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3月の読書日記(2008年)
とあることでばたばたしていて、今月は本を読んでいる時間が少なめでした。

今月読んだのは
図書館本23冊、購入本4冊、再読本3冊。

あれ? 冊数は結構読んでるなあ・・・。面白いミステリが読みたくて、でも新しい本だと面白いか自信がなくて、ぱらぱら再読してた感じも、する。

星今月のベストブック星

DIVE!」 森絵都(90点)
実を言うと、1月に買って以来、袋に入ったまま二ヶ月放置していた本でした。もったいないことしたなあ。

ゴールデンスランバー」 伊坂幸太郎(88点)
こういう、スピード感のある話が好きです。あれよあれよと引っ張られていくやつ。ラストに「ええ!」があれば最高なんですが、この本はちょっと期待してたのとは違う「びっくり」でした。

今月も面白い本に出合えてよかった。来月もよろしく!

カテゴリ:ひと月のまとめ
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図書館で借りた本(3/30)
「暗黒童話」 乙一
「ほうかご探偵隊」 倉知淳
「ラインの虜囚」 田中芳樹
「タンポポのお酒」 ブラッドベリ
「リ・セット」 魚住直子
「地上八階の海」 角田光代
「空の境界(上・下)」 奈須きのこ   計8冊

ミステリーランドから二冊。
しかし、「手元にまだ読んでいない本がない」という恐怖から逃れるために、たいして興味のない本を借りてしまうのは何とかした方がいいのではないかと考えてみたり。

カテゴリ:覚書
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「防風林」 永井するみ
面白くないものの中から「ここはよかったよ」と書くのは簡単なんだけど、それでいいのか。それとも「これは面白くなかったよ」と書いたほうがいいのか。しかし、「面白かった!」って本とは、文章に温度差があるのだけど、書いた本人しかわからないものなのか? という壁を感じている最近の私。

防風林 (講談社文庫)防風林 (講談社文庫)
(2005/11)
永井 するみ

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札幌を離れて十七年。母親の入院とリストラを機に、実家へ帰ってきた主人公・周治。昔、熱に浮かされた中での奇妙な記憶が、どうやら母の過去と関係しているらしいと知り、幼なじみと一緒に母の過去を探ることにするが・・・。

「気鋭の長編サスペンス!」らしいです。ああ、こういうのをサスペンスって言うのね・・・。

父より半年先に、母と引っ越してきた札幌。知り合いもいないはずなのに、毎日母を訪ねてきていた若い男性がいたらしい・・・。ちょうどその頃、周治は防風林の中で、ウサギを捕まえる落とし穴を掘っている時、見知らぬ男性に話しかけられたが、あれは母を訪ねてきた男性と関係があるのか・・・?

この謎(母の過去)を調べる主人公(といっても普通の商社マンなので、年賀状なんかを頼りに話を効きにいくくらいしか出来ないのだけど)に、母の病、東京に残してきた妻と娘、夫婦間の感性の違い、向かいにすみ幼なじみは昔男女の関係で・・・とかいう感じで色々絡みつつ話は進むんだけど・・・。

正直、突っ込み足りない、かな。
多分主人公の性格がそんな感じなんだけど。
エスカレーター式で結構難関の私立の学校に通っている娘がいるというのに、あっさり「札幌の実家に引っ越す」と決めてから妻に話す男性。家族は一緒に住むのが当たり前=妻も一緒に引っ越すものだと思っている。そもそも娘の教育については妻に任せっぱなし。妻がどういう思い入れがあるのか話し合おうともしてない・・・。
実に「こんな人、いるいる」な感じなんだけど、読んでて楽しいかといわれると別。

テレビの2時間ドラマ(主婦向け)っぽい感じ?
切り口を変えたらもう少しはらはらしそうな気もするけど、なんとなくぼんやり読み終わっちゃいました。

(70点)

カテゴリ:な行・その他
テーマ:今日の一冊 - ジャンル:本・雑誌
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「リオ」 今野敏
「期待と違う」作品だった時、作品の出来とは別の次元で「面白くなかったなー」って思うことありませんか?この本、そんな感じでした。

リオリオ
(1996/06)
今野 敏

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アパートの一室で、男が撲殺された。第一発見者が死体を発見した時、現場から立ち去った1人の少女、「リオ」。警察は彼女を重要参考人として捜査に当たるが、再度殺人が起こり・・・。

はい。
「警察小説」なんです。
主人公は、後方で情報を管理する役目の樋口という40歳の刑事。
田舎での「他人の目を気にする」生活が髄まで染み付いているせいか、どうしても自分に自信がなく、自己評価と他人の評価のギャップを受け入れかねている男性。
刑事らしくない性格の彼が、捜査が進むにつれ、容疑者とされている女の子「リオ」に思い入れるようになり、いつもとは違う行動に出て、結果事件は新しい展開を見せ・・・という感じ。
オーソドックスな、警察小説です。

で。
私がこの本どういうイメージしていたかというと、「追われる側の少女になんらかの事情があって、自分の身を守るために逃走してるんだろう・・・」というか、「きっとこの女の子も身の潔白を証明するために犯人を捜したりするんだろう」というか、そういう展開を期待してたのでした。
表紙がさー、いかにも訳ありっぽいじゃない?
そして私が想像したストーリーも、まあ、それほどとっぴな話じゃないじゃない?

んが。
警察小説、なのです。

「リオ」は家庭に問題のある少女として出てきますが、・・・普通の女の子です。
流されるように生きていて、ドラッグや売春援助交際にも抵抗はありません。
自分に嫌疑がかかってるとか、警察に捕まったら冤罪を仕立てられてしまうとか、そういう発想のない、普通の女の子、です。

樋口刑事の性格設定とか、周りの刑事の描写とか、悪くはなかったです。この主人公でもう一作書いたとしても頷けます。多分、及第点以上に面白いんだろうと思います。
なのにどうしても拍子抜けしちゃうのは・・・私の読み方に問題があるんだろうなあ、やっぱり。

(70点)

カテゴリ:か行・その他
テーマ:今日の一冊 - ジャンル:本・雑誌
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「ランボー・クラブ」 岸田るり子
この作家さんはお初・・・か? 最近、読んだかどうか解らなくなってしまった作家さんの多いこと。読み急ぎすぎか、老化現象か。(しかし、東京創元社さんの本に多いところをみると、広告とか見てるうちに読んだ気になっていってるのかもしれないです)

ランボー・クラブ (ミステリ・フロンティア 42)ランボー・クラブ (ミステリ・フロンティア 42)
(2007/12)
岸田 るり子

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フランス語など習ったこともない不登校中学生の僕が、なぜ、サイト“ランボー・クラブ”のトップページに掲げられたフランス語の詩を読めるのだろうか? 僕はいったい誰なのか? ある日、そのランボーの詩が書き換えられ、その詩が暗示する殺人事件が…。色覚障害の少年をめぐる事件の驚くべき真相。鮎川哲也賞受賞作家が贈る渾身の本格ミステリ。 (「BOOK」データベースより)


自分が何者かわからなくなってしまった色覚障害の少年の章と、失踪してしまった家族探しを依頼された私立探偵の章が交互に書かれていきます。
この、失踪してしまった家族というのは「多分この少年のことなんだろうなー」というのは割と早く見当がつくのですが、そこからが面白い。

ネット社会、少年にとっての現実、少年にとっての夢の中、それぞれが違う名前で絡まりあい、どれが真実でどれがそうではないのか、ぐらぐらしながら読むのが楽しい。
誰が善人で誰がそうではないのかも、読んでるうちにわからなくなるのが楽しい。

そして。
この作品中に「密室殺人」が出てくるのですが、それはあくまでちょっとしたネタフリ程度の位置づけ。トリックは使われているものの、これを解いただけで犯人が解るわけでもない。
この本のメインは人間関係の謎。
過去にあったらしい事件。過去を消してまで逃げる女。絡みあった愛憎。人間の欲。そういう、絡まりあったあれこれを、決して「名探偵がさてと言う」訳ではなく、「ああ!これはあれだ!」と読者に自分で気付いた気分にさせる描写の確かさは素晴らしい。

そして暗くなりがちな作品をすくってくれる私立探偵コンビ(トリオ?)の描写もいい。彼女たちがいなければこの話もっと陰鬱になってたはず。こういうバランス感覚の作家さんは大好きです。
楽しかったです。

(80点。・・・なんかべた褒めですね。だってミステリが好きなんだい!)

カテゴリ:か行・その他
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「ショート・トリップ」 森絵都
なんとも言えず、表紙の線に味のある本。この方のイラスト、好きです。

ショート・トリップショート・トリップ
(2000/06)
森 絵都

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どこまで行ける?  どこまでも行こう!  森絵都がおくる、「旅」をめぐる超短編集。
毎日中学生新聞に「Further sight 旅のかけら」として連載したものの中から40編を選び、加筆。(「MARC」データベースより)


旅がテーマ・・・と言われればそうなんだけど、それは「地球上のどこか」への旅ではなく、「どこにもないけどどこかにありそうな世界」への旅です。SF調。
3ページほどの短編がみっしり詰まってます。

この長さだと私は星新一を思い出すんだけど、ああいう切れ味はないです。作品としての良し悪しではなく、もう少し優しい視線の話がメインというか。爆笑する話はないけれどにやりとする話は多いというか、そんな感じです。

私が一番好きなのは「注文のいらないレストラン」。「注文の多い料理店」を連想させるタイトルですが、内容は全然逆。ほろりとします。

(71点)

カテゴリ:森絵都
テーマ:今日の一冊 - ジャンル:本・雑誌
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図書館で借りた本(3/27)
「防風林」 永井するみ
「ランボー・クラブ」 岸田るり子
「リオ」 今野敏
「ショート・トリップ」 森絵都  計4冊

前回女性の苦悩ものが主だったんで揺り戻しでミステリを。やっぱり私の根っこはミステリだよねえ、と実感。

カテゴリ:覚書
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「メビウスレター」 北森鴻
作家として幅があるのはいい事として、その幅の端のほうがどうしても趣味に会わない(でも大部分はストライク)な作家さんって、いるよねぇ。問題は、読んでみるまで新作がどっちなのかわからないことで・・・。

メビウス・レター (講談社文庫)メビウス・レター (講談社文庫)
(2001/02)
北森 鴻

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男子高校生が謎の焼身自殺を遂げた。数年後、作家・阿坂龍一郎宛てに事件の真相を追跡した手紙が、次々と送りつけられる。なぜ阿坂のもとに? そして差出人の正体は? 阿坂は人妻のストーカーに付け狙われ、担当編集者は何者かに殺害された。すべてがひっくり返る驚愕の結末とは!? 傑作長編ミステリー。 「BOOK」データベースより

再読本です。

今読めばこの本の仕掛けとかトリッキーな部分とか読み逃しちゃいけないポイントとか、いろいろ感じながら読めるんだけど、初読の時はもーさっぱり、でした。頭の構造が単純に出来てるんで。
と、いうくらい、入り組んだ内容です。

主人公は阿坂なのだけど、そして阿坂に送られてくる手紙は「脅迫状」らしいのだけど、手紙の内容は「死んでしまった君に、真相を探るボクからのメッセージ」です。
手紙の中に、「阿坂」の名前は出てきません。
この手紙の中の誰が阿坂なのか。阿坂は過去に何をしたのか。これが、第一の謎。

そして、作中の現在、阿坂の担当編集者が殺害され、容疑が阿坂にもかけられる。一体誰が、編集者を殺さねばならなかったのか。これが、第二の謎。

その他にも、「阿坂が持ち歩いている黒い箱とは何か」とか、「冒頭にピックアップされている地震関係の新聞記事はどう関係してくるのか」とか、「ストーカー体質の主婦は事件にどう関係してくるのか」とか、割り切れない謎が絡み合って進んでいきます。
ミステリ慣れしてる人はそれが楽しいんだって、という余裕があるけど、慣れてない人には非常に厳しい内容かと。

ただし、謎解きはきっちりしてくれてるんで、割り切れない感じではないです。
でもね、あまりに「不可解な部分」が多すぎて、なんかまだ一つぐらい解けてない謎が残ってるような、消化不良っぽい感じはしました。

(72点。薦めどころが難しい)

カテゴリ:北森鴻
テーマ:今日の一冊 - ジャンル:本・雑誌
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「モロッコ水晶の謎」 有栖川有栖
既読本なんですが、文庫が出たらしいのでこの機会に。

モロッコ水晶の謎 (講談社文庫 あ 58-14)モロッコ水晶の謎 (講談社文庫 あ 58-14)
(2008/03/14)
有栖川 有栖

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推理作家・有栖川有栖の眼前で起きた毒殺事件に、臨床犯罪学者・火村英生が超絶論理で挑む表題作ほか、クリスティの名作「ABC殺人事件」をモチーフに書かれた、連続挑戦予告殺人を追う「ABCキラー」、誘拐殺人の陰に潜む悲劇を描く「助教授の身代金」など、研ぎ澄まされた論理が光る有栖川本格全4編を収録。 (「BOOK」データベースより)


全4編というよりは、3編+掌編1作。短いのも業界内輪話みたいで面白いのですが、なんといってもこの本の白眉は表題作。

ホームパーティでおきた毒殺事件、毒は乾杯のコップから発見。毒を入れる機会は誰にでもあったが、被害者に間違いなくその飲み物を渡す方法がなかった、という王道の謎解き。
種明かしをされてみると、動機はありきたりなのだけど、被害者にそのコップを渡す方法というのが・・・「本格」だから許される、ぎりぎりの「そんなのありか」な感じ。あり、なんだろうなあ。「これはフェアじゃない」って言う人もいそうだけど、有栖川氏はこういうロジック好きだよねえ。

「助教授の身代金」もイントロから騙しの入る端正な作品だし、「ABCキラー」もパターンを踏んでいるのにしっかりひねってあるし、佳作ばかりです。

きっちり騙されて種明かしで「ああ!」というのが楽しいのです。大好き。

(88点)

カテゴリ:有栖川有栖
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「ルピナス探偵団の当惑」 津原泰水
最近、東京創元社、この手の「他のレーベルで出たけど本格の読者と違う層がターゲットのレーベルだったからそのまま消えてしまった」(主にライトノベルっぽい)本格の復刊、結構やってますね。

ルピナス探偵団の当惑 (創元推理文庫 M つ 4-1)ルピナス探偵団の当惑 (創元推理文庫 M つ 4-1)
(2007/06)
津原 泰水

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私立ルピナス学園高等部に通う吾魚彩子は、あるときうっかり密室の謎を解いたばかりに、刑事の姉から殺人事件の推理を強要される。なぜ殺人者は犯行後冷えたピザを食べたのか? その後も飄々たる博識の少年・祀島らと、青薔薇のある雪の館の密室殺人、死んだ大女優の右手消失事件に遭遇する。不合理な謎が論理的解明を経て、鮮烈な幕切れをもたらす本格ミステリ3編を収録。 (東京創元社書籍案内より)

この短編集の読みどころは「どうやって」ではない。「何故」の方。

何故、犯人は冷めきったピザを食べたのか。
何故、被害者の横にあるダイイングメッセージには振り仮名がふってあったのか。
何故、死亡した女優の右手は、持ち去られなければならなかったのか。

そして、探偵役も「皆を集めてさてといい」タイプではない。なんとなく、考えてたら、パズルが完成するように真相が見えてしまった・・・というタイプ。

これが、面白い。

主人公亜魚の、論理的にはこう考えるのが一番合理的・・・だけど証拠らしい証拠はない、という推理。それを補完する、祀島の推理。このバランスが、ちょうどいい。
そして、極悪非道の犯人が出てこないあたりも私の好み。謎解きの場面が追い詰める形にならないところもいい。

私が一番好きなのは「大女優の右手」。
やはり他の二作とは時間を経て書かれた分、完成度が高いのはもちろんとして、犯人の動機が切なくていい。

(80点。「大女優〜だけなら85点)


カテゴリ:た行・その他
テーマ:今日の一冊 - ジャンル:本・雑誌
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