乱読にもほどがあるッ!
趣味? 読書です。毎日欠かさず本を読む、グータラ主婦の読書記録。
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。



ランキング参加してます。 にほんブログ村 本ブログへ 人気blogランキングへ
この作家さんには苦手意識があります。が、豊崎由美氏が絶賛していたので、それなら、と読んでみました。

giftgift
(2004/10)
古川 日出男

商品詳細を見る


神さまの手から零れ落ちた、19の小さな奇蹟。
妖精の足跡、神聖なる生春巻、無人島で幻の音楽を聞き続ける男--強靱かつ豊かなイマジネーションで世界を19の物語に結晶。(amazon・出版社 / 著者からの内容紹介より)


予想よりするっと読めてまずびっくり。

一編一編は10ページくらいの掌編なのだけど、どれもがイメージにあふれていて、そしてちょっと不可解。でもすっきり読める。
見た夢を印象どおりに書き起こしたら(それもすごくうまい文章の書き手が)こういう感じなんじゃないかな、と思いました。

私はなぜか「アルパカ計画」が好き。
アルパカが中で繁殖できるように作られたコンテナ様のもの、それは全世界に輸出が計画され、日本でも受け入れが開始されようとしたまさにそのとき、・・・ここがこの話最大のツボ。ネタばれしちゃうと面白くないので割愛。
どうしようもない作品なのに、「好きだ」と思ったのは最後の一行があったから。もうね、すごくツボでした。

この作品群を書いた人が「アラビアの夜の種族」や「サウンドトラック」を書いたんですよね。
ちょっと意外。

(80点)
スポンサーサイト



ランキング参加してます。 にほんブログ村 本ブログへ 人気blogランキングへ

テーマ:感想 - ジャンル:本・雑誌

e-hon(本の宅配サービス)のメルマガを受け取るようにしているのですが、そこで紹介されていた本。立ち読みもして、どうしてもほしくなって買っちゃった。

この世でいちばん大事な「カネ」の話 (よりみちパン!セ) この世でいちばん大事な「カネ」の話 (よりみちパン!セ)
(2008/12/11)
西原理恵子

商品詳細を見る


お金がなかった少女時代。お金を得るために「働く」ことが幸せだった青年期。ギャンブルにはまった頃。アジアで出会った貧しい子供、そして家族。
「お金」をテーマに、サイバラが語りかけてくる。


この本を読んだ感想が、まず第一に

「理論社、いい仕事してるなあ」

というものでした。

お金の話。
なかなか、人にあからさまに言うのが恥ずかしいこと。それを語るのにこれ以上適任の人物はいないと思います。実際に苦労してきたからこそ、地に足がついた状態で語ることが出来る。お金というのは汚いものでも浅ましいものでもはしたないものでもない、ということ。

そう、語りかけてくる口調です。
対象は小学校高学年・中学生~くらいだと思います。

だから本当にえげつない部分については書かれてません。それでいて、「あの漫画に書かれていたあの頃、彼女はこんなことを感じてたのか」という読み方も出来ます。ファンの方には本当にお勧め。

そして。
ぜんぜん、大きくページを割いているわけでもなんでもないのですが、「元夫」について語るサイバラの口調はとてもやさしげで。
あれやこれやの事情を知っていると、ちょっとほろりとさせられました。

と、ファン心理から書いてしまいましたが、サイバラをしらない子供世代に読ませても、十分面白いしためになると思います。
生きていくために必要な、お金の話。
子供にも、読ませるつもりです。

(点数はつけません)



ランキング参加してます。 にほんブログ村 本ブログへ 人気blogランキングへ

テーマ:感想 - ジャンル:本・雑誌

西澤氏といえば端正な本格も書くけど、ファンタジックな作品もありますよね。これはどっちだろう、と楽しみに読みました。

方舟は冬の国へ (光文社文庫)方舟は冬の国へ (光文社文庫)
(2007/09/06)
西澤 保彦

商品詳細を見る


カメラと盗聴器で監視された別荘で、初対面の女性と少女と、仲睦まじい「家族」を演じる。失業中の十和人が請けた仕事は、そんな奇妙なものだった。期間は一カ月。そして、法外な報酬。いったい、誰が?なんのために? 滞在を始めた三人の周りで起きる不可思議な現象。家族と、その愛のあり方をめぐる、鮮烈にしてキュートなファンタジック・ミステリー。 (「BOOK」データベースより)


この作品に対してのみ、いえば。
失敗したんじゃないかな、と思います。

面白いんですよ。
最初のうちは、設定が生きていて、「理由はわからないけど監視されている家」「見ず知らずの人と家族のように振舞う戸惑い」が丁寧に書かれているし。そんな中、暇つぶしで自分の過去の「なんか解らない不条理な出来事」を話してみたら論理的な解決がついちゃった、っていう話です。
ミステリ的なアプローチがされているんです。

全編通して、「なぜこの館には監視者がいるのか」とか「なぜ家族の真似事をしなくてはならないのか」という魅力的な謎もあることですし。

しかし、全体を通してみると、主題になっているのは「絆」です。
一緒に暮らすうちに、だんだん親しさを増していく「家族」の話。
これは、いっそ「過去の出来事」の部分をカットして、擬似家族としてだんだん打ち解けていく部分をもっと丁寧に書いたほうが、作品全体としては面白いんじゃないかな、と思いました。

と、おもってあとがきを読んだら、作者本人も「これはパズラーとして納得のいく出来にはなってない」が「普段なかなかかけないことを前面に出してみた」と書かれてました。

繰り返しますが、面白いんです。

ただ、どっちつかずの半端な状況になってしまったのが、もったいないな、とおもうだけで。

(80点。少なくとも本格推理ではありません)



ランキング参加してます。 にほんブログ村 本ブログへ 人気blogランキングへ

テーマ:感想 - ジャンル:本・雑誌

古野まほろ第二弾。急いで探す気はなかったのだけど、図書館に言ったら目の前で返却されてたので、これも何かの縁かと。

天帝のつかわせる御矢 (講談社ノベルス)天帝のつかわせる御矢 (講談社ノベルス)
(2007/06/08)
古野 まほろ

商品詳細を見る


戦下の大陸を逃れ東京へ向かう超豪華寝台列車、環大東亜特別急行「あじあ」。荘厳かつ絢爛を極めた客室で公爵夫人のバラバラ死体が!  当該列車に乗車していた頸草館高校3年古野まほろと柏木照穂の推理は? (「MARC」データベースより)


※今回ネタばれありで書きます※

途中までは、「本格」の枠の中に納まる話なんですよ。
日本が戦後、民主化ではなく自由帝政を行うようになったパラレルワールド的な現代で、超豪華列車内でおきる殺人事件。
事件が起こるまでが細かい偏執的なエピソードの連続で、かーなーりーながい。この時点でもう疲れてだめな人もいると思う。事件の真相にかかわってくるものもないわけじゃないのだけど、何しろ膨大な量なので、いちいち覚えてるのも大変。

そして連続殺人事件が起きて、到着までに「犯人当て」をすることになり、乗客全員で推理合戦をする。推理の内容も玉石混合。舞台が一応現代になっているので「それはあの作品のあのネタと同じじゃないか」なんてつっこみが入るのも(マニア的に)楽しい。
最後が主人公とその友人の番で、それまでの意見がことごとく覆されるのはお約束。

そして、犯人当ては、純粋に理詰めなのです。

残念ながら、私はこの膨大な情報から有用な部分を選択するほど注意深くなく、この推理が無二のものなのか、まだ揺らぎがあるかは検証できません。

しかし。
この犯人当てではどうしても割り切れない部分ができるのです。
「合言葉」を知らないはずの人間が知っている、という。

それからがアクション小説になって(怪奇伝奇小説的な)、戦いが繰り広げられるのですが(前作もそうだったのですが)、はっきりいって、この部分はこの小説には不必要です。なくて十分筋が通ります。
しかしこの部分を書くために張られていた伏線があちこちにあり、作者が楽しんで書いているようであり、「無駄」というのには抵抗があります。
この、混沌とした部分が、古野氏らしい、ともいえます。

好きなものをぎゅっと詰め込んだ宝箱の中身は、他人から見たらガラクタも混じっているのかもしれません。いらないものを捨ててしまえば、部屋中すっきりするでしょう。でも、宝箱の持ち主にとってはどれも等価に大切なもの、なのです。

私は好きです。長くて疲れるけど。

(73点。前作よりはパワーダウン?)



ランキング参加してます。 にほんブログ村 本ブログへ 人気blogランキングへ

テーマ:感想 - ジャンル:本・雑誌

あ、こういうのも「私小説」って言うのですね。エッセイとはまた一味違った読感。

二十四時間 (新潮文庫)二十四時間 (新潮文庫)
(2007/03)
乃南 アサ

商品詳細を見る


幼なじみの“よっちゃん”は、会う度に違った。私立の詰め襟中学生、暴走族の高校生、恋する浪人生。でもその内面はいつも温かで…(「二十四時」)。子供の頃、雪の積もった帰り道を歩いた。方向感覚を失って、“遠く”という“悲しく寂しい場所”に迷い込んでしまった(「十七時」)。人生のそれぞれの風景を鮮やかに切り取った、私小説の味わいを残す、切なく懐かしい二十四の記憶。(「BOOK」データベースより) 


過去に体験した24時間それぞれにまつわるエピソードを、小説形式で書いた連作。ごく最近のものあり、子供のころのあいまいな記憶のものあり。
実体験が元になっているので、割り切れない結末になっているものも混じっています。

悪くはないと思います。

ちょっと短い(1冊に24章、一章あたり10ページ弱)のが弱点で、それとも自身の体験が元になっているからかもしれませんが、ちょっと切れがない感じ。
ファンなら読んでもいいかも、くらいの位置づけですね。

(72点)



ランキング参加してます。 にほんブログ村 本ブログへ 人気blogランキングへ

テーマ:感想 - ジャンル:本・雑誌

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。