TOP 200706


6月の読書日記

明日は一日ネットにつなげない予定なので一日早く今月のまとめ。

今月のベストブック

『シー・ラブズ・ユー 東京バンドワゴン2』 小路幸也(93点)

『しずかな日々』椰。月美智子(93点)

両方ペンギン店長さんに紹介してもらった本だ・・・。(ちょっと悔しい)

派手ではないけれどじんわり心が温かくなる本。家族とか、人と人とのつながりとか、当たり前かもしれないけどとても大切なことをまっすぐ書いてます。おすすめです。

基本的にこのブログは「この本はこういう本だよ。点数でいうと○点くらい。読んで見るといいよ」という感じで書いてます。で、人にお勧めする最低点が70点。90点を越すと「誰がなんと言おうと私はこの本が好きなんだ!」って感じです。70点をつけられない本については、書くのやめました。(一度書いたけどどうしても気になったんで消しちゃいました)

カテゴリ:ひと月のまとめ
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下北サンデーズ 石田衣良

普段ドラマは見ません。映画もめったに見ません。ので、映像化作品といわれてもあまり実感がないのです。

下北サンデーズ 下北サンデーズ
価格:¥ 1,575(税込)
発売日:2006-07

小劇団「下北サンデーズ」に入団したゆいか。劇団員の厳しい生活に驚きつつも演技にのめりこむ。幸い、すぐに役がついて舞台に上がることに。その舞台「サマータイムストレンジャー」がきっかけでサンデーズには追い風が吹くようになるが・・・。

今回暴言行きます!

いやもう、内容が薄い薄い。新劇団員をきっかけにして人気に火がついた実力派小劇団が、成功するまでの一年間、というコンセプトは解る。どこかでみたような場面のつぎはぎだけど。キャラクター設定も魅力的なんだと思う。もう少ししっかり書き込んでくれれば。少なくとも地の文で「脚本も書ける女優の」とか書いちゃ駄目だよ。いちいち説明しなきゃ判らないような程度しか書き込んでないって自分で言ってるようなものじゃない? 本読むときって、「このキャラクター今こんな表情してるんだろうな」って脳みその裏っかわで想像しながら読むものだけど、この本ではそれがまったくなし。ご都合主義と商業主義をまぜこぜにしてとりあえず出版してみました、みたいな本。

・・・しかし。

途中で「こんなつまらない本読んでられるかあ!」とならなかったのは事実。最後まで読み進めるだけの勢いはあります。

(70点。読まないほうがいいよ、というほど悪くはない)

カテゴリ:あ行・その他
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ぼくとアナン 梓河人

梓河人といえば「ナイト・ヘッド」の人。それくらいしか予備知識がない状態で読んだ。児童書だった。

ぼくとアナン ぼくとアナン
価格:¥ 1,890(税込)
発売日:2001-12

イエナシビトのナガレさんに拾われたしましまのネコ、バケツこと「ぼく」。数日後、今度はゴミ袋の中に捨てられていた赤ちゃんを拾うことになった。その赤ちゃんをみているとあたたかい気持ちになるイエナシビトたちは、アナンと名づけ、協力して育てることにするが・・・。

「子供育てるってもっと大変じゃない?」「いいのよファンタジーだからこれ!」

「そんなに物事順調に行くわけないじゃん」「いいのよファンタジーだからこれ!」

「いい人ばっかりすぎるんじゃあ・・・」「いいのよファンタジーだからこれ!!」

・・・と、自分で自分を説得しながら読みました。

いや、あのね、一気に読めたし、ラストはほろりときました。いい作品です。ちょっと道を踏み外しちゃった大人たちがアナンに出会って軌道修正する話、といえばいいのか。アナンも一途で可愛いし。

・・・最近、もう少し生々しい児童書ばかり読んでるから、素直に読めないのかなあ。登場人物がうすっぺらい感じ。大好きだけど疎ましいとか、ありがたいけど情けないとか、二つの感情が同時に心の中にあるのが普通じゃないのかな。裏面の感情が全然出てこない。・・・ネコだからいいのかなあ。

あ、大人用もあるんですね。じゃあ、そっちも読んでみますよ。

(なんだかんだいいつつ、78点)

カテゴリ:あ行・その他
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覆面作家の愛の歌 北村薫

昨日の「風信子の家」が今は亡き編集者への献辞で始まってるのをみて、つい思い出して読んでしまった本。

覆面作家の愛の歌 覆面作家の愛の歌
価格:¥ 540(税込)
発売日:1998-05

雑誌『推理世界』の編集者岡部良介は、覆面作家の新妻千秋の担当をしている。ある日、編集部の先輩から「覆面先生を呼び出して欲しい」と一枚の手紙を手渡され・・・(覆面作家のお茶の会より。3編収録)

ものすごい美人のお嬢様作家。執事がいるほどの豪邸にお住みだが実は二重人格に見えるほどの外弁慶で、良介はそれに振り回されっぱなし。北村氏には珍しく、設定から笑いを狙ったつくりの本。もちろん「本格謎解き」の部分は秀逸な出来。

ミステリ好きとしては、謎解きの部分は重要だけど、それ以外の部分で読ませて欲しいという贅沢な望みも持ってます。それに答えてくれる作家というのは結構少ない。でもこのシリーズははずれがないのです。謎が解けた後の一言でしんみりしたり笑ったり。

今から10年以上前の本になりますが、内容は古びてないです。ちょっと入手しにくいかもしれませんが、お勧めです。

(82点)

カテゴリ:北村薫
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風信子(ヒヤシンス)の家 篠田真由美

建築探偵のスピン・オフ作品。 神代教授を主人公にした短編集。

風信子の家―神代教授の日常と謎 風信子の家―神代教授の日常と謎
価格:¥ 1,365(税込)
発売日:2007-04

私学の雄W大の最年少教授、神代宗。彼の家にある日突然ドールハウスが送られてきた。添えられているのは「この謎が解けるかな?」と書かれた手紙。しかし、神代には差出人の記憶がなくて・・・。(表題作より)

実はこの本の8割がたは雑誌で読んだ。で、えらく神代教授のイメージとちがった記憶がある。

建築探偵に出てくる神代教授といえば、江戸っ子のべらんめえ口調で、威勢が良くて、「人物」で、京介や蒼に好きなことをやらせてあげられる度量の持ち主でとえらく「素敵な大人」なイメージだった。だけど、この本ではちがう。普通の、むしろ少し要領の悪い青年。(40歳代を青年というかは置いといて)

子供からみたら親はすごく「大人」に見えるけど、親が自身を見ると「子供のとき思ってたより成長してないな」と思うのと一緒かも。

もうひとつの要因として、この本の中に「現在進行形」の事件がないこともあるかもしれない。急いで殺人犯が誰かを追及しなきゃならないとかの切迫感はない。終わってしまった事件の、関係者の心の中にあるわだかまりを整頓して、「過去の事件」にする話ばかり。

時々シリーズもので「何でこの人こんなに事件に巻き込まれるんだろう」というのがあるけれど、そういう感じでもない。毎年たくさんの人が入ってきては出ていく「大学」ではこのくらい色々あるのかも。

面白くないわけではない。けど、自信を持って人に薦められる本でもない。いつもお世話になっているペンギン店長さんのブログで紹介されたように、「ああ、昔の蒼ってこんな子供だったよね」と懐かしがってみる本。

(75点)

カテゴリ:篠田真由美
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千年樹 荻原浩

出てるの知らなくて図書館の「新着本コーナー」で見かけてあわてて借りました。

千年樹 千年樹
価格:¥ 1,680(税込)
発売日:2007-03

樹齢千年のくすの木のもと、色々な時代で繰り広げられる人間の営みを切り取った連作短編。

同級生の使いっ走りをさせられている雅也。無理難題を言いつけられて必死になったものの、どうやら時間制限に間に合いそうになく、通りかかったくすの木の下で自殺を考えるが・・・(萌芽より)

ん〜・・・。判断に迷う作品。荻原氏の作品といえば、「なんだよこんなヤツ実際にはいないだろう主人公貧乏くじだな」とと思わながら笑わせる設定と、後半のご都合主義といわれかねない展開と、しっかりしめるところはしめるラストが好きなんです。(ほめてるのか? でも大好きなんです)

ところが、この本に漂うのは「死」のイメージ。一昔前のいじめ、戦時中の絶望、女郎の心中など、笑える要素は全然ない。まるでくすの木が死へと誘うように、木の下で消えていく命たち。そして千年のときを超えて見え隠れする少年の影。・・・怖いです。

そもそも最初の一章目が暗すぎて、3日ほど続きを読むのをやめていたんでした。表紙も暗いし、イメージそのままです。

いつもの荻原節を期待して読むと外すと思います。ただし絶望しっぱなしのラストではないです。

(75点。時間あけて読み直すと評価変わるかもしれません)

カテゴリ:荻原浩
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図書館で借りた本(6/23)

風信子(ヒヤシンス)の家・篠田真由美 殺人ライセンス・今野敏 下北サンデーズ・石田衣良 それでも警官は笑う・日恩恩 計4冊。 前回借りた本でまだ読んでない本あるのに借りにいっちゃったよ。ちょっと反省。

カテゴリ:覚書
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どこゆく?団塊男 どうする?団塊女

私、30歳代半ばです。当然、団塊世代ではありません。

どこゆく?団塊男 どうする!団塊女 どこゆく?団塊男 どうする!団塊女
価格:¥ 1,575(税込)
発売日:2006-10

何でこの本読もうと思ったんだったかな・・・。親がそんな世代だから今後のこと考えたんだったかな。

団塊世代向けに書かれた、これからの人生をどうするかについて書かれた実用書。その年頃の方なら読んで損にならない程度の本です。広く全体を対象にしてるので、それほど突っ込んだ話題じゃないし。昨年から、テレビの奥様番組なんかでも同じようなこといろいろやってたし。

(・・・これは点数つける本じゃないでしょう)

カテゴリ:実用書
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この子だれの子 宮部みゆき

久しぶりに児童書(?)です。

この子だれの子 この子だれの子
価格:¥ 651(税込)
発売日:2006-10-14

講談社青い鳥文庫

この本が出たのは知っていたのです。でも、宮部みゆきフリークの私、買うのをためらっておりました。

なぜかというと・・・中身全部、持ってるんです。文春文庫から出ている「われらが隣人の犯罪」からの再録本なんです。小学生向けに振りがな多くなってますが、ストーリーとしては同じです。

6年1組の子供たちが卒業研究で「サボテンの持つ超能力」をしたいと言い出した。担任の教師は辞めさせようとするが、子供たちは聞き入れず、説得役は権藤教頭に。しかし、教頭は子供たちのやりたいようにやらせてあげたいと支持することにした。さて、卒業研究は上手くいくのか?(サボテンの花より)

この中でこの短編がたまらなく好きです。出世より子供とのふれあいを選んだ教頭先生と、生意気でこまっしゃくれているけれど、真摯で一生懸命な子供たちとの心の交流を書いた話。卒業研究の結果はちょっとした知識があれば先が読めますが、本当のおちはもう一段後。・・・いい話なんですよこれが。

で、出来れば、我が子にも読んで欲しい。そのために、本棚にちょっと紛れ込ませておこうかと画策中。

(80点)

カテゴリ:宮部みゆき
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小説・こち亀 原作・秋元治

正式なタイトルは↓こっち。

小説こちら葛飾区亀有公園前派出所 小説こちら葛飾区亀有公園前派出所
価格:¥ 1,050(税込)
発売日:2007-05-24

日本推理作家協会のメンバーが、こち亀の世界で小説をかくという企画本。こち亀については説明不要だと思うので書きません。参加者は大沢在昌・石田衣良・今野敏・柴田よしき・京極夏彦・逢坂剛・東野圭吾。大半の作家さんが自分のシリーズの登場人物と競演させてます。

京極夏彦氏が書くとどんな小説になるんだ? と思って読んだんですが、京極氏はやはり京極氏でした。 時代背景が違うのと出版社の関係で京極堂は「古本屋を営んでいる老い耄れ」として出てくるんですが、きめ台詞健在。独特の文字使いの文章もそのまま。

ただね・・・この本全体読んで思ったんだけど、両さん、かっこよすぎやしませんか。いや、原作でも両さんはかっこいいときもありますが。破天荒に見えて人情味にあふれた、古きよき下町代表みたいなところもありますが。もっとはじけても良かったような・・・。

(70点。こち亀か、それぞれの作家さんか、どちらかに愛がある人向け〉

カテゴリ:日本人作家(アンソロジー)
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