乱読にもほどがあるッ!
趣味? 読書です。毎日欠かさず本を読む、グータラ主婦の読書記録。
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これはちょっと前に読んだ本。

薔薇を拒む薔薇を拒む
(2010/05/27)
近藤 史恵

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施設で育った内気な少年・博人は、進学への援助を得るため、同い年の樋野と陸の孤島にある屋敷で働き始めた。整った容姿の樋野には壮絶な過去が。博人は令嬢の小夜に恋心を抱くが、陰惨な事件で穏やかだった生活は一変する。それは悪意が渦巻く屋敷で始まる、悲劇の序章に過ぎなかった―。(「BOOK」データベースより)


人里離れた豪邸で、見目麗しい使用人と深窓の令嬢の恋――といえばロマンがあるけどそれが誰かに仕組まれたものだったらどうでしょう? その使用人は3年ここで働くことでその後の大学進学に係る費用すべてと生活費を受け取れるという契約をしていたら? それだけの費用を出してまで何を計画しているというのか? 契約主の一家の主人と娘の小夜には血のつながりがないというのに?

閉鎖空間の中での凝縮された人間関係の根底に、これだけの疑問が横たわっています。

使用人であるところの主人公鈴原と、同僚の樋野はともに孤児で、何かが起こったとしても親身になって頼れる人というものはなく、この仕事は好条件がそろっているわけですが、そこに裏を感じてうすら怖くなってしまうのも人間の性。
しかし青年にとって裏を疑っていても恋心を持つことは止められないのです。

陸の孤島といっていいお屋敷で、どんどん煮詰まっていく人間関係は、後に悲劇を生みます。

最後のカタルシスに結びつく場面がちょっと急展開な印象がありましたが、これだけねっとりとした人間関係を書いてくれれば文句なし。主人公の青年が「いい人」だけどなんとなく「哀れに見える」というのも設定の妙ですね。

一編の映画を見ているような印象でした。

(80点)
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合掌。

暁英 贋説・鹿鳴館暁英 贋説・鹿鳴館
(2010/04/16)
北森鴻

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明治十年、日本政府に雇い入れられた若き英国人建築家―のちの鹿鳴館建造担当者―ジョサイア・コンドルは、横浜港に降り立ち、外務卿井上馨らと対面する。工部大学校造家学科教授兼工部省営繕局顧問としてのコンドルの多忙な日々が始まった。一方でコンドルは、来日の仲介をした国際商社ジャーデン・マセソン社から、ある密命を帯びていた。それは、銀座煉瓦街の設計を担当した後に忽然と姿を消した、ウォートルスというアイルランド人建築技術者の消息を調べることだった。コンドルはやがて、時代が大きく動く際に必然的に生じる、濃くて深い闇の中に、自分が足を踏み入れてしまったことを知る―。(「BOOK」データベースより抜粋)


傑作なのである。
口惜しいことに。

鹿鳴館を設計したコンドルが来日した時点から物語は始まります。コンドルが出会ったであろう幾多の日本人とのエピソードを交えつつ、鹿鳴館の謎の部分にスポットを当ててゆくつくり。
当時流行していたコレラや、日本中あちこちでくすぶっていた旧侍たちの行動、日本が近代化を成し遂げるために軋みをあげながら駆け足で進んでいく様子。綿密に計算されて書かれた、時代小説です。鹿鳴館についての予備知識がほとんどなくても、書かれている濃密な人間関係にうっとりしながら読めました。

なのにこの小説、「作中作」なのです。駆け出しの作家津本が、あちこちから「鹿鳴館」についての資料を集める間に驚愕の発見をし、書き出した小説という設定。この冒頭部分も魅力的な謎がたくさんちりばめられていて、答えを知りたいと思わせるものです。思わせぶりにでてくる海波潤一郎の真意とか。

しかしその望みはかないません。
北森氏が旅立ってしまったから。

神様はどうして、彼にこの作品を完結させるだけの時間を与えてくれなかったのか。
おそらく、彼の代表作となる大傑作になったに違いないのに。

(採点はやめておきましょう)



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この本は子供の学校での読書タイム用に購入しました。親もゆっくり読んでます。

ボーイズ・ビー (幻冬舎文庫)ボーイズ・ビー (幻冬舎文庫)
(2007/10)
桂 望実

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多分ブログではきれいにでないかと思いますが、繊細な色使いの素敵な表紙です。

母親を亡くしたばかりの川畑隼人は、引っ込み思案な十二歳。ある日彼は、真っ赤なアルファロメオを乗りこなす七十歳の靴職人と出会う。だけどそいつは、かなりの偏屈ジジイ…。出会うはずのない二人。出会っても通じ合うはずのない二人。そんな彼らが、徐々に心を通わせていく。(「BOOK」データベースより)


主人公の一人が小学生で、母親をなくしたばかり。これだけでもう、辛い設定なのに、母親に頼まれたからと弟の世話を引き受ける、なのに弟は母親とはもう会えないってことをよく理解してなくて、何とかわかってもらおうと苦戦するわけです。こういうとき本当は頼りになる筈の父親は仕事に一生懸命すぎて子供のほうを向いていないし、主人公の隼人は自分も辛いのに「母さんは父さんに心配かけないでねっていってた」とか気を回しすぎるあたりがもう、いじらしくていじらしくて…。

これに対してもう一人の主人公は老人。靴職人。腕は一流なのに気難しくて、納期は約束しない、気が向かなかったら作らない、人付きあいなんかしたくない、という頑固さ。

この二人がだんだん親しくなっていく物語。しかしよくある「老人と子供」ものと一味違うのは、子供のほうが周りに気を使って自分のことを後回しにしている大人びた子供であることと、老人のほうが気の短い内面子供であることだと思います。

二人とも、上手く自分と折り合いがつかなくて、無理しているところがそっくり。

この小説の山場は、文庫本223ページころからの隼人が必死に父親を説得するあたりだと思います。
いろんな大人に知り合って、自分の話を聞いてもらって、そしてようやく自分に一番近しい、でも一番心配をかけたくない父親に話を聞いてもらおうと努力するところ。この父親も人格の練れていないバカ者で、気を回すところが違ってやきもきさせられます。こういう父親を持った子供は苦労するけど、苦労しているということが父親に伝わるだけでどれほど子供の気持ちが楽になるのか…。母としての立場から、我が子や知り合いの子の事を思い返して頷きながら読みました。

この話は「十二歳」や「夏の庭」・「西日の町」あたりがツボの私にとってはどんぴしゃ!でした。ちょっと子供向けとは違ったかもしれないなあ…。

(87点)



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表紙を見てサッカーの話かと思ったらバスケの話でした。

リリース (teens’ best selections)リリース (teens’ best selections)
(2010/04/09)
草野 たき

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「医者になれ」という父の遺言をまもってきた明良。周囲の期待に応えるため、ひたすら内心を隠して生きてきた。ところが、中二の夏、一人の女子から尊敬する兄の裏切りをきく、バスケ部でも問題発生…人生八方ふさがりだ。そんな中、おばあちゃんからも爆弾発言がとびだし、一家離散の危機。それぞれの人物が自分の本心と向き合った時、家族、チーム、兄弟の絆は…。(「BOOK」データベースより)


なんとなく、草野氏は女の子の話の方が得意かと思ってて、中学生の男の子の話だったので驚きました。

主人公は中学3年生で、バスケ部のキャプテンで、なくなった父の代わりに医師になれとと親戚中にいわれていて、でも本当はバスケットの選手になりたくて――という、中学生の頃の全能感たっぷりな少年で、傲慢といってしまうのは簡単だけど、そこから「周囲から見た自分」を想像してギャップを乗り越えていくというのは必要な儀式だと思うのです。また、この子がそこそこ優秀で、カンチガイしやすい感じなんだよね。
主人公にとっては意味不明な行動をとる女の子が出てきたり、無愛想な転校生が出てきたりと、一気にいろんなことが起きて、一つ大きく成長する話。

この転校生がかっこいい! 才能あふれるけど無愛想で、世渡りも下手そうだけど、肝心のところではずさない。そしてチームメイトの男の子たちも情けないけどかっこいい。
男の子同士っていいなーと思わせてくれるお話でした。いいなあ。

(80点)

そして次は「キケン!」を読んでます。男の子同士っていいよなあ、と思いながら。



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加納朋子さん、大好きです。いかんせん寡作な作家さんなのでなかなかいいよ!って宣伝する機会もないのですが、出ている本は大概書いてるんじゃなかったかな…。ブログ始める前に読んだ本は触れてないかもしれないな…。

七人の敵がいる七人の敵がいる
(2010/06/25)
加納 朋子

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PTA、学童、教師、夫に姑、我が子まで。上司より、取引先より手強いモンスターが次から次へと現れる!?困惑、当惑、そして笑いと涙の痛快PTAエンターテインメント!(「BOOK」データベースより)


これは最初に言っておく、この本が面白いと思って読めるのは多分実際に子育てをしているお母さんだと思います。「専業主婦と兼業主婦の壁」や「学校を包む厚い壁」なんかもそうだし、総会で文書を読み上げる無駄さ加減とか、ほんとだよ! と何度思ったことか…。
もちろん全然縁がない方が読んでも、こんな世界が(今この日本に)存在するのか、っていう一種の職業小説としての面白みがあると思います。

「とにかく合理性を求めるフルタイムワーキングマザーの陽子さん」が、PTAやら自治会やらの不合理な慣習と戦って、敵を作ったり敵を作ったり敵を作ったりしつつ何とか役目を終える話、ですねえ…。
そして最初はなんだかんだ全力で戦ってきた陽子さんも、なんとか丸く収めるための手練手管を得ていったりして、あーなるほどなーこういうやり方か、と思ったりします。

(まあもっとも、良くも悪くもこれほどパワフルな人はあまりいないだろうなあ)

一章一章戦う相手が違うのもいい。義理の親だったり、子供の少年団活動だったり、学校の先生だったりするのですが、これがまたもう…もう…がっつり感情入れて読ませていただきました。

ちなみに第三章「男もたいがい、敵である」に出てくるブルドーザー呼ばわりした作家の話、ちょっと唐突な気がしたのですが、この辺は「レインレイン・ボウ」にでてきます。そうか!あの陽子さんか!と気づいたときは嬉しかった。

(90点!!)

一応、実際にPTAに参加している母親として書き添えておきますが、うちのあたりのPTAはこれほど過酷じゃないです。働く母親でも何とかなる程度しか集会がなかったりもします。(学校側で上手く手配してくれてたりする)
少年団活動も、もっと楽ですが、確かに「趣味・子供」な親が多いのは否定できない・・・。



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