもう家には帰らず壊れたバスの中で暮らそう、と二人が決めた日の夜に…? 12歳の気持ちを鮮やかに描きだし、忘れがたい印象を残す物語。
   (出版社/著者からの内容紹介)

つくづく、子供が安らげる場所というのは「家庭」なんだと思う。
隣との揉め事でギクシャクしている家、そんな家に帰ってこない父親、よく理解できない行動をとる祖父。怪物になってしまう夢を繰り返し見、原因のわからない頭痛に悩まされている「私」ことトモミ。
「そりゃ~ストレスだよ」と、部外者としてはいえるけれど、この話の中にはそのストレスを司会してくれる人はいない。

親にも誰にも言えず、弟のテツと一緒に「居場所」を探す主人公の様子は、切なくて苦しい。

そして実は、この2人の様子を一歩はなれたところから見守る「おじいちゃん」、これがツボった。
何もかも知ってるのかもしれない、でも口を出さずに見守っているおじいちゃん。あたたかくて優しい。

いろいろな出会いを通して、小さな成長を描く佳作。
生きることと死ぬことについて考える主人公たちの真摯な様子が、胸を打ちます。

(80点)



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