2008-08-29 (Fri)
図書館に行くと目立つところに顔見世でずーっと置いてあって、気になる!と思いながらどうにもこうにも私向きじゃない気がしてた本。時々あります、そういうめぐり合わせ。
直球、ストレート。すっぱくって苦い、高校生の夏。
今からみるとネットの描き方なんかがちょっと古いんだけど、ああ、こういう時代もあったよね、と思いながら読む分には気になるほどではない。
主人公の植野の趣味らしい趣味といえば、映画を見に行くこと。そこの受付嬢が気になる高校生二人。べったべたの恋愛小説だったらかんべんしてーと思いながら読み進めたら、ネットで公開されてるあるうつ病患者の日記が出てきて、話はぐるっと方向転換した。
うまくいかない恋、続けられないお金のかかる趣味、家庭内の問題、心の病と重くなる題材をさらっと軽く書いていて、でもところどころ深く、読後感はさわやか。
しかし、どうにも「偶然」ネット日記を発見したら知り合いだったって・・・。小説としてはありだけど、ちょっとリアリティは薄い気も。
悪くない、むしろ面白いと思うけど、じゃあ3ヵ月後このストーリーを説明しろといわれたら、どのくらい残ってるかは疑問。
(75点)
![]() | プリズムの夏 (集英社文庫) (2005/07/20) 関口 尚 商品詳細を見る |
海辺の町。高校生のぼく・植野と親友の話題は、寂れた映画館の美しく無愛想な受付嬢・松下菜那のことだった。憧れと現実、情熱と挫折、そして…。瑞々しい季節を描く、第15回小説すばる新人賞受賞作。 (amazon・出版社/著者からの内容紹介 より)
直球、ストレート。すっぱくって苦い、高校生の夏。
今からみるとネットの描き方なんかがちょっと古いんだけど、ああ、こういう時代もあったよね、と思いながら読む分には気になるほどではない。
主人公の植野の趣味らしい趣味といえば、映画を見に行くこと。そこの受付嬢が気になる高校生二人。べったべたの恋愛小説だったらかんべんしてーと思いながら読み進めたら、ネットで公開されてるあるうつ病患者の日記が出てきて、話はぐるっと方向転換した。
うまくいかない恋、続けられないお金のかかる趣味、家庭内の問題、心の病と重くなる題材をさらっと軽く書いていて、でもところどころ深く、読後感はさわやか。
しかし、どうにも「偶然」ネット日記を発見したら知り合いだったって・・・。小説としてはありだけど、ちょっとリアリティは薄い気も。
悪くない、むしろ面白いと思うけど、じゃあ3ヵ月後このストーリーを説明しろといわれたら、どのくらい残ってるかは疑問。
(75点)
2008-08-28 (Thu)
ふっと息抜きにアンソロジーを読む。小難しくない、恋愛小説がベスト。
今をときめくって言うけどまさにそのとおりで、高名な作家さんばかりが集まった贅沢なアンソロジー。
一番好きなのは井上荒野「帰れない猫」。離婚前夜の夫婦の話なのだけど、淡々として明るい、きれいな小説。
藤野千夜の「ビルの中」もよかった。最初は「変なやつ」と思ってたはずの出会いが、だんだん恋に変わっていく話。あっさり目の展開がちょうどいい。
というか、今回私、あんまり濃い話は読みたくなかったみたい。そういうタイミングなのでしょう。別な日に読んでたら評価変わったかも。
(74点。可もなく不可もなく)
![]() | ナナイロノコイ (ハルキ文庫) (2006/05) 江國 香織 井上 荒野 商品詳細を見る |
愛をおしえてください。恋の予感、別れの兆し、はじめての朝、最後の夜…。恋愛にセオリーはなく、お手本もない。だから恋に落ちるたびにとまどい悩み、ときに大きな痛手を負うけれど、またいつか私たちは新しい恋に向かっていく―。この魅力的で不思議な魔法を、いまをときめく七人の作家がドラマティックに贅沢に描いた大好評恋愛小説アンソロジー。 (「BOOK」データベースより)
今をときめくって言うけどまさにそのとおりで、高名な作家さんばかりが集まった贅沢なアンソロジー。
一番好きなのは井上荒野「帰れない猫」。離婚前夜の夫婦の話なのだけど、淡々として明るい、きれいな小説。
藤野千夜の「ビルの中」もよかった。最初は「変なやつ」と思ってたはずの出会いが、だんだん恋に変わっていく話。あっさり目の展開がちょうどいい。
というか、今回私、あんまり濃い話は読みたくなかったみたい。そういうタイミングなのでしょう。別な日に読んでたら評価変わったかも。
(74点。可もなく不可もなく)
2008-08-27 (Wed)
「ハウルの動く城」の原作者さん。日本ではちょっとマイナー気味ですが、面白い話書くんだよ?
今回はファンタジーというよりちょっとSF寄りかな?
パラレルワールド的な多元宇宙、魔法に肯定的な正の世界と否定的な負の世界。
その中心部にあるコリフォニック帝国で皇帝とその周囲の人たちが爆破され、跡継ぎが誰かさえもわからなくなってしまい、主人公のルパートはその手伝いをしなくてはいけない。
一方、恩師の魔法管理官が死亡してしまい、代わりの魔法管理官候補も探さなくてはいけない。
この、二つの探索が絡まりあって、ルパートの周囲はてんやわんや。
しかも、管理官候補を探す会場に「SF大会」のホテルなんかを選んでしまったものだから、混乱は手をつけられなくなっていって。(この会場の描写がまた実にすばらしい壊れっぷり)
いや、ドミノ倒しのように次々にいろんなことが起こってて、息つく間もない展開って言うのはまさにこのこと。どこが本筋でどこがわき道かわからなくなるくらい、いろんなことが並行的に起こる。
管理官候補者たちもみんな壊れてて(いい意味で)あきさせない。最初はいけ好かないやつだと思ってた登場人物が、だんだんかわいらしく愛着がもててくるのもいい。
そしてこれだけしっちゃかめっちゃかにいろんなことが起きてるのに、ラストは全部収まるところに収まるすっきり感。
ストーリーテラーってのはまさにこのこと。
一気読みでした。
この話の後日譚がまったく別な形であるらしいんですが。
そっちも探してみようかな。
(86点)
![]() | バビロンまでは何マイル (上) (創元ブックランド) (2006/03/22) ダイアナ・ウィン・ジョーンズ 商品詳細を見る |
魔法管理官ルパート・ヴェナブルズは、内心うめき声をあげた。旧ユーゴと北アイルランドの平和に奔走して帰ったばかりだというのに、今度は担当世界のひとつコリフォニック帝国の非公開の法廷への立ち会いだ。いやなことは重なるもので、家に戻ったとたん、マジドの師スタンが死にかけているという知らせが…。てんやわんやのコリフォニック帝国と、地球での新人マジド選び、ふたつの世界での難題を同時に抱え込んだルパートの運命やいかに? (「BOOK」データベースより)
今回はファンタジーというよりちょっとSF寄りかな?
パラレルワールド的な多元宇宙、魔法に肯定的な正の世界と否定的な負の世界。
その中心部にあるコリフォニック帝国で皇帝とその周囲の人たちが爆破され、跡継ぎが誰かさえもわからなくなってしまい、主人公のルパートはその手伝いをしなくてはいけない。
一方、恩師の魔法管理官が死亡してしまい、代わりの魔法管理官候補も探さなくてはいけない。
この、二つの探索が絡まりあって、ルパートの周囲はてんやわんや。
しかも、管理官候補を探す会場に「SF大会」のホテルなんかを選んでしまったものだから、混乱は手をつけられなくなっていって。(この会場の描写がまた実にすばらしい壊れっぷり)
いや、ドミノ倒しのように次々にいろんなことが起こってて、息つく間もない展開って言うのはまさにこのこと。どこが本筋でどこがわき道かわからなくなるくらい、いろんなことが並行的に起こる。
管理官候補者たちもみんな壊れてて(いい意味で)あきさせない。最初はいけ好かないやつだと思ってた登場人物が、だんだんかわいらしく愛着がもててくるのもいい。
そしてこれだけしっちゃかめっちゃかにいろんなことが起きてるのに、ラストは全部収まるところに収まるすっきり感。
ストーリーテラーってのはまさにこのこと。
一気読みでした。
この話の後日譚がまったく別な形であるらしいんですが。
そっちも探してみようかな。
(86点)
2008-08-26 (Tue)
![]() | 盗作 (2003/06/13) 伊藤 たかみ 商品詳細を見る |
自殺した親友が残したフロッピーと彼の名を使って僕は作家になった。ある日突然何も書けなくなった僕は、彼が生きているのかと疑い、死の真相を追い始める。生と死のパラレルワールドを潜りぬけて神を殺す小説家の物語。(「MARC」データベースより)
友人の名前をペンネームにしてしまったから、二人の運命が交錯してしまったんだ。そんな思い込みのような感じで、その友人の死の真相を探り始める主人公。もう、この段階で、「どれが現実なんだ?」って気持ちがしてきます。
彼らの運命のターニングポイントで常に現れる幻のような女性の正体は? なぜ彼女はいつも変わらない姿で現れるのか? 彼女は本当に実在するのか? これもストーリーを通して何回も現れる謎の一つ。
で、感想なんですが・・・。
すいません、よくわかりませんでした。
読んでる最中はわかってる気がしてたんだけど、感想かいてみようと思うとすり抜けていってしまいました。
どれが現実かつかめない、ふわふわした感じ。
夢にしては残酷で、パラレルワールドというには揺らぎがあって・・・。
しっかり、じっくり、読み込んだら面白いのかも。思わせぶりなことばもいろいろあるんで、深読みしつつ進むのが正しい読み方なのかな。
私はそこまでの魅力を感じられませんでした。
(70点)
2008-08-25 (Mon)
最近、ちょっとこの人の書きたいものと私の読みたいものがずれてきてる気がして、「新刊? 読む!」って勢いがなかったんですが、この本はどんぴしゃ。
これは最初に書いておこう、この話はミステリではありません。
誰かの陰謀が彼を死に追いやったとか、自殺に見せかけた殺人だとか、そういう話ではない。
しかし、それでも25歳というまだまだ若い青年が死を選んだわけだから、周りの人間は彼の生前を振り返って、いろいろ考え込むわけです。
あの時、ああ言わなければ。
あの時、もう少し親身になってやれば。
あの時、彼のサインに、気づいてやってれば。
それは、仲間だと思っていたなら当たり前で、まさに「悼む」というにふさわしい行動。
ただそれだけの話なのだけど、この思いは切実で、リアルにぐっと胸に来る。
生きてるってすごいことなんだ、と思わせてくれる。
これは、多分、何度も読み返すたびに、感じるところが変わる本。
(88点)
![]() | 21twenty one (2008/06) 小路 幸也 商品詳細を見る |
21世紀に、21歳になる、21人。中学生になった日にそういわれ、それ以来十年、強い絆で結びついてきた21人。ところが、21人の中の一人、晶が自殺してしまった。それも思い出の教室で。彼は、なぜ、死を選んだのだろうか・・・。
これは最初に書いておこう、この話はミステリではありません。
誰かの陰謀が彼を死に追いやったとか、自殺に見せかけた殺人だとか、そういう話ではない。
しかし、それでも25歳というまだまだ若い青年が死を選んだわけだから、周りの人間は彼の生前を振り返って、いろいろ考え込むわけです。
あの時、ああ言わなければ。
あの時、もう少し親身になってやれば。
あの時、彼のサインに、気づいてやってれば。
それは、仲間だと思っていたなら当たり前で、まさに「悼む」というにふさわしい行動。
ただそれだけの話なのだけど、この思いは切実で、リアルにぐっと胸に来る。
生きてるってすごいことなんだ、と思わせてくれる。
これは、多分、何度も読み返すたびに、感じるところが変わる本。
(88点)
2008-08-22 (Fri)
この人の名前はいったいどこで知ったんだろう。ほわっとした表紙が気になって、読んでみました。
ちょっと説明が足りなくて、最初はてっきり不倫の話なのかと思った。毎日家にやってきて、一緒に夕食を食べて、帰っていく人。彼の帰っていく先には、家族がいるのだと思った。中盤くらいまで読み進んでようやく、家族はいないことに気づく。(しかし彼の抱えているのは、もっと大きな存在かもしれない)
母親の再婚や友人のうまくいってない恋の話なんかも交えつつ、でも淡々と話は進む。
文章なんだと思う。どこか現実離れした、涼やかさ。
調べてみたら児童書出身なのね。だからこれだけ生臭さがないのか。
さらっと読み流してしまいそうな感じの本でした。
(72点)
![]() | パスカルの恋 (2003/08/06) 駒井 れん 商品詳細を見る |
休職中の「私」は、「藤沢さん」を待つための毎日を送っている。毎日、いろんなにおいを連れてやってくる藤沢さん。切ない、透明な恋の話。
ちょっと説明が足りなくて、最初はてっきり不倫の話なのかと思った。毎日家にやってきて、一緒に夕食を食べて、帰っていく人。彼の帰っていく先には、家族がいるのだと思った。中盤くらいまで読み進んでようやく、家族はいないことに気づく。(しかし彼の抱えているのは、もっと大きな存在かもしれない)
母親の再婚や友人のうまくいってない恋の話なんかも交えつつ、でも淡々と話は進む。
文章なんだと思う。どこか現実離れした、涼やかさ。
調べてみたら児童書出身なのね。だからこれだけ生臭さがないのか。
さらっと読み流してしまいそうな感じの本でした。
(72点)
2008-08-21 (Thu)
雑誌掲載のほうは読んでたんだけど、いまいちピンとこなかった。まとめて読んだら何か違うかな? と試してみたんですが。
これがまた、びっくりするくらいよかった!
雑誌と比べたわけじゃないんで、どのくらい加筆してるのか確かめていないんだけど、大まかなストーリーは変わってない。でも、なんか違うのですよ。
第一話冒頭で、主要人物の一人がいきなり死亡して、しかも彼女の生前の不思議な行動の謎を解く、ストーリーとしてはオーソドックスながらシリーズものとしてはありえない展開。そこから徐々に話がさかのぼって、ああ、こういう仕掛けなのね、と思いながら読んでたら。
最後の話、第4話、時系列的には最初の話、そのラストシーンから巻頭の話にぐぐっと引っ張られて。
ただでさえ、「卒業」という泣かせる場面なのに、ああ、こうつながってるのか、ちゃんとつながって生きているのか、と思うともう、ほろりとしたよ。
それぞれの話をただミステリとして読むと「まあまあ」程度なのだけど、その合間に見え隠れする死んでしまった彼女と、その友人たちの心のありようが実に・・・じつにこう、胸をつく感じなのです。
終わりが見えてるからこそ、描ける物語はあるのだと。
(85点! 満喫)
![]() | ルピナス探偵団の憂愁 (創元クライム・クラブ) (2007/12) 津原 泰水 商品詳細を見る |
高校時代「ルピナス探偵団」として様々な事件に遭遇してきた少女3人と少年1人。卒業後、それぞれの道を歩んでいた4人のうち、1人が不治の病で世を去った。久々に顔を合わせた3人に残されたのは、彼女が死を前にして百合の樹の林に造らせた、奇妙な小路の謎だった――。第1話「百合の木陰」から時を遡り、高校卒業式を目前に殺人が起きたルピナス学園で、彼らが授かった“祝福”を描く第4話「慈悲の花園」までを辿る。津原泰水だからこそ書き得た、少年少女たちの「探偵」物語。 (東京創元社書籍案内より)
これがまた、びっくりするくらいよかった!
雑誌と比べたわけじゃないんで、どのくらい加筆してるのか確かめていないんだけど、大まかなストーリーは変わってない。でも、なんか違うのですよ。
第一話冒頭で、主要人物の一人がいきなり死亡して、しかも彼女の生前の不思議な行動の謎を解く、ストーリーとしてはオーソドックスながらシリーズものとしてはありえない展開。そこから徐々に話がさかのぼって、ああ、こういう仕掛けなのね、と思いながら読んでたら。
最後の話、第4話、時系列的には最初の話、そのラストシーンから巻頭の話にぐぐっと引っ張られて。
ただでさえ、「卒業」という泣かせる場面なのに、ああ、こうつながってるのか、ちゃんとつながって生きているのか、と思うともう、ほろりとしたよ。
それぞれの話をただミステリとして読むと「まあまあ」程度なのだけど、その合間に見え隠れする死んでしまった彼女と、その友人たちの心のありようが実に・・・じつにこう、胸をつく感じなのです。
終わりが見えてるからこそ、描ける物語はあるのだと。
(85点! 満喫)
2008-08-20 (Wed)
ちょっと今までと違うタイトルだな? と思ったら「白いウサギが逃げる」の出版社か。なるほど、ちょっとカラーが違うのね?
ああ、准教授になってしまわれた(涙)。
という、ストーリーとは関係ないところでショックを受けた私。断然、「助教授」のほうが響きとして好きだ。そのうち慣れるんだろうけど。
有名なホラー「猿の手」がモチーフ。3つの願いを聞いてもらえる代わりに、悪いことが起こるというあれ。
前半があらすじに書いた事件。後半は、使用されていない離れの中、施錠されたドアの中で射殺された死体が発見された事件。共通の登場人物がいるけれど、味わいとしては長編というよりは中編2本。
この話の売りは、「火村准教授の過去」。今までもちらちら見えてたけど、この話が一番大きなモチーフとして書かれている。
知りたいけど、明らかにされたらシリーズ自体が終了しそうで困った。
後半のトリックは、それほど深読みしなくても解けました。前半も、それほど難易度は高くないです。
(期待してたけど微妙な出来。78点)
![]() | 妃は船を沈める (2008/07/18) 有栖川有栖 商品詳細を見る |
港から、海へダイブした車。中から死体が見つかった。それだけなら、事故か自殺だが、死体から睡眠薬が検出されたので事件の目が出てきた。さらに、死亡した彼には高額な保険金がかけられていた。火村准教授と、作家アリスに捜査協力の声がかかり・・・。
ああ、准教授になってしまわれた(涙)。
という、ストーリーとは関係ないところでショックを受けた私。断然、「助教授」のほうが響きとして好きだ。そのうち慣れるんだろうけど。
有名なホラー「猿の手」がモチーフ。3つの願いを聞いてもらえる代わりに、悪いことが起こるというあれ。
前半があらすじに書いた事件。後半は、使用されていない離れの中、施錠されたドアの中で射殺された死体が発見された事件。共通の登場人物がいるけれど、味わいとしては長編というよりは中編2本。
この話の売りは、「火村准教授の過去」。今までもちらちら見えてたけど、この話が一番大きなモチーフとして書かれている。
知りたいけど、明らかにされたらシリーズ自体が終了しそうで困った。
後半のトリックは、それほど深読みしなくても解けました。前半も、それほど難易度は高くないです。
(期待してたけど微妙な出来。78点)
2008-08-19 (Tue)
森絵都氏の本は久しぶり。なかなか児童書の棚を覗きにいけないのが原因。
私が一番好きなのは、「子供は眠る」。
いとこの男の子たちが集まっておくる夏休みの共同生活。楽しそう、と思ったけど、そこにも人間関係のバランス感が求められていて。人間は生まれながらにして平等ではないし、それを乗り越える力も子供たちは手に入れなくてはいけなくて。
章くんの、特別意識と、「それじゃいけない」って気持ちのせめぎあい、はっきりとかかれてないところがまた切なかった。
小粒ですが、いい作品です。大人が読んでも切ないぞー。
(78点)
![]() | アーモンド入りチョコレートのワルツ (角川文庫) (2005/06/25) 森 絵都 商品詳細を見る |
ピアノ教室に突然現れた奇妙なフランス人のおじさんをめぐる表題作の他、少年たちだけで過ごす海辺の別荘でのひと夏を封じ込めた「子供は眠る」、行事を抜け出して潜り込んだ旧校舎で偶然出会った不眠症の少年と虚言癖のある少女との淡い恋を綴った「彼女のアリア」。シューマン、バッハ、そしてサティ。誰もが胸の奥に隠しもつ、やさしい心をきゅんとさせる三つの物語を、ピアノの調べに乗せておくるとっておきの短編集。
(「BOOK」データベースより)
私が一番好きなのは、「子供は眠る」。
いとこの男の子たちが集まっておくる夏休みの共同生活。楽しそう、と思ったけど、そこにも人間関係のバランス感が求められていて。人間は生まれながらにして平等ではないし、それを乗り越える力も子供たちは手に入れなくてはいけなくて。
章くんの、特別意識と、「それじゃいけない」って気持ちのせめぎあい、はっきりとかかれてないところがまた切なかった。
小粒ですが、いい作品です。大人が読んでも切ないぞー。
(78点)
2008-08-18 (Mon)
面白くない、わけがない。
三分冊で、結構ボリュームはあるのに、それを感じさせない軽妙な語り口がたまらない本。
メインの種目は「400メートルリレー」。100メートルずつ、4人の選手でバトンをつなぐ競技。
個々人の素質はもちろんだけど、バトンをつなぐタイミングなど、「チーム」としてのまとまりも要求される、難しい競技。
新二は、陸上でも「天才」と呼ばれるほどの才能は、ない。
あがり症だし、周りは見えてないし、自分の才能がどの程度なのかを見際める目も、最初はない。
それでも、天性の関節の丈夫さや練習をする才能などには恵まれていて、どんどん走る楽しさに目覚め、タイムも縮めていく。
そしてよかったのが、主人公だけの話に終わらないところ。
「俺が走るよりあいつが走った方が、次はともかくその次の大会で勝てる確率が高くなる」といって自らメンバーを降りる決意をするチームメイト。
チーム内でも際立って遅いのに、もくもくと練習に励み、「少しずつでも早くなってるのがうれしい」といって笑う女生徒。
0.1秒の差で上の大会に進めない、悲しみとあきらめ。
3年、部活を続けることによって、そういったいろいろな人たちの思いを背負っていることを自覚し、「次へつなぐ」ために走る主人公たち。
才能のあるなしが数字で現れる、シビアな競技。それでも、「一緒に汗を流した」時間は尊く、走る仲間たちに声援を送りたくなる。
ちゃんと、この物語のどこも無駄にならずに、最終巻の山場へとつながっていく。ただ、走る。少しでも早くなるために。
どう言葉を尽くしても、この本の面白さは言い尽くせないと思う。
ぜひぜひ読んでみて。面白いから。
(95点)
![]() | 一瞬の風になれ(全3巻セット) (2007/06) 佐藤 多佳子 商品詳細を見る |
主人公の新二は、天才的なサッカープレイヤーの兄の背を追いかけ、サッカーをやってきたが、「自分にサッカーの素質はない」と見極める能力には恵まれていた。高校入学に当たって、選んだのは近所の公立高校。同じ高校に通うことになった、幼馴染の天才スプリンターとともに、陸上部に入る。目標はただ、速くなること・・・。
三分冊で、結構ボリュームはあるのに、それを感じさせない軽妙な語り口がたまらない本。
メインの種目は「400メートルリレー」。100メートルずつ、4人の選手でバトンをつなぐ競技。
個々人の素質はもちろんだけど、バトンをつなぐタイミングなど、「チーム」としてのまとまりも要求される、難しい競技。
新二は、陸上でも「天才」と呼ばれるほどの才能は、ない。
あがり症だし、周りは見えてないし、自分の才能がどの程度なのかを見際める目も、最初はない。
それでも、天性の関節の丈夫さや練習をする才能などには恵まれていて、どんどん走る楽しさに目覚め、タイムも縮めていく。
そしてよかったのが、主人公だけの話に終わらないところ。
「俺が走るよりあいつが走った方が、次はともかくその次の大会で勝てる確率が高くなる」といって自らメンバーを降りる決意をするチームメイト。
チーム内でも際立って遅いのに、もくもくと練習に励み、「少しずつでも早くなってるのがうれしい」といって笑う女生徒。
0.1秒の差で上の大会に進めない、悲しみとあきらめ。
3年、部活を続けることによって、そういったいろいろな人たちの思いを背負っていることを自覚し、「次へつなぐ」ために走る主人公たち。
才能のあるなしが数字で現れる、シビアな競技。それでも、「一緒に汗を流した」時間は尊く、走る仲間たちに声援を送りたくなる。
ちゃんと、この物語のどこも無駄にならずに、最終巻の山場へとつながっていく。ただ、走る。少しでも早くなるために。
どう言葉を尽くしても、この本の面白さは言い尽くせないと思う。
ぜひぜひ読んでみて。面白いから。
(95点)














