乱読にもほどがあるッ!
趣味? 読書です。毎日欠かさず本を読む、グータラ主婦の読書記録。
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埋み火―Fire’s Out 埋み火―Fire’s Out
価格:¥ 1,890(税込)
発売日:2005-08

講談社

消防士大山雄大は、成り行きでなった消防士という仕事に特に情熱を感じないまま、早く現場から離れて事務職につきたいと考えていた。そこへおきた火災。幸い延焼はなかったものの、住宅内で独居老人が死亡。数日後、その住宅に花を供えに来ていた老人も、火災で死亡。さらにもう一件。同じような事件が。--これは本当に失火なのか?

と、冒頭のあらすじを書くとまさにこのとおりなのだけど、感触が違うんだよねえ。いかにもミステリみたいな出だしで、そう思って読んでいくと、半ばを過ぎた所で違うと気付く。普通のミステリなら、何故この連続失火が起きたのか、誰が計画を立てたのか、何故老人たちは死のうと思ったのか、そういうことがメインになっていって、全部明らかになったところでおしまいなんだけど、この話はさらにもう一段二段ある。

火事が起きてしまえば、消防士は否応なく命の危険にさらされる。救助した人に感謝されるとは限らない。勤務時間は24時間連続ということもある、非常に厳しい職場環境。チーム内の不協和音を放置していると、命に関わる危険性もある。

そんな厳しい状態で、でも主人公の心は、まっすぐで強い。昔やんちゃもしたらしいけど、その分人間に幅がある。主人公の親友の鬱屈加減も絶妙で、彼がいなければ話の色合いも変わったはず。なぞを解くだけの話じゃない、それぞれが生きていく話。そして、多少型破りでも、お互いに助け合うことでより強くなる話。

そして、本編とは少しずれるんだけど、うなったのはラスト近くの主人公と母親が語り合う場面。この母にしてこの子あり。こんな事いってもらえたら母としては最高だよなあ、とわが身を省みたりして。

面白かった! いい本読みました。

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風の墓碑銘 風の墓碑銘
価格:¥ 1,995(税込)
発売日:2006-08-30

新潮社

「凍える牙」「鎖」に続く女刑事音道貴子シリーズ長編第三弾。

東京の下町の解体工事現場で発見された白骨死体。貴子が担当となって捜査していた所、現場の地主今川が殺害される。痴呆が始まっていて会話が成り立たない時もあるという老人を、誰が、何故? 配属された捜査本部で、貴子はまた滝沢と組んで捜査に当たることになる。

「凍える牙」、大好きでした。男社会の中で理不尽な目にあう貴子。本人、悪意を持っているつもりはないものの、女となんかやってられるかという感情むき出しにした滝沢。そして、クライマックスの、静かな、張り詰めた空気。映像が目に浮かぶような描写。

「鎖」は、「~牙」に比べると、長くて重くて暗い。一見物分りがよさそうに見える男の方が頑迷だったりする。精神的に追い詰められていく貴子が痛い。前作では全然貴子を信用していなかった滝沢が、変化していく過程もいい。読み応えのある作品。

短編集を数冊はさんでの今作なんだけど、事件としては派手さに欠ける、かな。貴子と滝沢、二人の視点から見た事件が変わりばんこに語られるんだけど、ラストに向けてのカタルシスというか、そういうものに欠ける。じゃあどんな人にお勧めか。貴子と滝沢が好きな人、としか言いようがない。この一作を突然読んで面白いのか見当がつかない。一作通してお互いの関係が歩み寄っていく、その過程が楽しい。前段はあった方が読みやすいと思う。

ただ、これだけ読んで「訳わかんない」とかいうものではないです。必要なラインはクリアしている。私は「音道貴子シリーズ」が好きで追いかけているからこんな感想になるけど、違う意見の人もいるんだろうと思います。




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駆けこみ交番 駆けこみ交番
価格:¥ 1,680(税込)
発売日:2005-04-01

新潮社

前回に続き帯って大事だよなーと実感した一作。

去る老婦人が深夜の交番に駆け込んできたのをきっかけに、何故だかお手柄続きの勝ち組新米巡査・高木聖大。東京は等々力のパワフル老人七人衆に可愛がられるようになった聖大は、ヤル気のない先輩に悩まされつつ所轄を駆け回るうち、十数年来の未解決事件を解く糸口をつかんでしまった。さあ、聖大、どうする!?

これが帯の文章。これを読むと、なんだか、「未解決事件」がさも重要な感じ、しませんか?

新米巡査の聖大が、「とどろきセブン」を名乗る、自分の経験を生かして地域の人たちの役に立っている老人集団と知り合う第一話。児童虐待を何とかしようとするものの、警察では「民事不介入」の前提に縛られて何も出来ずにいる内に、とどろきセブンの人たちが何かしたらしく解決してしまった第二話。とどろきセブンの過去が語られる第三話。内容は伏せますがまあ大団円の最終話。と、起承転結のお手本のようなストーリー展開、なんですよね。

例の「未解決事件」、ストーリーの底をちらちらと流れ続けておりますが、そこがメインの話ではない。もともと「棟梁」だったり、「植木屋」だったりしたとどろきセブンの人たちが、いかに地域を大事にしているか、助け合って楽しく生活しているか、そういう話。こんなおじいちゃんおばあちゃんになれるよう年をとらなきゃな、と思える本。

全体に、あったかくて、ほんわりしている語り口の話です。語り手の聖大の性格のおかげかもしれない。扱っている事件は陰惨なものも結構あるんで。

帯とか、文庫の見返しとかにある作品紹介って結構参考にして本を選ぶんですが、今回は外しました。私はいいほうに外れたんでいいんだけど、期待はずれだった人もいるんじゃないのかな~。




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忘れ雪 忘れ雪
価格:¥ 780(税込)
発売日:2005-02

角川書店

両親をなくし、叔父の家にひきとられた少女は、ある日公園で怪我をした子犬を拾う。途方にくれているところを助けてくれたのは動物病院の息子・一希だった。8年後、その動物病院を継いで院長を務めている一希。同僚の静香に思いを寄せられている自覚はあるものの、受け入れようという気持ちにはならない。そんな時、妙に自分になついている犬と、その飼い主深雪に出会う…。

新堂さんの本を読むのは実は初めてです。なんというのか、暴力的な? ノアール的な? イメージがあって評判が高いのは知っていたんですが、ちょっと避けていました。

で、なんで読む気になったかというと、帯。「新世紀、最も泣かせる純愛小説の誕生」だって。あれ? 私の先入観は違ってるらしいぞ? 表紙も可愛いし、読んでみようかな…。

読了。確かに、純愛小説でした。静香の描き方がやや類型的な気もしましたが、ストーリー自体に力があるのでぐいぐい読ませます。すれ違い系の話なんで、感情移入して読むにはちょっともどかしいけど。公園に降る雪という映像的イメージも抜群だし、個々のキャラクターも清濁取り混ぜていて文句なし。

ラストはちょっと作りすぎ、という感じもしましたが、純愛好きにはたまらないのかもしれない。私が少し冷めているだけで。




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fの魔弾 fの魔弾
価格:¥ 940(税込)
発売日:2004-11-18

光文社

2体の銃殺死体とともに、完璧に施錠されたマンションの一室で発見された浜坂憲也。彼は睡眠薬を飲まされていて、事件の記憶はない。殺人の容疑で起訴された憲也を助ける為、級友の無罪の証明に乗り出した南美希風、しかし彼も訪れた異国の地で密室の殺人現場に閉じ込められそうに。

これぞ本格。これぞ密室トリック。さすが柄刀一。万歳!

現在の美希風が巻き込まれた事件の章と、憲也の事件の調査をする章とが交代で出てきます。どうやら使おうとしているのは同じトリックらしい、というのは読み進むうちに解ってきますが、何故美希風が狙われているのかは解らない。

最近こんな本を読んでも、叙述トリックだったり、王道からは外れたものばっかりで、ちょっと食傷気味だったのですが、これはまさに王道。作品の肝も「どうやってこの密室は作られたのか?」という一点。さすがにレトロな挑戦状はないものの、「ここまで読めば真相は推理できる!」というポイントが明確に表示されているのも好印象。そして密室のトリックを解けば犯人も特定できるというのもポイント高し。なおかつ、現代じゃないと出来ない仕掛けなのがいい。

本格ミステリが好きな人にはたまらない一冊。いいもの読みました。




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