乱読にもほどがあるッ!
趣味? 読書です。毎日欠かさず本を読む、グータラ主婦の読書記録。
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猿、ねずみ、カラスときて犬。動物のタイトルが続くのには何か理由があるんでしょうか。

ソロモンの犬ソロモンの犬
(2007/08)
道尾 秀介

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自転車便のアルバイトをしている秋内の目の前で、幼い友人が命を落とした。車道に突然飛び出した愛犬に手を引かれ、トラックに飛び出す形となって。悪い偶然が積み重なったのか、それとも誰かの悪意が存在するのか。秋内は親しい友人たちと真相を探ろうとするが・・・。

よく出来ているなあ、と思います。
まず何より、伏線の張り方が上手い。道路に飛び出す寸前の犬の様子とか、臨場感をあおるだけの文章家と思ったらそれだけではなくて。
主人公が女性だったら「かまとと」といわれるであろう(死語か?)純情ぶりも、悪くない。年齢の割に幼い感じもしましたが。
5章から後の、真相が続けざまに明らかになっていくのも、上手い、と思った。

そしてこの作品の探偵役を務める動物馬鹿の助教授。彼の性格のつけ方も面白い。得意分野以外ではまったくやくにたたない、こういう人物を配置するあたり、いいなあ、と思います。

でもね、「上手い」どまりです。どうにもこう、物足りなさが残る感じなんですよね。こういう作家さんなんだ、と割り切って読むべきなのかもしれません。さくさく読めるし、どんでんも上手いし、魅力的な部分も多いんですが。

(75点)
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テーマ:本読みの記録 - ジャンル:本・雑誌

いつも思うのだけど、表紙を見て「ああ、この本はこういう内容だっけ」と思い出せる本もあり、中を見るまでさっぱり思い出せない本もあり。道尾氏の本は、思い出せる方です。いつも、装丁がいいなあと思ってみてます。(まあ好みもあるんでしょうが)

カラスの親指 by rule of CROW’s thumbカラスの親指 by rule of CROW’s thumb
(2008/07/23)
道尾 秀介

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“詐欺”を生業としている、したたかな中年二人組。ある日突然、彼らの生活に一人の少女が舞い込んだ。戸惑う二人。やがて同居人はさらに増え、「他人同士」の奇妙な共同生活が始まった。失くしてしまったものを取り戻すため、そして自らの過去と訣別するため、彼らが企てた大計画とは。(「BOOK」データベースより) 

変だなあ、と思いながら読んだんですよ。
詐欺を生業としている男性を主人公にすえた復讐譚なんですが、状況に流されてる感たっぷりというか、詰めが甘いというか。そんなんで上手くいくのか? 道尾氏の作品にしてはご都合主義っぽくないか? と思ったんですけどね・・・。

全部解ってて書いてたんだ! と思えるラストでした。

文章も設定も上手いです。
登場人物たちの交錯した過去。読みやすさとのバランスが取れた文章。未来に希望がもてるような展開。
どんでん返しもピシッと決まっていて、いいと思います。

でも。
「上手いなあ」止まりな感じがするんですよね。
そこから先の、「驚かせてくれたな!」とか「すっかりやられたよ」っていうところまでいかないというか。私はも少しねちっこく、絶望交じりの部分をしっかり書いているほうが好みです。

(75点)



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テーマ:本読みの記録 - ジャンル:本・雑誌

やはり本格は楽しい。帯にあるとおり、「騙された!」と叫ぶ快感。

片眼の猿 One‐eyed monkeys片眼の猿 One‐eyed monkeys
(2007/02/24)
道尾 秀介

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私立探偵の主人公は、「音」に関する特技で有名。企業スパイの調査のため、楽器店に侵入していたが、そこで殺人事件を「目撃」してしまい・・・。

先入観バリバリで読みました。「道尾氏なら叙述トリックあるだろう」「ミスリードを仕掛けているのはどこだ」と深読みしながら読むのも、王道の楽しみの一つ。
確かに「騙された、そういうことか」と驚く場面はありましたが、正直、帯の文章ほどの作品ではなかったかな・・・。単に、主人公の語り口調があまり好きになれないだけかもしれないけど。「すっごく」騙されると思ってたら、「普通に」騙されたというか、驚き度合い的には足りない感じでした。
期待、しすぎただけかもしれない。

(73点。面白かったんだけど、今回は辛口に)



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テーマ:感想 - ジャンル:本・雑誌

この本は装丁が気に入って読みました(ほそーく金色の線はいってるの)。恋愛小説かと思ったら、王道のミステリでした。  ※ちょっとネタバレ気味かも!

ラットマンラットマン
(2008/01/22)
道尾 秀介

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高校時代から続いている、結成14年のアマチュアロックバンドのギタリスト、姫川。彼は昔、姉を事故で亡くしたが、その事故に父が不審な形で関わっていた事を知っている。そんな折、姫川の彼女でバンドの元メンバーのひかりが、貸しスタジオの空き室を利用した倉庫で死亡して・・・。

このね、結成14年のバンドが、ちょっと切なげでいいのです。もう、みんな30歳。バンド以外の生業も持っている。そこに貸しスタジオが一月足らずで閉鎖するという話が飛び込んで、否応なしに変化していく状況。気の会う仲間と今までやってきたけど、「青春の終わりがやってきたかもしれない」感じ。出だからぐうっと引き込まれます。ところがそのまま不自然じゃない流れで「事件」が起こる。
姫川目線で話は進みます。姫川が「偽装工作」をしたところも書かれてます。
んが、警察が捜査して姫川の偽装を見破って、大団円・・・ではありません。

書かれていない部分の重要さ。もちろんちゃんと「ミステリ」だから、嘘の記述はないのです。ただし、「一度そうだと信じてしまうとそうとしか見えなくなる」心理をうまく使ってます。
過去の姉の死も絡めて、事実が二転三転する面白さ。これぞミステリ。気持ちよく騙されました。

(88点! 傑作です)



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テーマ:感想 - ジャンル:本・雑誌

今日からSFはお休みして、ミステリを、何日か。

シャドウ (ミステリ・フロンティア)シャドウ (ミステリ・フロンティア)
(2006/09/30)
道尾 秀介

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母が死んだ。斎場で鳳介は、裸の男女の幻影を見る。大学病院に勤務する父・洋一郎との2人きりの生活が始まった・・・。家族ぐるみの友人で、幼なじみの亜紀は、鳳介を支えてくれていたが、運動会を境に様子が変になり、亜紀の母も自殺した・・・。


これは舞台設定の勝利、ですね。
大学で精神医学について学び、同じ大学病院に勤めている鳳介の父と亜紀の父。入眠剤や精神安定剤の副作用で幻覚が見える大人たち。何故か幻覚を見てしまう鳳介。誰が「正常」で誰がそうじゃないのか、今の発言は薬物の影響を受けているのか、誰が信用できるのか・・・。揺らぐ中で進んでいく話。
子供視線が無理なく溶け込んるのも魅力。

そして、いくつか提示される謎、一つ解ければ全部連動してとけるわけでは、ない。
「あの夜に何があったのか?」と、「何故鳳介に幻影が見えるのか?」と、「亜紀の態度が変わった理由は何か?」は、全然別物として解決が用意されていて、なのに読み終わったらあそこにあの謎がなければうまく収まらないだろう見事さ。ミステリはこうじゃないと。

ただし、私のストライクゾーンど真ん中からは、ちょっとずれてる感じ。多分、人間に向けるあたたかい視線が語り口に欠けているからかと思われます。

(78点)



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