TOP 200711


11月の読書日記
今月読んだのは図書館本28冊、購入本5冊。
感想あげてない本をここに入れると来月混乱することがわかったんで、読んだけど書いてない本は来月回しに決めました。

今月のベストブック

僕のメジャースプーン」 辻村深月(90点) 

今月は数が少ないこともあって不調です。それぞれ面白かったんだけど、これという感じがしない・・・。「メジャースプーン」が読めただけでもよしとするか。

今月の番外 「世界で一番売れてる薬」難しい。上手く語れる自信なし。「ITと呼ばれた子 指南編」生き方に関する本は、同じ文化の人の本のほうがいいみたい。

カテゴリ:ひと月のまとめ
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「虚貌」 雫井脩介
最近気付いた。同じFC2なのに、カウンターとアクセス解析の値がずれてる。なんで〜???

虚貌〈上〉 (幻冬舎文庫)虚貌〈上〉 (幻冬舎文庫)
(2003/04)
雫井 脩介

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仕事中のアルバイトが見つかって、解雇された男三人。腹いせに、元雇用主の家に襲撃をかける。・・・二十年後。主犯に仕立て上げられた荒が出所した途端、襲撃犯の一人が襲われる。犯人の目的は? そして、次の事件がおきて・・・。

面白いかと問われれば、面白いと答える。上手い、とも言う。でも多分これは、一般受けする線からちょっとずれてる気がする。でも私の肌に合う本。
まずこの人間関係の込み入り様が面白い。
事件を追う刑事は癌におかされて、退職すべきか考えている。しかし、20年前の事件を追いきれなかった後悔から、現場に戻る事を決める。そして、その娘は芸能界の片隅にいるが、引退を考えている。その娘と交際しているカメラマンは、20年前の事件の見張り役といわれているが、そのことは隠されている。刑事とコンビを組む青年は、ストレスでカウンセラーに通っているが、このカウンセラーが実は・・・。
主人公は刑事なのだけど、作中に出てくる人々はどれも丹念に書き込まれていて、でも、みんな少しバランスが悪い。この不安定感が私は好き。でもうそくさいと感じる人もいるかもしれない。

真相を途中で察することが出来るあたり、ミステリとしては高得点ではないんだろうけど、それでも最後まで緊迫した雰囲気の中読ませるのはさすが。

(78点)

カテゴリ:さ行・その他
テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学
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「螺鈿迷宮」 海堂尊
待ちに待ってたバチスタシリーズ番外編。これ、読んだ順番、大正解でした。

螺鈿迷宮螺鈿迷宮
(2006/11/30)
海堂 尊

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留年を繰り返している医学生・天馬は、借金のかたに、桜島医院に表向きはボランティア、実際は調査員として潜入することに。桜島医院は、画期的な終末医療のシステムが確立した医院だが、最近雲行きが怪しくて・・・。

「バチスタ」は、読んでなくてもいけるかもしれない。読んでた方が面白いと思うけど。
なんとなく、私の感想としては「姑獲鳥の夏」と同じにおいを感じた。血族で運営されている病院、美人姉妹、死のにおい、隠されているがほころびかけている事実、そういうあたりから連想されるのかなあ・・・。
ミステリーというよりサスペンスな感じ。でも謎解きも面白かったけど。

(78点)

カテゴリ:海堂尊
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「モザイク」 田口ランディ
別会社で今月再版されてるらしいです。表紙未確認。ああ、最近本屋行ってないからわからないんだ・・・。

モザイク (幻冬舎文庫)モザイク (幻冬舎文庫)
(2003/04)
田口 ランディ

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ミミは、引きこもりなどの精神にいくばくかの問題を抱える人を、説得して病院に連れて行く仕事、「移送屋」をしている。ある日、移送途中の14歳の少年が失踪した。彼は「渋谷の底が抜ける」と書置きを残していたが・・・。

社会がおかしいのか、適応できない人がおかしいのか。そこここで目にする問い。それに対する、一つの答えがこの中にある。
すごく力のある本だと感じた。影響力のある、と言い換えてもいい。
世界の文法が変わってるのに、気付いてないのかい? って言われたみたい。
私はこの本、すごく突き放してると思った。わからない人には、きっとこの感覚はわからないよ、って。うん、共感も熱狂も出来ない。でも読む。これらの本を熱狂して読むのはどんな人だろう? って想像しながら。

(70点。ラストが明るくてよかった)

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カテゴリ:田口ランディ
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図書館で借りた本(11/27)
「からくりからくさ」梨木香歩  「海辺のカフカ(上・下)」村上春樹  「螺鈿迷宮」海堂尊  「モザイク」田口ランディ  「木洩れ日に泳ぐ魚」恩田陸  「虚貌」雫井脩介  計7冊

借りちゃった(汗)。感想あげる時間がないだけで、積読のほとんどは解消されてるんだけど。

カテゴリ:覚書
テーマ:図書館で借りた本 - ジャンル:本・雑誌
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「キッドナップ・ツアー」 角田光代
もとは児童書なんだよね? 普通の文庫ででてるんだ〜。

キッドナップ・ツアーキッドナップ・ツアー
(2003/06)
角田 光代

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夏休みの第一日目、私はお父さんにユウカイされた。お父さんはお母さんと何か交渉してるみたいだけど、私には内容を教えてくれない。今日はどこにむかうの・・・?


このお父さんがもうダメ。ダメ男。もう絶対、給料日までまだ一週間あるのに財布の中身は300円、ってタイプ。中身は子供なんだろうなあ。
対する主人公は、ごく普通の女の子。ちょっと達観してる部分もあるけど、自分の知らない世界があることを実感してない、幼さの残る少女。
正直言うと、最後の結末に物足りなさを感じる部分もある。大人の交渉部分が十分に語りつくされないところとかね。
でも、この本の読みどころは、女の子の視線。
「どんなにだらしなくてもお父さんが好き」。でも、面と向かってはいわない、いえない。もちろんお母さんも好きだから、お母さんの前でもいえない。
いわないから気持ちが存在しないってわけじゃない。

それでも、旅に終わりが来る。
ラストの場面は、さみしくて、いとおしい。


(75点)

カテゴリ:角田光代
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「残虐記」  桐野夏生
タイトルが怖くて読まずにいたんですが、読んでみたら痛いのは肉体ではありませんでした。

残虐記 (新潮文庫 き 21-5)残虐記 (新潮文庫 き 21-5)
(2007/07)
桐野 夏生

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女流作家が、手記を残して失踪した。そこには、10歳の頃、男に一年間監禁されたときのことが生々しく書かれていて・・。

まず、この構成が上手い。失踪した作家の夫が、残された手記を編集者に送る手紙からはじまる。その後すぐに、作中作という形式で、手記が始まる。
そして手記の内容が、適度にリアルで恐ろしい。食事のこと、排泄のこと、下品になる寸前で抑えられた描写。
10歳の少女を監禁、と聞くとどうしても性的暴力を考えてしまうのだけど、そういうことはなかった(少なくとも直接的には)と少女は語る。それでも彼女に与えられたのは、紛れもない暴力と屈辱。
そして、救出されてからも、彼女の苦悩は続く。世間の人たちの好奇心と下世話な想像力にさらされて、彼女は普通の女の子とは違う生き物に変わってゆく。
しかし。
これはあくまで、「作家の手記」。つまり、どこまでが本当で、どこからはそうじゃないのかは、読者の想像に任せられる。これ、考えながら読むと、怖さ倍増。

肉体よりも、精神がさらされる暴力の方が、痛い。

(70点。読む人を選ぶ話、だな・・・)

カテゴリ:桐野夏生
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「水の繭」 大島真寿美
久しぶりの大島真寿美さん。やわらかい、優しい作品。

水の繭 (角川文庫)水の繭 (角川文庫)
(2005/12)
大島 真寿美

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去年の夏、父が死んだ。今年も夏がやってくる。もう、家族はいないのだと思い知らされる夏。孤独感にさいなまれて、死体のような日々を送っていたとうこのもとに、いとこの瑠璃がやってきた・・・。


「人は、一人では生きていけない」なんて使い古された言葉ではあるけれど、まさにそのとおりな話。
広い家で、一人きりで、生活にも困ってなくて、これという打ち込むものもなくて、やらなきゃならないものもなくて・・・。それは、ぞっとするほどの孤独。
瑠璃という、ちょっとやんちゃな、成績はよくないけど頭のいい女の子がやってきて、とうこは息を吹き返す。そして出会う、喫茶店の主人夫婦たち。人との交流を通して、再生する少女の物語。
よくあるパターンの話ではあるのだけど、それを越えた部分がこの中には確かにあって、なんというのか・・・純粋な感じ、透明な感じ、しなやかな感じがする。それでいてきれいすぎない、「生きていく」感じがする。
上手くいえないのがもどかしい。
あらすじだけで読んだ気になるとちょっともったいないよ? って本です。

(73点)

カテゴリ:大島真寿美
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「コンセント」 田口ランディ
お友達の方が、「この作者が好きだ」といってるのを聞いて、とりあえず1冊読んで見るか〜と、手に取りました。何で今までスルーしてたんだったっけ? とか思いながら。

コンセント (幻冬舎文庫)コンセント (幻冬舎文庫)
(2001/12)
田口 ランディ

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ユキの、兄が死んだ。急いで郷里に帰ったユキを待っていたのは、現実を受け入れられない両親と、腐敗した兄の死体。兄の借りていたアパートで、死体の臭いをかいだユキは、それからというもの兄の幻覚を見、死の臭いを感じるようになる。兄の死の原因を探し始めるユキだったが・・・。

読んでて、思い出した。
「なんかよくわからなくて、エロい小説」って評判を聞いて、鵜呑みにしていたんだった。バカだった。

主人公は、生活しながら、兄の影を見る。何故死んだかわからない兄。健康で、アパートを借りて仕事を始める意欲がとりあえずあったはずなのに、急に何もかもを放棄しての餓死。緩慢な自殺。
その影はユキの心の中の何かが見せるものなのか?
精神科のカウンセラーなどの力を借りて、自分の心(と、兄の死について)を探るユキ。
はたして幻覚なのか、そうじゃないのか、霊は存在するのか、ユキが病んでいるのか、そういうもろもろをごった煮して話が進んでいき、ユキはある一点で「越える」。何をかはここに書かない。
面白いとかそういう表現じゃなくて、私に響いた。「わかる」と思った。思った自分に驚いた。田口氏の才能だな、これは。
微妙な作品だと思う。これ、わからない人にとっては本当になにがなにやらだろうな。
ただ、確かに官能的な場面(都合のいい表現だ)はたくさんある。だけど、そこを書きたくて書いたんじゃないんだろうな。文中に出てくる「セックスは、死に似ている」、これを実践したら必然的にそんな場面が出てきたんだろう。読めばわかるだろうに、一部分の表現だけあげつらう人は嫌いだ。おかげでこんな傑作今まで読み逃してたじゃないか。
(誰の感想を信じるかも、読書家としての腕の見せ所、なんだろうなあ)

(80点。ただし、成人向け)

カテゴリ:田口ランディ
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「タラ・ダンカン3」 ソフィ・オドゥワン=マミコニアン
この本、感想書こうとするとどうしても悪口の比率が高くなっちゃって・・・どうしてかな、ストーリーは嫌いじゃないんだけどな、と考え続けてたのでした。ようやく結論がでたよ。

タラ・ダンカン〈3〉魔法の王杖〈下〉タラ・ダンカン〈3〉魔法の王杖〈下〉
(2006/08)
ソフィー オドゥワン=マミコニアン

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オモワ帝国との虚構の戦争に敗れ、女帝の後継者として修行をすることになったタラ。しかし、別世界(オートルモンド)を攻撃しようとする悪魔たちの罠に絡めとられて・・・。


私がこの話で一番嫌いなのは、「引きが強すぎる」ところ。
ストーリーの流れの中で、効果的だと思われる、「この後どうなるの?」って場面で、「・・・続く」になる。で、いざ続巻を手にして、「どうなるのかな?」と期待したら、わずか数行で、「結果はこうです」って説明して終わり、ってことがあるのだ。
ねえ、ちょっと。盛り上がり楽しみにしてたんですけど。何故ここを書き込まない? 全体のバランス的に余分だから? じゃあ何でここで引いたの?
商業的思惑とかなんだろうか。なんか引っかかるんだよねー。

でも、そこで引っかかるってことは、裏返すとそれだけストーリー展開を楽しみにしている、ということなのです。
タラが今回背負うことになる大きな責任、そのタラを支える友人たちの手。友情を越えて恋心に変化しつつある気持ち。迫る何重もの罠。切り抜けたように見えても、さらに隠されている悪意。どきどきしながら、ページを繰る。
ほんの少し、大人の描き方に深みが足りない気もするけれど、ここは大目に見てもいいとこだろうなあ。

(70点。そしてやっぱり、続きも読むのです)

カテゴリ:ハ・マ行
テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学
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