今月読んだのは図書館本40冊、購入本5冊、再読本2冊。感想書いてない本がたまってます。近日中に何とか。短くなるかもしれませんが。
今月のベストブック
おっぱいバレー 水野宗徳 (92点)
今月は70点台の本が多かったです。面白い本はいろいろあったんだけど、「これ!」というのにめぐり合えなかったというか・・・。
本を読む量が増えると、読み込みが足りないのか、評価が低くなりがちな事に気付きました。読む順番にも左右されるし、まあ、個人的な点数なんでいいっちゃいいんですが。参考にしている方、いらっしゃったら(いるのか?)ごめんなさい。
この本を読んでいる間中ラーメンズのコント「Q&A」が頭をよぎりっぱなしでした・・・。内容はまったく関係ありません。
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Q&A 価格:¥ 1,785(税込) 発売日:2004-06-11 |
これからあなたにいくつかの質問をします。ここで話した事が外に出ることはありません−−−。
この話はこんな台詞で始まる。タイトル通り、「質問」と「答え」のみで成り立っている話。
大型スーパーのMで火災が発生と通報。実際には火災ではなかったのに、死亡者69名、怪我人は100名を超える。毒ガスともテロとも噂が流れるが、いまだ真相は不明。被害にあった人、その周辺の人、誰かが誰かに質問をしながら、話は進んでいく。
答える人の名前・職業・年齢などは章が変わる最初の一ページで明かされるが、質問者の素性は解らない。最初は、この質問を通して何があったのか解き明かされる、ドキュメンタリータッチの小説かと思いながら読み進めたのだけど、よく考えたら恩田陸氏がわざわざそんな話を書くわけがない。途中で違う方向に話は曲がっていく。
そして、この話の底にあるのは、多分「憎悪」。そこまでひどくないかな、じゃあ「悪意」。人間は自分を守るためなら残酷なことをすることもある。相手を見くびって利用することもある。聖人君子の世の中ではない、そんな話。
ダークです。結構苦い話です。不条理感満載の、恩田陸ワールドです。ファンにはやめられない世界。
(70点。点数がいまいち低いのは、ファンじゃない人には不満が残ると思うので)
「図書館戦争」シリーズのスピンオフ作品。図書館内乱中に出てくる作品を実際に書いてみました、ということらしいです。
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レインツリーの国 価格:¥ 1,260(税込) 発売日:2006-09-28 |
今回ネタバレありです!
伸行は、昔好きだった本の感想をネットで調べてみた。そして、「ひとみ」という女性の書いた感想に、意見をメールしてみる。と、即返事が返ってきた。それをきっかけにメールのやり取りが始まり、それは伸行の中で恋へと変化しはじめる・・・。
得意の飛び道具を封印して書いた話、ということですが・・・。ストーリー自体は、まあちょっとありがちな展開ですが、割と好きなタイプです。問題は他の部分。
と、いうのも。あちこちで書いてあったんで言っちゃっていいと思うんですけど、ヒロインのひとみさんは聴覚障害者です。なので、障害を気にしないですむメールでのやり取りというのはとても大切な部分です。でまあ、恋愛ものの定番として、途中でメールを使ったケンカの場面なんかがあるんですが。
このメールが、底が浅い。
「この性格でこの文章書くか? これ読んだら彼女は怒るだろうな、くらい予想できる男だろう」と思ったら、やっぱりひとみさんからは怒りと悲しみのつまった、その分文章を選んでない無神経なメールが来ることになって、こじれていく。わたしはここを、「この二人にはここですれ違ってもらわなきゃ」という作者の作為丸見えの場面として読みました。「いや、ちがうよ、彼は無知だからこういう言葉を選んだんだよ」という反論もありかと思いますが、私はそれなら、型にはまった「無知」を演じさせてるだけじゃない、と言い返します。
作者の中でこの作品・作品のテーマは消化されてないんじゃないかな。難聴者について書くぞと決めて取材して、取材中に拾ったネタを生のまま並べて、上からオブラートかけてみました、って感じ。でもやっぱり生は生。上手く料理できれば何倍もおいしくなるのに、急いじゃった。
もったいないな〜。
(70点)
〈守人シリーズ〉が有名な作家さん。児童向けのファンタジーを主に書いていらっしゃるようなんですが、今回は日本風。
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狐笛のかなた 価格:¥ 1,575(税込) 発売日:2003-11 |
怪我をした子狐を拾った小夜は、猟犬に追われて普段近づかない屋敷の方へ逃げていった。そこには同い年の少年、小春丸がいて小夜を助けてくれる。これをきっかけに、大人たちには内緒で仲良くなる二人。二人を物陰から見つめる子狐は、実は獣ではなく霊孤だった・・・。時はすぎ、小夜は十六歳になっていた。保護してくれていた祖母も亡くなり、一人で生活していたが、ある日の市で昔の自分を知っているらしい女性とその兄に出会う。そこから、小夜の運命が動き出した・・・。
日本風なのだけど、日本ではない。守人シリーズのときも思ったけど、世界を作り上げることとそれを過不足なく描写するのはさすがの一言。特別な用語もちらほら出てくるんだけど、解りにくいことは一度もなかった。底の浅いエセファンタジーをかいてる人に、「やるならここまでやらんかい!」といって読ませてあげたいくらいの作品。
実を言うと、小夜と小春丸の身分違いの恋愛がテーマになるのかな〜、べただけどそれもありだよな〜、なんて邪推しながら読み進めたのだけど、違いました。(いや、べた度で言うと同じくらいな展開ですが)恋愛を超えて、「お互いを大切に思う気持ち」がテーマ。どろどろしない、読後感のよさがいいです。
(80点)
本編とはまったく関係ないんですが、割とシリアスな場面で、「もんどりうって転ぶ」というのを読んだ途端にふきだす私。恐るべし森見登美彦。
料理には詳しくないんで、「甘い豆腐って言ったら杏仁豆腐」しか思いつきませんでした。中国料理って奥が深い。
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香港の甘い豆腐 価格:¥ 1,575(税込) 発売日:2004-10 |
高校に行かずだらだら過ごしていた私は、その生活をなんとなく「父親がいない」せいだと思っていた。ところがそれが母にばれた途端、「父親に会いに行こう」と突然香港にいくことに。香港でであった人たちにひかれた私は、そのままひと夏を香港で過ごすことになる。異国での体験を経て、女の子が元気を取り戻す話。
まず、この無気力っぽい少女の設定に拍手。「友達から離れてみたら気分がすっとした。いちいち友達の顔色うかがわなくても言いし、余計な気を回さなくてもいいし、なにしろラク」・・・疲れてるんだなあ。なんというか、自己主張しないよう(出る釘になりたくないから)、周りから浮かないように必死に気を使っていて、突然気力が尽きちゃった、見たいな感じ。
そしてまたこのお母さんがかっとんでる。「どうせ父親がいないから?」という子供に反応して、外国だって言うのにまず会いに行くんだよ? 「お前の父親は・・・」とか説明も何もなしで。「行くから」と言ったときにはもうチケット取ってるんだよ? そのくせ父親との面会は人任せだし、よくわからないけど自分のルールに従ってる人。
で、対する香港の人たち。広東語の言葉としての勢いみたいなものもあるんだろうけど、言いたい事ははっきり言う、断られても気にしない、自分のことは自分で決める、といったきっぱりした感じ。日本人にはこの部分は足りないわ・・・。でも、放置しているんじゃなくて、ちょっとはなれたところから見守っている感じ? 「心配している」と言うことが負担になるかもと考えて、口に出さないでいる。無関心ではない。
もうね、香港に決めた時点で作者の勝ち。混沌としていて、自己主張が激しくて、エネルギッシュな街。その中に放り出されたら何もしないでうずくまってるわけには行かないでしょう。
最後に。おばあちゃんがいいんだよね、この話。かっとんだ娘を「もうあの子は何考えてるかわからなくてどうしようもない」と突き放しつつ見守ってる視線、孫を「あんな母親を持って災難だけど、ちゃんと元気でいるんだよ、連絡しなさいよ」とこっちは直接的に告げるバランス。心配はするけど過保護ではない。とぼけているようでしっかりしてる。彼女がいなかったらこの話は全然違う読後感だったんじゃないかな。そういう配置はさすがです。
(77点。もう一息、いい意味で裏切られたい感じがのこる)
あ、タイトルの「甘い豆腐」は「豆腐花(タウフファ)」というスイーツみたいです。
すごくすき、と言うわけではない。でもなんだか気になって、月に一度くらい手にとってしまう作家さん
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あなたのそばで 価格:¥ 1,470(税込) 発売日:2005-09-08 |
「恋」をテーマにした連作短編集。一話目の脇役→二話目の主役・・・と続いていく。
「片思い」という話はほとんどない。でも、恋が成就して嬉しさいっぱいと言うわけでもない。
恋人になっても、結婚しても、切ない気持ちはなくならない。「ねえ、私のこと本当に好き?」「私より大切なものがあるんじゃない?」と、問いかけ続けなくちゃならない女心の話(口に出して言うかどうかは置いといて)。そして「つらいこともあるけれど、それどもこの恋はやめられない」話。
これでラストの一話がなかったら「つっまんね〜」とか暴言はいてたかもしれない。恋愛だけの話は苦手なんだって・・・(解ってるなら読むな)。しかし、ラストの高校生の話はちょっとほのぼのしてよかったな。そして、各話の後日談みたいなのが垣間見れるのもよし。
(70点。しかし、一月もしたらまたきっと野中氏の本は読むでしょう)
『ゆめつげ』畠中恵 『スロウハイツの神様(上・下)』辻村深月 『宙の家』大島真寿美 『ブルータワー』石田衣良 『レインツリーの国』有川浩 『アナン(上・下)』飯田譲治・梓河人 『Q&A』恩田陸 『RAN! RAN! RAN!』桂望実 計10冊
やっちゃった! やっちゃったよ! いつも使ってる図書館じゃなく、隣の大きい図書館に行ったら借りたい本がいろいろ合って・・・自分の貸し出しカードじゃ借りられる冊数に限度があって・・・息子のカードで借りちゃいました。すまん息子。ごめん。一生懸命読んで返すから今回は許して。(でも実は足りなくなったら使おうと最初から息子のカードを持っていったのです)
この作家さんについての予備知識はほとんどなし。誰かのお勧めだったかな? どっかでレビュー見たかな? と思ったものの、なぜか無性にこの本を読まなきゃならない気分になって借りました。
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優しい子よ 価格:¥ 1,365(税込) 発売日:2006-07-01 |
女流棋士の妻の元へ難病におかされた子供からの手紙が届く。返事を書くと、今度は少年の父から「直る見込みはない」と厳しい現実を告げるメールが。それからの三ヶ月、少年が亡くなるまでの心の交流を描いた表題作をはじめ、生と死がテーマの私小説。
いやあ、泣いた泣いた。そしてこの手の本で泣ける感性が自分に残っていることに驚いた。少年の、たどたどしい手紙が心に直にきた。ぼくはいたいけど先生の足はいたくないですか、いたくないようお祈りします、なんて・・・ようやく、10才になったばかりの子供が書けるか? それまで生きられないかもしれないことを理解した上での言葉。重く、切なく、そして強い。
そして、少年の父親の、「まさか10歳まで生きられるとは思わなかった。嬉しい計算違いです」って・・・内心を推し量ると、つらい。
(いやあのね、うちの子もあと数ヶ月で10歳なの。このタイミングに読んだからこそはまったのかもしれないけど)
この体験を書ききった大崎氏に感謝。
(75点。作者の経歴を知らないと読みにくいところがあったのは事実なんで、ちょっと減点)
そして、後で調べたところ、先日読んだ「クリスマス・ストーリーズ」に大崎氏の短編が載っていたのでした。自分の記憶のあいまいさにちょっと愕然。
いろいろ思い入れがありすぎて、かえって読みにくくなってしまった本。・・・もったいない。
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玻璃の天 価格:¥ 1,250(税込) 発売日:2007-04 |
時は昭和初期の東京。女学院に通う英子は、同級生の百合江から「いろんな本を読んでらっしゃるから」と恋愛の相談を受ける。専属の運転手ベッキーさんにも相談して、解決の方向を探るが・・・。連作短編集、全3編。
まず。北村薫氏がずいぶん離れたところに来てしまったなあ、と言う感想が出た。もともと日常の謎を得意にした作家さんで、謎解き自体はさほど難解ではなく、生き生きとしたキャラクターで読ませる人だなあと思っていたのだけど、この本もその大枠から外れたわけではない。ただし、この本の主眼は一話一話の謎解きではなく、全体を通しての「ベッキーさんの正体について」と「戦争に向かって加速する社会」。
女性に職業選択の自由があまりなく、女性と言うだけで差別の対象となる時代。何故、ベッキーさんは女だてらに運転手などという道を選んだのか。これまでは何をして生きてきたのか。それは、このシリーズの底を流れる大きな謎。ベッキーさんは英子のアドバイザーにも見えるけれど、「円紫さん」と比べると人間的に未熟なところがある。その謎のかけらがこの本で現れて・・・解決しないまま続く。ずるいなあ、上手いなあ。こんな終わり方されちゃ次も読まざるを得ないじゃないか。(そうじゃなくても読むのだけど)
細かい文化を積み上げてリアリティを出す描写はさすが。人によっては、細かすぎて逆にうるさい感じがするかもしれない。作者の性格ってこんなとこにも出るよね、ってにんまりしながら読んだ。
「戦争」に向かう時代。「個人の自由」より、「国に報すこと」の方が重要視される時代。それはちょっとおかしいんじゃないの、と思った女性たちが一所懸命自分のよってたつ所を探している本。戦後60年をすぎて、北村氏がこの本を書こうと思った理由はなんだろう。
(75点。後一作でシリーズが終わるそうな。次はどうなるのか、楽しみ)
『図書館内乱』有川浩 『ドリームバスター4』宮部みゆき 『香港の甘い豆腐』大島真寿美 『星の基本』駒井仁南子 計4冊
最後のは子供の夏休み自由研究用。(私も読みましたが)「親が手伝ってもかまいませんが、全部親がやることのないようにしてください」と言われたので、子供にテーマを決めさせたんですが、さあどうなるか。北海道の夏休みは短いんで、お盆すぎたらアウトです。










