乱読にもほどがあるッ!
趣味? 読書です。毎日欠かさず本を読む、グータラ主婦の読書記録。
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すべてがFになる―THE PERFECT INSIDER すべてがFになる―THE PERFECT INSIDER
価格:¥ 770(税込)
発売日:1998-12

講談社文庫

近いうち、といいながら結構時間が経ってしまいました。反省。

あらすじなんかも書こうと思ったんだけど、文庫でさえかれこれ10年前に出てるんで、今回はパス。

あちこちで書評なんかは出尽くしている作品なんで、私があれこれ言ってもあまり価値はないんですが(いつもそうか)、私はこの本の魅力は「登場人物の心理」にあると思う。もちろん、私から見て「普通の人」な人もいっぱい出てくるんだけど、要になるのは「感情より理性が勝る人」。人間には触れ合える距離にいるほかの人間が必要なんだ、なんていっても、「何故?」と真顔で返してきそうな人たち。そして、殺人の動機にしても、あまりのない、情の入らない、「こうするのが一番合理的」といったもの。

しかし。

一番すごいのは、これが「狂気」の物語にならないところ。

他の作家がこれを書こうとすると、絶対「狂気」の話になると思う。その方が感情移入しやすくて、わかりやすいから。でも、そうなってない。計算されつくした、端正な物語。こんな書き方も出来るのか、と感じた初読の時の衝撃といったらなかった。

そして、だからこそ続編が書かれ続け、読まれ続けているんだと思う。その出来についてどうこう語るだけの信念は私にはない。

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押入れのちよ 押入れのちよ
価格:¥ 1,575(税込)
発売日:2006-05-19

新潮社

急遽引越しの必要に迫られた恵太は、不動産屋の勧めで相場の半分ほどの格安物件に住むことに。ところがこのマンション、不法滞在らしき外国人の集団は住んでいる、一階に組の事務所はある、格安もさもありなん、といった感じ。ところがその上、押入れから「明治生まれの14歳」と名乗るおかっぱ頭の女の子が出てきて…。(表題作、押入れのちよ。他、全9編の短編集)

荻原浩といえば長編の名手といったイメージがあったせいで、読み逃していた本。

表題作はもちろんだけど、全編通して怖い話の連続。でも、怖いだけじゃなくて、怖いけど悲しそうとか、笑えるけどゾクリとするとか、一ひねりあるのはやはり荻原節。怖いのは霊か人間の狂気か、というのもこの手の話のテーマのひとつだったりするし。

長編ほど読み応えはないけれど、短い時間に読めてじんわりする本。私はラストの「しんちゃんの自転車」が一番怖かった。




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明日の記憶 明日の記憶
価格:¥ 1,575(税込)
発売日:2004-10-20

光文社

アマゾンではこの表紙のしか出てこなかった…。映画になる前の表紙の方が好きなのに。

広告代理店に勤務する主人公、佐伯は、50歳代になったばかりだが、最近、物忘れがひどい、人の名前が思い出せない、簡単な暗算に時間がかかるなど、年のせいとは言い切れない症状を覚える。心配した妻に連れられて病院にかかると、「若年性アルツハイマー」の診断を受けて。

なんて説明する必要もないくらい、映画化でメジャーになった作品。

話題性に踊らされている見たいなのが嫌で、あえて読まずにいた本。しかし、読んでみた。すごかった。

まず、この題材の作品を、一人称で書こうという作者に脱帽。だんだんあやふやになっていく「記憶」という不確かなものを、本人の語りで実感できるというのは本当に予想外。ところどころに挿入される日記文がまた、いい。前は書けていた漢字が書けなくなり、難しい言い回しが減り、努力しても努力しても零れ落ちていく「自分らしさ」。どれほど資料を漁っても、明確な治療法がないもどかしさ。まだ大丈夫と信じたい気持ちと、もう駄目かもしれないと絶望する気持ち。どれをとっても胸に迫る文章ばかり。

特にひねりらしいひねりもなく、大方の人が予想する方向へストーリーは進んでいく。どこまで行くんだろう、と思いながらページをめくる。

そしてラスト。映像的な、とても美しい場面。人と人が結ばれるってこういうことなのか、と思った。

いやもう、この本は読むべきです。ぜひ。




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冷たい校舎の時は止まる (上) 冷たい校舎の時は止まる (上)
価格:¥ 819(税込)
発売日:2004-06-08

講談社ノベルズ (上・中・下全3冊)

雪の日に登校してくると、校舎内に人の姿はなかった。そして、帰宅しようとしても玄関の扉も、一階の窓も開かない。閉じ込められたクラスメート、男女合わせて8人。彼らは皆、自分たちに「ある記憶」が欠けていることに気付く。何故、自分たちが閉じ込められなければならなかったのか? 動かない時計。外との連絡も取れない。「ここは誰かの心の中だ」と言う仮説が飛び出す。ようやく動き出した時計、そして、チャイムの音とともに、一人、また一人と級友たちが消えていく…。

これも広義ではミステリになるのか。奥が深い。さすがメフィスト賞。

読み始めはどちらかというとSFとかファンタジーのような感触。学校内に閉じ込められ、照明や暖房はついているがつけた人間の気配はない。たとえばパニック映画のような方向に転がっていってもおかしくないのだけど、読み進むと確かに「ミステリ」。「何故閉じ込められたのは自分たちなのか」「なくした記憶の正体はなんなのか」「誰がこんなことを仕組んだのか」。読み終えるときちんと一本の線が浮かび上がってくる。

そして、何より、「青春小説」なんだな、これが。受験を数週間後に控えた高校生たち。県下有数の進学校の、さらに上のほうに位置するグループ。とはいえ一枚岩ではないし、お互いに恋愛感情もあり、ライバル心もあり、同情心もあり。一生懸命なんだけど、未熟。ひとつの考えに縛られて身動き取れなくなったり、言い方を変えれば穏やかに済むのに、それじゃ済ませられなかったり。読んでて痛い。切ない。でも夢中になって読んでしまう。

恩田陸の「六番目のサヨコ」あたりが好きな人ならたぶん好き。3分冊という厚さにめげずに読む価値はあります。




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噂
価格:¥ 660(税込)
発売日:2006-02

新潮文庫

「コールド・ゲーム」が予想以上によかったんで、読むべきか? と思って読みました。…怖かったよ。

新ブランドの香水の宣伝の為、女子高生を狙って「モニター」という名目で口コミ戦略を仕掛けた広告代理店。その中のひとつに、「夜公園を歩いているとレインマンに襲われて足首を切られてしまう。でも、この香水をつけていると襲われない」というのがあった。狙い通りこの噂は都市伝説となって広がり、香水の売り上げも順調。しかし、その噂をなぞるように、足首を切られた女子高生の死体が発見される。刑事・小暮は、自分の娘ほどの年の女子高生たちの奇矯な行動に惑わされつつ、コンビを組んだ名島と捜査を開始するが…。

最初は章ごとに、「女子高生二人の会話」「広告代理店の人たち」「刑事」と視点を変えながら話が進むものの、時期に刑事の視点が中心に。ストーリー的には割りとオーソドックスな刑事物かな。シリアスだけどシビアになり過ぎない。女子高生から話を聞くのに四苦八苦するオヤジっぷりが面白い。骨格のしっかりしたミステリー。随所にある伏線も、文句なし。絶品。

しかし、この作品はね。それだけで終わらないんですよ。

文庫についてる帯が、絶妙。読み終えて、考えて、ぞっとした。こんな仕掛けがあったんだ、とひざを打つ感じ。

そして案の定、昨日の晩も怖い夢を見ました。学習機能のない私。




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