本所深川ふしぎ草紙 価格:¥ 540(税込) 発売日:1995-08 |
新潮文庫
一年の締めは大好きな作家の大好きな作品で。
深川に伝わる七不思議をモチーフに、江戸の町に起こる犯罪を描いた宮部みゆきお得意の人情物短編集。
捕物帳といってもいいようなつくりなのですが、ストーリーの主眼は犯罪ではなく市井の人の生活。一話ずつ主人公が違います。事件はというと、殺人事件だったり、押し込み強盗だったり、描きようによっては重苦しい話になりそうなものなのに、読後感のさわやかさ、心がほっこりする感じはさすが宮部氏。
全編通して解決に尽力するのは回向院の茂七親分。宮部氏の時代物ではほぼレギュラーに近い彼が出てくるのもファンとしては嬉しい。
短編集だからといって、あっさり終わるかというとそうではない、深い話も入ってます。大好き。
それではみなさん、よいお年を。
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