シリーズ6作目、油ののった作品。全5編の短編集。
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ちんぷんかん 価格:¥ 1,470(税込) 発売日:2007-06 |
火事の煙をすって昏倒した若だんなは、気付くと賽の河原にいた。現世に戻る算段をするが、河原の鬼たちが邪魔をして・・・。(『鬼と子鬼』より)
長編の後だからか、力の抜けた小編集。
兄の松之助に結婚話はでるは、幼なじみの栄吉は修行に精を出すは、若だんなの周りの人間がどんどん成長していくので少しずつ若だんなも影響を受けているような感じ。手代の二人がいまいち活躍してない(というか出番が少ない)のは、彼らは変化しようがないからかなあ。
印象としては、「次作へ向けて力を溜めている感じ」。
よくある「名探偵もの」とは違って、主人公が成長する以上、いつかはシリーズとして終わりが来るんだろうし、だとしたら着地地点を模索し始めたのかもしれない。なんか雰囲気が今までと変わってる。
次作に期待、です。
(75点。この本1冊では可もなく不可もなく)
昨日からいつも行っている読書ブログさんへの訪問を取りやめてます。だって、「女王国の城」の感想がアップしてたら悔しいんだもん! こんなことならやっぱりネット注文しとくべきだったか・・・。でも「本屋で買う」の、好きなんだよねえ。
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親不孝通りラプソディー 価格:¥ 1,785(税込) 発売日:2006-10-17 |
「親不孝通りディテクティブ」の主人公、テッキとキュータの過去編。舞台は1985年博多。
美人局に引っかかったキュータは、金を用意するために地元信金の裏金を奪う計画を立て、テッキに持ちかけるもテッキは拒否。そこで同じく金に困っていたキョウジと組んで襲撃する。それ自体は成功したものの、警察の動きがおかしい。一方テッキは親元を離れて新しく出来た恋人と一緒に生活をはじめるが、彼女には裏の事情がありそうで・・・。
アドバイス。気力と体力に余裕のあるときに読みましょう。
テッキとキュータ、警察、暴力団、政治家、盛りだくさんの人物が出てきて、それぞれの思惑で動くものだから、話が入り組んでます。「何でそうなるの?」と何度ページを戻ったか・・・。
ちょっと片手間に読むには解りにくい、でもしっかり腰をすえて読むとたまらなく面白い。キュータの真抜けっぷりとか、「高校生の頃からこうだったんだ・・・」と思えて楽しめます。
(70点。『ディテクティブ』から読んだ方がいいです、絶対)
とんでもなSF専門の作家さんだと思い込んでたら、「黄泉がえり」でちょっと違う? と気づき、それ以来じわりと読んでる作家さん。
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精霊探偵 価格:¥ 1,680(税込) 発売日:2005-09-29 |
事故で妻を失ってから、人の背後霊が見えるようになった主人公、新海。住居のマンションのオーナーであり、一階で喫茶店を経営している夫妻からの願いで、行方不明になっている主婦を探しに私立探偵の真似事をすることになる。ところがその主婦の失踪には、大きな裏があって・・・。
うん、SF作家さんです。SFとミステリは相性がいいってのを実感させてくれる作品。
特殊能力があるって設定の普通のミステリかと思いきや、きっちりSFに持っていってくれて、なおかつストーリーが解りにくくない。喫茶店のマスター夫妻にしても、途中で探偵助手として名乗りを上げる小夢ちゃんという小学生にしても、ありがち感はあるものの、描写に不足なし。
そんでもって、ラストに「背後霊が見える能力」についてのサプライズもあったりと至れり尽くせり。単純に面白かったです。
(74点。でも黄泉がえりには負けるかなー)
メンテがトラブったとかで、午前中はUPできませんでした。この時間に記事書いてるの久しぶり。
| チルドレン (講談社文庫 (い111-1)) 価格:¥ 620(税込) 発売日:2007-05-15 |
友人の陣内に付き合って閉店間際の銀行にやってきた鴨居は、銀行強盗の人質になってしまった! プラスチックのお面をかぶらされて、縛られているというのに、陣内が強盗犯を挑発。発砲した音を聞きつけてやってきた警察に、強盗犯は苛立ちはじめる。一緒に人質になっていた視覚障害者の長瀬は、その様子を見て「この犯人は多分・・・」と、鴨居に耳打ちをする。さて、結末は?(『バンク』より)
「短編集のふりをした長編小説です」って帯に書いてあります。まさにそんな感じ。
まあ結末を言ってしまえば無事に開放されるわけです。(顛末については書きませんが)
このとき知り合った長瀬との交流を基本にした短編と、その後十数年たって社会人になった陣内に振り回されっぱなしの後輩をメインにした短編とが交互に描かれてて、でも1冊読むと「ああ、こうつながってるんだ」って納得する感じ。ストーリーもさることながら、陣内のキャラクターで引っ張られる。屁理屈のときは猛烈に舌が回り、なおかつ手が早く、「俺ルール」最優先で、・・・かっこいい。伊坂氏お得意の作風です。
読みやすくてちょっと元気が出る、「伊坂氏の本は読んだことないんだけど・・・」って人向けの本かも。
(73点)
「はじめに」で前作について触れてあったのを見逃して借りてきて、理解できるかどきどきしながら読みました。
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クリスマスローズの殺人 (祥伝社文庫) 価格:¥ 580(税込) 発売日:2006-12 |
市立探偵のメグはVビレッジ出身の吸血鬼だが、許可を取ってVビレッジの外で暮らしている。年の瀬も押し迫って、友人から下請けで引き受けた仕事は、夫の出張中に妻が浮気していないか、というもの。家の外から監視を続けたメグだが、人の出入りはなかったのに中で殺人事件がおこって・・・。
心配は必要ありませんでした。「Vビレッジという吸血鬼の村があり、そこの出身の人は皆吸血鬼だということ」「吸血鬼にも能力差があること」この2点だけ了解してれば、楽しめます。
で、もちろん、こういう「設定に特殊なところ」があるミステリは、謎解き部分でもその特殊な部分をいかしてくれないと。「不可能犯罪」の部分、「この吸血鬼がこういう行動をとったから不可能に見えたんだよ」という部分があるのも嬉しい。
殺人事件ですが、明るい雰囲気です。こういうの、結構好き。
(75点。次はこの前の作品を読むぞ)
最近の文章を読み返してみて、「われながら偉そうだなあ」と思ってしまいました。変な力が入ってる感じ。よろしくないですねえ。
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青年のための読書クラブ 価格:¥ 1,470(税込) 発売日:2007-06 |
名門お嬢様学校のなか、ちょっとアウトローたちが集う「読書クラブ」。読書クラブの部員たちが記した学校内の事件の顛末、100年にわたる学校裏歴史。
またしても、駄目でした。
一つ一つの事件は面白い。お嬢様学校に対する想像(妄想?)を限界まで膨らませたらこんな感じになるんだろうな、と思った。
ただ、「赤朽葉〜」と同じ味わいなのが気になる。あれは完成された作品だと思うんで、似たような話なら、どうしても見劣りする。文章にけれんが多すぎて、途中から鼻についちゃったのもいまいち。女子高生が「巨大な乳房」なんて言葉遣いするか? そこが桜庭一樹っぽくていいのよ、という方には申し訳ないけど、私は駄目だ〜。
(70点)
ときどき、無性に「小説ではない」本を読みたくなる。なんとなく選んだ1冊だったんだけど・・・。
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車いすのリアル―私たちはそんなに気の毒じゃないし、かわいそうでもない 価格:¥ 1,470(税込) 発売日:2003-07 |
25歳の通勤途中で事故にあい、急遽「車椅子生活」に突入してしまった著者の、明るく前向きなエッセイ集。
この著者は、文章を書く習慣のある人ではないんだろうと思う。美しい文章ではないし、読みにくいところや意味の通りにくいところも若干ながらある。
しかし、これほど率直に自身の車椅子生活について語っている本はなかなかない。「事故後初めて車椅子を見たとき、『何、あのかっこ悪い乗り物』と思った。それにのらなきゃならないといわれて、呆然とした」と、書ける人間がどれほどいるだろうか。
障害はあるけれど、車椅子にのっているけれど、普通の人間。好ききらいの好みは変わってないし、おしゃれだってしたい、旅行だって行きたい。だから、自分の感じたことをいろんな人に知って欲しい、特別だと思わないで欲しい。そんな気持ちの詰まった本。
(点数はなしで。ただ、読んでよかったと思える本でした)
読むタイミング間違った本っていうのは実はこれ。この本読んで、「ひとがた流し」読むと、がっつり落ち込みます。
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負け犬の遠吠え (講談社文庫) 価格:¥ 600(税込) 発売日:2006-10-14 |
「負け犬」とは、未婚、子ナシ、三十代以上の女性のことをさします。そんな負け犬一直線の著者が、「こうなってしまった私たち」について、考察するエッセイ集。
この本話題になったのって、結構前だよね。なんで今まで読まなかったか。単純に、「図書館の小説の棚になかったから」です。資料区分・社会、分類・独身。棚的には「年金生活のススメ」みたいなところに並んでるんだもの、ノーチェックでした。
きっぱりいいますが、わたし、この本は「どこか別世界の話」として読みました。私の身近には、「結婚したいなあとは思ってるんだけど仕事も楽しいし、なんか気付いたら30代も半ばすぎてるわ〜」みたいな人、いないんです。もっといっちゃうと、女が懸命に働いても、どんどん出世させてくれる会社が、少ない。(いや私も出産退職組なんでえらそうなこといえませんが)「負け犬」のほとんどがやっぱり、都市部に住んでるんですよね・・・。
で、そういう突き放し方をして読むと、大変面白かったです。
「ああ、こういう考え方をしてる人がいるんだなあ」って感じの楽しさです。違う立場の人がよむと、違う感想だと思います。
(70点)
『ポーの話』いしいしんじ 『チルドレン』伊坂幸太郎 『親不孝通りラプソディー』北森鴻 『ママの狙撃銃』荻原浩 『車椅子のリアル』石川ミカ 『蒼路の旅人』上橋菜穂子 計6冊
いしいしんじさんの本が近所の図書館にないので、遠出してきました。ついでに色々興味のあった本を借りられたんで、しばらくは堪能します。
「このミス」大賞受賞作。気になりつつ、なかなか読めなかった本。
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チーム・バチスタの栄光 価格:¥ 1,680(税込) 発売日:2006-01 |
成功率6割の「バチスタ手術」を27件連続で成功させてきた、天才外科医・桐生。しかし、最近3例連続での術中死に不信感を抱き、院長へ調査を願う。選ばれたのは、不定愁訴外来担当医の田口。手術嫌いの田口は、押し切られる形で調査を開始する・・・。
「現役医師だからこそ描きうる医療現場」とか言う文字が帯に躍ってまして、正直、面白いって噂は聞くものの、あまり期待してなかった。職業作家じゃない人の文章って、いまいちなものが多いから。
でも、この本に関して言えば、そんな心配は要らなかった。もっと言うなら、「このミス大賞」侮ってた。すみません。
まず何より、主人公の造形がいい。「上昇志向のない医者」「限りなくヒマな科を自分から引き受けた医師」。
そして、後半出てくる白鳥という名の探偵役の、わけのわからなさっぷりもいい。自分が理解していることを、他人も理解していて当然だと思う傍若無人ぷり、なので用語の解説など全然しない、読者にとっては不親切極まりない探偵役。しかし理解してないのは田口も一緒なので、なんとなくこんな感じ? くらいで十分話についていける。
で、調査の内容が内容だけに、「関係者への聞き取り」に多くの部分がさかれるわけだけど、これが読んでて飽きない、退屈しない。質問を受ける側の人物がしっかりしてるから、かな。
謎解きについては多くはいわない。かなり、ぞっとした。病院って、いのちを預かるところなのにね・・・。
あえて難を言うなら、白鳥の外見。性格とあわせて、伊良部医師を連想させるのだけど・・・そんな余禄なしで、十分面白いのに。
(78点。続き予約しました)













