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うちの3姉妹 1 価格:¥ 998(税込) 発売日:2006-04-20 |
主婦の友
一昔前なら地域コミュニティというのがあって、初めての子供をそだてる時なんかは近所のベテラン母さんに相談したりした(井戸端会議ともいう)ものだけど、今は残念ながらそういうつながりは薄くなっている。育児サークルなんかはあるけど、仕切ってるのが未婚の保健士さんだったりして当てにならなかったり。
で、育児本が出る。私の見たところ、二種類ある。「子供はこうやって育てなさい」っていうHOW TO本と、「うちの子育てはこういう感じです」っていう日記本と。後者はどっちかって言うとコミックが多いかな。
その中でお勧めなのが2つ。男の子版が「毎日かあさん(西原理恵子)」。女の子版がこれ、「うちの3姉妹」。(長い前振りだった…)
うちは3姉妹ならぬ3兄弟なのだけど、性格はそっくり。こんなことあったよ! と思いながらとにかく笑える。性差の前に環境の差ってあるよ。あと、その年頃の子供がみんな持ってる面白みとか。
これ、小学生の息子も読んで笑ってます。読み終わったら肩の力が抜けてます。とにかく一度読んで欲しい。
(90点)
おまけ。これはもともとブログ発の本です。ブログも続行中です。興味のある方はこちらをどうぞ。
もうあちこちで語りつくされている気がする。私なんぞがこれ以上何を言えるというのか。と考えて書かずにいたんですが、やはり書く。
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バッテリー 6 (6) 価格:¥ 540(税込) 発売日:2007-04 |
巧たち新田東中は、以前完敗を記した強豪・横手二中との再試合の日を迎えようとしていた。(あらすじ書こうとしたら結局これだけで終わりだよね)
と、いうわけで、感想。今回は個人的に書き散らかすんで、読んでない人はご用心。
今回読んで。「やっぱりこれは豪の物語なんじゃないのか?」と思った。巧に出会ってしまった豪。ピッチャーとして必要なものは皆持っているのに、人間的な部分で欠けている巧。かけている部分に傷つけられ、踏みつけにされ、それでもやっぱり「巧のキャッチャー」でいることを選択した豪。彼の目線から語られる言葉は少なくて、内面は推し量ることしか出来ないんだけど、彼の苦悩はきっと半端じゃない。そもそも親から反対されている部活を続けるというだけでもしんどいんじゃないか。しかも相手はあの巧で、豪の苦悩はきっと通じてない。…大変だよね。
しかし。ラスト近くで、巧が、「キャッチャーだから一緒にいるんじゃない」と不器用ながらに豪に告げる場面。ああ、よかったなあ、と思った。巧の成長ぶりがここでうかがえる。そして、豪の反応が、彼の今までの苦悩をうかがわせて(落涙)。
ある程度年をとってから振り返ると、若かったころの、「何かをやりたくて、自分の押さえが利かなくて、上手く人に合わせることが出来なくて泣いたり悩んだりして、でも走らずにはいられないあの感じ」(青春スーツ?)がなつかしくほろ苦く思い出されるんだけど、この本は私にとってそういう本。男性が読むとちがう感想なのかもしれないけれど、女性の目から見ると「理想の青春」。(…書いてて恥ずかしい)
ラストはあれでいい! 色々想像できるのがいい! と思っていたのに、あっけなく「ラスト・イニング」でばらされちゃったよ…。んが、これについての感想はまた別の機会に。
(点数つけません。冷静じゃないんで。一巻を読んで面白かった人はぜひここまでたどり着いて欲しい)
いわずと知れた「館」シリーズ第七弾。上下巻、計2500枚の力作、だそうです。ああ、しんどかった。
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暗黒館の殺人 (上) 価格:¥ 1,575(税込) 発売日:2004-09-10 |
近隣の村では「あそこには怖い物が住んでいてうかつに近づくとさらわれる」と恐れられている館、暗黒館。そこが中村青司に関係あるらしいと聞いて、江南は一人車を走らせるが、途中、地震が原因で事故を起こしてしまう。退路を絶たれ、暗黒館に向かう江南だが、そこには「浦登」の一族が住んでいた。
ここまでが、序章のあらすじです。ここからが本番。語り手の「私」の正体は明かされぬまま、黒く塗りつぶされた館、窓がほとんどなく内に向かっている部屋、そこに住むシャム双生児の少女、早老症の少年、心が壊れた婦人、いわくありげな儀式、と次から次へと畳み掛けるように書き連ねられる「昏い」イメージ。入り組んだ人間関係。乱歩や正史のころのような、時代がかった作品です。
ミステリを好んで読んでいると、「よくこんなこと考え付いたなあ」と思うような作品にめぐり合うことがあるのですが、正直、この作品はそこまでいってない気がする。謎のいくつかは読んでいる途中に解る。具体的にこれこれこうだからこうだと理屈だてて考えなくても、「あれおかしいなあ」くらいは解る。そういう文章になっている。
だから、私のこの作品に対する評価は、「よく書ききったなあ」です。
そもそも、「うらど」家、いわくありげな儀式、隠し扉や使えない階段、と聞いて私が思い出したのは小野不由美氏の「アレ」。同じモチーフの作品を少女小説とミステリと文法変えて書いたらこうなるのか? とか考えながら読んだ。
しかし、この膨大なモチーフを、積み重ね積み重ねしてフェアなミステリにする体力はすさまじい。
おまけ。「私」の正体はこうだろうなあとおもいながら読んだ。当たってた。江南の名前も予想どおり。でも、玄児の正体は予想外だった。中村某も。読んだ方だけわかってください、私の読解力はそんな感じです。
(点数…難しいなあ、自分で楽しんだ点数は85点、人にお勧めするなら60点。とにかく長くて読みにくいので)
気がつくと一週間書き込んでなかった。その間何をしていたかというと、「暗黒館の殺人」を読んでおりました。なかなか進まない。まだ途中です。
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包帯クラブ The Bandage Club 価格:¥ 798(税込) 発売日:2006-02-07 |
で、気晴らしに読んだのがこれ。
心が傷ついたその場所に、包帯を巻いてもらえると心が軽くなる−−そう思いついた「ワラ」たち高校生は、HPを利用して「包帯を巻いてもらいたい場所」を募り、自分たちで包帯を巻いて回ることにする。それが包帯クラブ。活動初期を振り返った記録風物語。
自分が痛かったとき慰められたから、誰か慰めを必要としている人に、それを与えてあげたい。そんな、まっすぐな気持ちを書いた話。慰めてもらいたい、癒してあげたい、誰かと繋がってたい、そんな気持ちにあふれてる本。主人公が少しいい子すぎる気もするけれど、「物語」の許容範囲。
いいのはですね、そんなささやかなボランティア活動が、心無い人に中傷を受けたときの反応。
「自分の傷にも巻いて欲しい」「傷を認めてもらえて嬉しい」といっていた人が、手のひらを返したように「そんなことして何になるんだ」と言い出す場面が、実はたまらなく気にかかる。大勢に寄りかかる人たち。マスコミがいいっていってるから、乗り遅れないようにする自己保身。ネットの匿名性と、それを利用した無自覚な攻撃。
クラブのメンバーの反応がばらばらになって、活動が休止に追い込まれる。そのときの乾いた感じが、好き。
「負けるな」って応援してあげたい。私が子供だった頃より複雑になった価値観の中を、泳ぎきらなきゃならない今の子供たちを。
ラストもいい。詳しくは書かないけど。(77点)
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しゃべれどもしゃべれども 価格:¥ 620(税込) 発売日:2000-05 |
若い落語家の三つ葉は、吃音癖が原因で仕事に躓いた従兄弟の良に、「話しかた」を教えるように頼まれる。無愛想な美女の十河、関西弁が原因でいじめられている小学生の村林が参加することになり、簡単な落語を教えるのなら、と条件付ではじめたものの、参加者たちはみんな口下手で、仲良くなる雰囲気もない。自分の芸にも自信がもてない三つ葉、さて上手くいくのでしょうか?
と、要約してみたものの、何かがちがう。
まず、三つ葉。古典落語をこよなく愛し、普段から和服でとおす彼。すぐかっとなり手が出る。よく考える前に言葉が出てしまい、無駄なトラブルの元になったりする。が、恋事には奥手で好きな女性に告白すら出来ない。このキャラクターが実にいい。いざ高座にあがると緊張のあまりしどろもどろになる、そのじたばたしてもどうしようもない感じに素直に感情移入できる。そして、小学生の村林。関西弁の響きのせいで能天気な発言馬鹿利しているように聞こえるけど、彼の抱えるトラブルがいいアクセントになって話を引き締めてる。所詮子供の揉め事だ、なんて突き放してしまってはこの話は楽しめない。十河の不器用でぶっきらぼうなところもいい。
こういう、奇抜ではないながらも味のある人物たちが、一年かけてわずかずつでも成長していく話。はらはらはするけれど、ラストは大団円で、すっきりとした読み心地。
実は、漫画化作品を先に読んだ。追っかけて小説を読んで、こっちの方が好きになった。で、夏には映画にもなるらしい。丁寧に作ってもらえるといいな、と思う。鑑賞後、心がほっこりする作品になりますように。
(80点)
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いつもの道、ちがう角 価格:¥ 480(税込) 発売日:2005-12-08 |
光文社文庫
安楽椅子探偵アーチーとか、バルーンタウンシリーズなど、ちょっと現実離れした設定の中で骨子のしっかりしたミステリをかく松尾氏ですが、今回はミステリではなく「ダークファンタジー」なんだそうな。7編収録の短編集。
それぞれの短編に、明確な謎解きはない。(ファンタジーだからね)こういうことなんだろうなと思わせる暗示はあるけれど。解説から引くと、読後、なんだかよくわからないけど「嫌あな気分になる」話ばかり。先日書いたように、「どこか病んでいる」登場人物の出てくる話、です。
ホラー系のオムニバス本なんかがよく出てますが、あんな感じの読後感です。好きな人はきっと好き。ただ、松尾氏の本を誰かに一冊勧めるとしたら、私はこれは選ばないでしょう。
(70点)
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半落ち 価格:¥ 5,460(税込) 発売日:2004-07-21 |
警察官・梶は痴呆症の妻を殺害したと自首してきた。ところが、殺害から出頭までに「2日間の空白の時間」が存在する。梶は、どこで何をしてきたのか?
小説では、取調べをする刑事に始まり、検事や記者、裁判官など梶の周りの人々の視点から描かれています。直木賞候補にもなり、ある欠点が指摘されて受賞を逃し、横山氏と選考委員の間のやり取りの結果、横山氏が「直木賞決別宣言」をするにいたった作品でもあります。
小説を読む際に、必要以上の予備知識を持つとネタわれの心配もあるので、こういったいきさつは知っていたものの、その「欠点」が具体的にどういうものかは知らずに読みました。が、私にはそれは不自然には思えなかった。確かに「よくあること」ではないだろうけど、「あってもいいこと」、「あるかもしれないと希望を託す価値のあること」だと思いました。宮部みゆき氏の「火車」が受賞を逃したときの選評を見ても「選考委員は的外れな評価をしているな」と思ったものですが、今回も然り。作品が必要としている「仕掛け」、それに苦心しつつ書き上げる作者の技量、ミステリならば高く評価される部分がまったく問題の外になってしまうんですね。残念。
が、今回は実は映画の感想を。
原作は男の物語です。黙する事に決めた主人公。事件の本当の解決の為と信じて調べる周囲の人。「なぜ2日間にあったことを語らないのか」、それがストーリーの主眼です。そして、最後まで黙し通した梶に、最後の最後に訪れる「救い」。ご都合主義という向きもあるようですが、私はそこにほろりと来た。
映画はもう少しわかり易い展開になってます。特に違うのが梶の妻の姉の存在感。出番はそれほど多くないけれど、彼女がいるおかげで「やむにやまれず」やってしまった梶の悲壮感が際立つ感じ。妻とのやりとりを回想する場面も、文章では出しにくい「情」にあふれた場面でした。
私が原作で一番好きな、最終章での面会人の「お父さん」の場面が全部なくなっているのは残念ですが、梶を演じた寺尾聰の感情を殺そうとしてあふれてしまうあの顔、あれはよかった。
(今回は小説じゃないので点数はなし。堪能しました)
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王を探せ 鬼貫警部事件簿―鮎川哲也コレクション 価格:¥ 620(税込) 発売日:2002-05 |
犯人の名前は亀取次郎。被害者の手帳から掴んだのはその名だけ。近郊だけで40名の同姓同名がいた。絞り込まれた数名は、いずれもアリバイを持つものばかり…。難航する捜査のさなか、犯人は新たな凶行に及ぶ。
この作品の凄い所は、冒頭から犯行シーンなのに、叙述トリックではないところ。犯人もちゃんと名前で呼ばれてるし、「どの亀取二郎か」は解らないようになっているけれど、内容はフェア。何回かはさまれる犯人側から見た場面も、絶妙な伏線になっている。トリックが一部解りにくかったんだけど、それは私の興味がそっちをむいてなかっただけなので問題なし。
正直、時々こんな小説を読むと安心するのです。登場人物が皆まともで。殺人者をまともと言っちゃいけないのかも知れないけど、犯行の動機も普通だし、行動も常識ある。最近の小説だと、どこか壊れている人間の独白シーンが延々あったりして、疲れてしまう。現代の人間は本当にそんなに病んでいるのか、それとも題材にしやすいのか。
あえてこの本の欠点を上げるとすれば「題名」。タイトルだけ見て手に取りたくなる本ではないよね。「王」が出てくるのも中盤以降だし、トリックだとかに絡んでくるわけでもなし。鮎川氏に限らず、昔の作家は時々こういう無頓着なタイトルをつけてます。今の新人賞なら「タイトルに魅力がない」とばっさりいかれるんじゃないかしら。
(でも好きなんです。80点)











