TOP 200608


「そして名探偵は生まれた」 歌野晶午


そして名探偵は生まれたそして名探偵は生まれた
価格:¥ 1,785(税込)
発売日:2005-10


歌野晶午 祥伝社

歌野晶午といえば「葉桜の季節に君を想うこと」ですが(気持ちのいい叙述トリック。このミス1位も頷ける)、その流れを汲んだ密室トリックを3編収録。

久しぶりにミステリらしいミステリを読んだ気がする。やっぱりいい。上手にだましてもらった。

各作品について言いたいことがないでもないけど、それはちょっとおいといて、出版社に一言。

私、この本に収録されている作品のうち、2作品、すでに文庫で持ってるんですよね…。表題作は書き下ろしですが、そのために購入するにはコストパフォーマンス的にどうだろう。

面白いだけに、ちょっと残念。

カテゴリ:歌野晶午
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「誰か ----Somebody」 宮部みゆき
ええと、基本的にこのブログには自分で読んで面白かった本、読んでよかった本を書こうと思ってます。で、この本を書こうかどうかとえらく迷ったんですが、やはり無視して通れない気がするので書くことにする。



誰か ----Somebody誰か ----Somebody
価格:¥ 1,600(税込)
発売日:2003-11-13

宮部みゆき 実業之日本社

と、前段で判ると思うんだけど、この本、正直面白くなかったです。宮部ファンの方には悪いけど。(私もファンだけど)

今多コンツェルンの会長の運転手が自転車に轢かれて死亡。会長の娘婿である主人公が、運転手の遺族2人の相談相手に指定され、事故の真相と、運転手の過去を調べ始める…。


読んだ感想は、まず第一に、ずいぶんレトロな香りがしないかい?といったもの。昭和の匂いがするというか…。携帯電話の着信音指定が出てくるところをみても、最近の話だというのはわかるんだけど、主人公の年代がいまいち特定できないという感じ。

第二に、ずいぶん早々にネタ割れしちゃうなあ、と思った。あまり先読みしながら読んでない自覚がある私が、半分くらい読んだところで「ひょっとして…」と思ったところに着地したし。

面白くない、ではなく、物足りない、なんだと思う。あまりに小粒な話。

前後して出た「あかんべえ」や「日暮し」、「ブレイブストーリー」や「ドリームバスター」が面白かったところをみると、もう彼女の適性は現代物にはないんじゃないかしら。それともこの長さが半端なのか。読んだ私が期待しすぎていたのかも。

カテゴリ:宮部みゆき
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「十八の夏」 光原百合


十八の夏十八の夏
価格:¥ 1,680(税込)
発売日:2002-08

ニュースでは残暑がどうこう言っているが、(北海道ではもう残暑の季節なのです)肌に感じるのはもう秋の風。

今年も夏が終わるな、と思って再読してみた。

この本には4つの短編が収録されているが、それぞれの登場人物にかかわりはない。共通点は、「花」がモチーフにつかわれていること。

本屋の主任の再婚話あり、おっちょこちょいの兄貴のプロポーズ話あり、ちょっと笑えて、しんみりするような、1つの季節を切り取ったお話ばかり。ちょっと肩の力を抜いた読書にはいいかと。

カテゴリ:光原百合
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「そこへ届くのは僕たちの声」 小路幸也
毎回彼の作品を読んでは感心しきりなのだけど、今回は…やられた、の方があっている。


そこへ届くのは僕たちの声そこへ届くのは僕たちの声
価格:¥ 1,680(税込)
発売日:2004-11-25



植物状態の人間を目覚めさせることが出来る人がいるといううわさ。脅迫電話はかかってくるものの、翌日か、遅くてもその翌日には、何事もなかったかのように帰ってくる子供たち。空からの声を聞く少女。町に不釣合いな設備の天文台、そこにすむ車椅子の少年。いったん姿を消し、また現れるモノたち。


一見ばらばらな物語が、絡み合い、終結していく見事さ。

のみならず、一点に終結した後、もうひとつの物語が語られる。

…泣けました。油断してました。お母さんたちの台詞がもうもう…。

本好きなら読むべし!!

カテゴリ:小路幸也
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「ふにゅう」 川端裕人
なんか空気のぬけたふうせんみたいなタイトルですが、実は「父乳」のことなんです。


ふにゅうふにゅう
価格:¥ 1,575(税込)
発売日:2004-07-23


産まれたての子供ってほぼ例外なくお母さんが大好きで、もっと言うならお母さんの「母乳」が大好きで、お父さんはどんなに頑張ってもかなわなくて、俺からも「父乳」が出ればいいのにな・・・と思うお父さんの話。


全5編の短編集なんですが、これがもう、どれを読んでもすごく生々しい。出産から5・6歳になるまでの育児を題材にしてるんですけど、育児経験のない人には書けないだろう話ばかり。ぜひ育児に悩んでいるお母さんにも読んで欲しい。


で、これもわりと最近読んだ関連性のあるようなないような本。



子どもが減って何が悪いか!子どもが減って何が悪いか!
価格:¥ 735(税込)
発売日:2004-12


男女共同参画は少子化対策にはならない。しかし男女参画はこれからの社会にとって必要だから行うべきだ。その結果、子供の数が増えようが減ろうが、それは別の問題だ。そもそも、愛情をもって子供を育てる覚悟をした男女だけが子供を生めばいいのだ。


乱暴に要約しちゃうとそういう内容の本です。データとかが多くて少し難しいです。

でも内容にはすごく納得した。児童手当が多くなったり出産費用がただになったら子供を産むか、というと「?」だし、そんな方向にばかり力を入れている行政ってどうよーと思っていたところだったので。

カテゴリ:川端裕人
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「親不孝通りディテクティブ」 北森鴻
親不孝通りディテクティブ 親不孝通りディテクティブ
価格:¥ 620(税込)
発売日:2006-08-12

北森鴻 講談社文庫

文庫が出てたんで、早速購入しました。屋台の親父(ただしまだ20代)テッキと結婚相談所の調査員キュータが、地元の揉め事を解決していく連作短編集。キュータは解決するというか首突っ込んで大騒ぎしているだけかも。探偵役はテッキです。

北森氏の魅力といえばやはり、印象的な謎解きとおいしそうな食べ物。残念ながら食べ物は出てこないです。おいしそうなカクテルは出てくるけど。

今回はちょっと暗めの事件が多かったかな、「ハードボイルド」だそうですから。

それにしても、「香菜里屋」の工藤さんといい、テッキといい、過去に何があったんですか。魅力的な男性には影があるってことですか。しりたい〜。

カテゴリ:北森鴻
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「犬はどこだ」 米澤穂信
犬はどこだ 犬はどこだ
価格:¥ 1,680(税込)
発売日:2005-07-21
都会を離れて故郷に帰ってきた主人公が、犬探し専門の探偵事務所を開いたところ、友人の善意とささやかな誤解で本意と違う依頼が2つ。押しかけ探偵助手も現れて、手分けして調査していると、なぜか微妙に関連性がありそうな・・・。

なぜこの本にこのタイトル? 犬はどこに出てくるの? (野犬は違うだろう・・・) 主人公の、俺に犬探しをやらせろ! ってさけびなのかな。

主人公が自分を敗残兵だと思っているからか、非常に半端な言動が目立ちます。わざとなのか、無意識なのか。たとえば、給湯設備も整備しなくちゃな、と思いながら何もしない、とか。押しかけ助手の調査の報告をろくに聞かない、とか。(もっと早く話し聞いてれば着地地点が違ったよなあ)

たぶん、この作品は続編が出るのでしょう。それで今回はしりしかでなかった、友人の大南君とかが活躍するんでしょう。で、いい加減にやっている主人公もしっかりして、社会復帰をする・・・のかな。このまま続けていた方が、読者としては続編に寄せる楽しみがあっていいけど。

カテゴリ:米澤穂信
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「アコギなのかリッパなのか」 畠中恵
しゃばけシリーズでおなじみの畠中氏の現代物。


アコギなのかリッパなのかアコギなのかリッパなのか
価格:¥ 1,680(税込)
発売日:2006-01-14

元国会議員の事務所で事務員として働く主人公が、「先生」ののところへ持ち込まれる陳情・要望・問題の裏にある謎を解いていく、日常系のミステリー。(代議士先生の事務所が日常かはちょっとおいといて)連作短編です。


コージー調っていうのかな、この位の長さでこのくらいのノリの話がこの著者には合ってるんじゃないかな。しゃばけシリーズが好きな人なら面白く読めるかと思います。

主人公が一見お調子者で、よく考えると背負っているものは大きいんだけど、それを感じさせない飄々としたところがいい。

ちなみに、選挙の場面はそれなりに出てくるんですが、裏話的なものを期待してもそれはなし。

選挙について知りたいようならお勧めはこっち。



ダイスをころがせ!ダイスをころがせ!
価格:¥ 1,890(税込)
発売日:2002-01


ホワイトアウトで有名な真保裕一氏の作品。テレビドラマに向いてると思うんだけど。どうかな。

カテゴリ:畠中恵
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「カチューシャ」 野中ともそ 
先日ペンギン店長さんのおすすめで、「宇宙でいちばん明るい屋根」を読んで、同じ作家さんを追いかけてみました。

カチューシャカチューシャ
(2005/03)
野中 ともそ

商品詳細を見る


最近理論社づいてるんですが、何でだろう。いままであんまり読まなかったジャンルだからかな・・・。世界が少し広がった感じ?

この本のジャンルをなんと言っていいのかよく判らないんですが、大人が読んでも面白い、子供を意識した本? 子供にも読んでもらいたい大人向けの本? 荻原規子の「樹上のゆりかご」とか、同じところにいるよね。ヤングアダルトって言葉も定着してきたみたいですが、ちょっと馴染めない感じ・・・。ライトノベルもちょっと違うし。

内容は、のろまな主人公が、転校生とその祖父と仲良くなって、「僕はのろまで仕方ないんだ」から、「のろまなだけじゃなくて、その分丁寧だったり、自分にもいいところがあるんだ!」って気づく話、かな。一言で言いにくい。心の中がほんわりする話です。

カテゴリ:な行・その他
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「キサトア」 小路幸也
やはりこの人の作品は面白い!

キサトアキサトア
価格:¥ 1,575(税込)
発売日:2006-06

病気で色がわからなくなった主人公アーチと、その双子の妹キサとトア、風を感じるエキスパートの父親、水のエキスパートのミズヤさん、アーチの級友の子供たち。海に突き出した三角形の町で静かに流れる一年の時。


どこかにこんな町があるような、なつかしいような、夢の中のような、そんなお話。
作中を流れる空気がいいのです。海から吹く風の肌触りがします。

そして主人公が素敵です。自分に出来ることを、得意にならず、必死にならず、淡々と、でもしっかりと一つずつ積み上げていきます。

自然の中で生きる自然体の少年の話。おすすめです。

カテゴリ:小路幸也
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