TOP 200708


8月の読書日記

今月読んだのは図書館本39冊、購入本5冊。「スロウハイツ」と「海の底」、読み返してたんで冊数はそんなにありません。

今月のベストブック

スロウハイツの神様辻村深月 (95点)

海の底 有川浩 (92点)

自分の好きな本、高得点をつける本の傾向が解ってきた気がします。

今月の評価外の本「世紀末大バザール」日向旦 「ハンニバル・ライジング(上・下)」T・ハリス これは単純に作品の売りが解らなかった! 特にハンニバルの方は期待してたのと違う方向すぎて、どうしていいのか解らず。すみません。

カテゴリ:ひと月のまとめ
*+*+*+*+*+*+*+*+*+

コメント大歓迎です。一言でもお気軽に。

読書ブログ裏話は→「乱読屋のつぶやき。」
日記ブログは→「果てしない大空と」

死神の精度 伊坂幸太郎

変なキャラクターと変な設定、それでいて底抜けに面白い、これが伊坂幸太郎氏のイメージ。この本もそのとおり。

死神の精度 死神の精度
価格:¥ 1,500(税込)
発売日:2005-06-28

主人公の千葉は、死神。7日間「死亡者候補」の生活を観察して、「可」の判定をしたらその人物は8日目に事故死する。病死や自殺は管轄外。観察のため地上に降りてきた千葉は、その時々で色々な人物に接触する。全6話、連作短編集。

何が変なキャラクターかっていうと、「シリーズを通して成長しない」。死神だから、人間の感覚とは違う。徹頭徹尾、違う。たとえば、「恋」という感情を知らない。そういう感情が人間に存在することは知っているが、自分にはない。

そして、「人が死ぬ」というのは、単なる仕事。「この人が死んだらかわいそう」とかはそもそも発想にない。「可」か「見送り」かの判定に来ているだけだから、候補者以外の人物を死なせたりとかもしない。

そんな死神が執着するのは「ミュージック」。CDショップの視聴コーナーには可能な限り入り浸る。

・・・変でしょ?

その変さ加減を利用して、「これならこうくるかなー」という予想の裏を書く展開がいい。うっかり感情移入すると、「それでも判定は『可』なんだ・・・」ってがっくりする、そのバランスがいい。

それでいてラストのラストではちょっとほろっとさせられるんです、悔しいことに。

(80点。読んでみて!)

カテゴリ:伊坂幸太郎
*+*+*+*+*+*+*+*+*+

コメント大歓迎です。一言でもお気軽に。

読書ブログ裏話は→「乱読屋のつぶやき。」
日記ブログは→「果てしない大空と」

県庁の星 桂望実

さほどTVを見ない私ですが、この本のドラマのイメージは強力にある。何故だろう?

県庁の星 県庁の星
価格:¥ 1,365(税込)
発売日:2005-09

県庁のエリート・野村聡は、人事交流研修で一年間スーパーに派遣されることに。教育係はパートの二宮泰子。役人根性全開の聡と、上司に辟易しながら仕事にしがみついている泰子では、話がかみ合わない。さて、聡は一年間無事につとまるのか?

まあ、ありていに言ってしまえばありがちな話ですよ。エリート意識バリバリの若手と、生活にくたびれかけているおばさんが、一緒の職場で働くことになって、お互い少しずつ変化して、つぶれそうな店を持ち直す。そして、それぞれの道に帰っていくが、それは出会うまでの道と同じではない。(あ! ネタバレだった? このくらい許して)

悪くはない。悪くはないんだけど、ちょっと強引。ちょっと文章が粗いのかな、いまいち感情移入が出来ない感じ。聡のバカ役人っぷりを浮き出すためには、もっと周り書いたほうがいいと思うし。聡が変わるきっかけも弱い感じがしたし。その後の展開も、あっさりしすぎてるし・・・。笑いをとりに行くんならもっとディティールこって欲しいし、そうじゃないならどこがポイントなのかわからない。

この手の話、荻原浩の大得意だよね、「メリーゴーランド」とか。ファン心理として、比べながら読んじゃってるのかなあ。比べたら分が悪いよね。

ストーリーはそれなりに楽しめましたが、文章を読む楽しみにはかけると思います。

(70点)

カテゴリ:か行・その他
*+*+*+*+*+*+*+*+*+

コメント大歓迎です。一言でもお気軽に。

読書ブログ裏話は→「乱読屋のつぶやき。」
日記ブログは→「果てしない大空と」

おいしいコーヒーの入れ方 村山由佳

シリーズ通して読んでから感想を書こうと思い、結果4ヶ月以上かかりました。最初の一冊は第三子出産後の病院で借りた本。・・・その子もいまや寝返りをするように。時がたつのは早いなあ。

おいしいコーヒーのいれ方 (1) キスまでの距離 (集英社文庫) おいしいコーヒーのいれ方 (1) キスまでの距離 (集英社文庫)
価格:¥ 400(税込)
発売日:1999-06-18

高校生活を一年残して父が転勤になったため、いとこの姉弟の住む家に下宿することになった勝利。顔もおぼろげなほど久しぶりに会った従姉かれんは、驚くほどきれいに変貌していた。一緒に暮らすうち、かれんへの恋心が芽生えてきた勝利。しかし、かれんには隠された秘密があって・・・。

10巻『夢のあとさき』まで読みましたが、実はまだ続いてます。でも、とりあえずここでストーリー的にもひと段落してるし、11巻は「セカンドシーズン・1」なんていう副題もついているんで、とりあえずいい事にします。

中高生向けに書かれたこともあってか、テーマは「純粋な愛」(か、書いてて恥ずかしい・・・)。かなり早い時期にかれんと勝利は両思いになるんですが、そこからがもどかしいくらい進まない。5歳の年の差、叔父や叔母への遠慮、自分に恋してくれる同級生への申し訳なさ、頑張っても届かない兄への反発と敬愛、並べてみれば原因は色々あるのだけど、それを真正面から乗り越えようとする不器用さがこの話の売り。「黙ってれば解らないって」とかじゃなく、「ちゃんとかれんの隣に立っておかしくない男になる」、これが勝利のテーマです。

まあ、かれんが今時ないくらい奥手なのも、いろいろ進まなくさせる原因だけれども。

これを私は一つの夢物語として読みましたけど、これを読んで「小説見直した」とかいう学生さんとかもいるようなので、評価は甘めにつけておきます。

(78点)

カテゴリ:ま行・その他
*+*+*+*+*+*+*+*+*+

コメント大歓迎です。一言でもお気軽に。

読書ブログ裏話は→「乱読屋のつぶやき。」
日記ブログは→「果てしない大空と」

透きとおった糸をのばして 草野たき

余談と蛇足だけじゃあんまりなんで、もう1冊。

透きとおった糸をのばして (講談社文庫) 透きとおった糸をのばして (講談社文庫)
価格:¥ 490(税込)
発売日:2006-06-15

恋の告白がらみで親友と行き違ってしまい、元に戻れるよう努力するもからまわってしまう中二の香緒。香緒の同居人の大学院生の知里を頼って、自分を振った恋人を追ってきたるう子がやってきた。懸命に恋人に連絡を取り、待ち伏せ、後をつけるるう子だが、香緒にも解るくらい逆効果な行動で・・・。

冒頭、女の子同士がいさかう場面で、「ああ、またいじめの話かな」と辟易しそうになった。そこまで浅い話ではなかったので、安心した。いじめる・いじめられるの二元的な話じゃない。それまでどれだけ仲がよくても、ちょっとした引っ掛かりで話をするのも嫌になってしまう中学生の潔癖さ。それで拒まれているのに相手の気持ちを理解できない中学生独特の鈍重さ、純粋さ。この道を通ってきた人は「うんうん」と頷けるだけのリアルさがある。

求められているのはちょっと大人の距離感なのだけど、香緒にはまだ難しかったようで、同じところを堂々巡りするだけだったのが、るう子の行動で次第にまわりに目を向けていく様子が、丹念に書かれている。

結局、「人の気持ちを思いやるって難しいねー」って話で、「押せ押せでいっても人の心は動かないことがあるよ」って話。

ちょっと最近、中学から高校生の話を読むとどろどろしたものが多すぎて、ダウンしかけていたのだけれど、この話はさわやかだった。ラストに希望が生まれてるのもいい。

この本を読んで共感した女の子たちは、もうちょっと大人になったら「唯川恵」とか好きになるんじゃないかな、と思いました。

(75点。点数が低めなのは勧めどころが難しいから)

カテゴリ:草野たき
*+*+*+*+*+*+*+*+*+

コメント大歓迎です。一言でもお気軽に。

読書ブログ裏話は→「乱読屋のつぶやき。」
日記ブログは→「果てしない大空と」

図書館危機 有川浩 続き

すいません、昨日の補足です。かいたときは「コレでよし」と思ってアップしたものの、読み返してみるとかき足りない感じがしてきたので。こんなこともめったにないのだけど・・・。トホホ。

今回の本の白眉は、「郁が成長した」ことです。『〜戦争』の頃の、まわり何も見えてない、ただ思い込みと憧れで入隊して、突っ走ってきた頃と比べると雲泥の差。守られている自分への自覚、転じて自分が守れるものへの自覚。守りきれないものについては、誰かに預けた方がよいという判断。憎まれ役を引き受けることのできる強さ。

これを無理なく描ける有川浩はやっぱりすごいと思うのです。作者自身も、成長したなあって。

そしてもう一人、未熟者といえば手塚なんですが、彼もどんどん成長してる。何もかも一番を狙ってた頃より、むしろ上官としては使いやすい部下になったんじゃないかな。半人前を実感したときから一人前、こんな言葉が似合います。

そして、彼らに備わったのは、「図書防衛隊」としての矜持。先輩から受け取る歴史と想い。

よっしゃきたー!!みたいな、変なテンションで読んでます。昨日も書きましたが、次巻で、うまく着地してくれるといいなあ。

蛇足ついでに。

LaLa (ララ) 2007年 10月号 [雑誌] LaLa (ララ) 2007年 10月号 [雑誌]
価格:¥ 400(税込)
発売日:2007-08-24

↑この! 見るからに少女漫画できらきらしている表紙の雑誌で、来月より「図書館戦争」漫画化されます。楽しみなような不安なような。願わくば、半端に忠実に描こうとして山をはずすより、削るところはばっさりいっちゃってもいいから単独の読み物として楽しめるようになってますように。

そして何より、ちゃんと切りのいいとこまで続けていただけますように。

カテゴリ:有川浩
*+*+*+*+*+*+*+*+*+

コメント大歓迎です。一言でもお気軽に。

読書ブログ裏話は→「乱読屋のつぶやき。」
日記ブログは→「果てしない大空と」

図書館危機 有川浩

というわけで早速の感想です。もちろんその日のうちに読破しましたとも! すらすら読めるリーダビリティの良さもこの作者の魅力のうち。

図書館危機 図書館危機
価格:¥ 1,680(税込)
発売日:2007-02

今までのあらすじは図書館戦争図書館内乱を読んでいただくとして。

図書館での猥褻行為が横行していることを知った、郁ら堂上班の面々は、犯人を捕まえるべくおとり捜査を仕掛けることになり・・・(第一章)、 入隊後初めての昇任試験に浮き足立つ郁を横目に、最も自分の適性とかけ離れた試験内容に愕然とする手塚だが・・・(第二章)、 若手俳優の生い立ちのインタビューを引き受けた折口だが、出版禁止用語の壁の前でもめることになり・・・(第三章)。

有川浩、やるなあ。

内容盛りだくさんに見えて、有機的に繋がってラストの山場に持っていくところはさすが。前作がこま切れに見えたのはひょっとして飛び道具度が低かったからか? 今回は一気に読めました。カミツレの花のエピソードなんかは、心に染みました。稲峰指令、かっこよすぎ。

しかし、やはり、有川浩の描く男性像は「女性が考えた」男性のような気がします。何故そうなるかな〜みたいな感じ。いっておくが、べたは大好きだ! けど、「あーこの辺ちょっと感情移入無理ー」とか思う場所が。

しかし、4部作になるらしいこのシリーズ、「転」の巻だけあって、盛りだくさんで迫力があって、今まで一番楽しめました。後はラスト1冊で上手く着地させてくれるのを祈るのみ。

おねがいします〜。

(86点。本当はあと5点上でもいいけど、引きが強かった分次を読んでからの判断ってことで)

カテゴリ:有川浩
*+*+*+*+*+*+*+*+*+

コメント大歓迎です。一言でもお気軽に。

読書ブログ裏話は→「乱読屋のつぶやき。」
日記ブログは→「果てしない大空と」

図書館で借りた本(8/25)

『図書館危機』有川浩 計1冊 

どうして読む本がいっぱいのときに予約の本が借りられるようになるんだろう。タイミング悪し。そしてその本を真っ先に読んじゃうんだろう。自制心の問題か。

カテゴリ:覚書
*+*+*+*+*+*+*+*+*+

コメント大歓迎です。一言でもお気軽に。

読書ブログ裏話は→「乱読屋のつぶやき。」
日記ブログは→「果てしない大空と」

不思議探検サウジアラビア 郡司みさお

学生の頃夢中になって読んだ漫画の作者が、

トルコで私も考えた (1) トルコで私も考えた (1)
価格:¥ 900(税込)
発売日:1996-12

こんな本を出してたのを発見したのが数年前。

で、中近東って、ぼんやりしたイメージはあるけど知識はないよな、と思っていたところ、結構いろんな解説本が出てることに気付きまして。

今回はその中でも知らない国、サウジアラビア。

不思議探検サウジアラビア―砂漠とコーランと王族2万人の国にようこそ 不思議探検サウジアラビア―砂漠とコーランと王族2万人の国にようこそ
価格:¥ 2,520(税込)
発売日:2006-12

イラストと、解説風のエッセイとで綴った一冊。本当はDVDもついていて、きれいな景色が満載らしいんですが、図書館本なのでそれはなし。でも、イラストだけでもゴージャス感が楽しめます。

イスラム教の戒律に厳しい国、サウジアラビア。宗教に無頓着な国に住んでいる私としては、ちょっとうらやましい気もします。

(点数はつけません、見かけたら眺めてみて欲しい)

カテゴリ:か行・その他
*+*+*+*+*+*+*+*+*+

コメント大歓迎です。一言でもお気軽に。

読書ブログ裏話は→「乱読屋のつぶやき。」
日記ブログは→「果てしない大空と」

西の魔女が死んだ 梨木香歩

文庫版が出てからだいぶ経つようですが、今回借りたのは一番最初の児童書の本。文字の間隔も装丁も、児童書らしいいい感じの一冊です。

西の魔女が死んだ (新潮文庫) 西の魔女が死んだ (新潮文庫)
価格:¥ 420(税込)
発売日:2001-07
しかし画像がなかったので↑文庫版で代用。

中学校へ入学したばかりのまいは、学校へ行く意欲を失っていた。しばらく祖母の家で療養をかねて生活することになる。この祖母、イギリス人で、自分のことを魔女と呼ぶ。まいは、魔女の修行をしながら、祖母から昔ながらの家事を教わることになるが・・・。

このおばあちゃんが秀逸。日本が大好きで、日本人と結婚して永住することにしたおばあちゃん。母国語ではないからか、きれいな日本語を使うおばあちゃん。一見無駄に見えるけど、生活する力をつけることが子供には一番大事だと思っている(であろう)おばあちゃん。すてき。

おばあちゃんとの生活は、今で言うところの「スローライフ」なんだろうけど、「スローライフ頑張ります!」っていうなんか矛盾しているものではなくて、力の抜けた、自分らしいリズムの取り方。いま、こういう生き方を貫ける人って、いないだろうと思う。

特に「これ!」といった一押しポイントがあるわけじゃないんだけど、淡々としてるのに優しくて、ゆったりした気分になれます。

(78点)

カテゴリ:梨木香歩
*+*+*+*+*+*+*+*+*+

コメント大歓迎です。一言でもお気軽に。

読書ブログ裏話は→「乱読屋のつぶやき。」
日記ブログは→「果てしない大空と」
| Top Page | Next