乱読にもほどがあるッ!
趣味? 読書です。毎日欠かさず本を読む、グータラ主婦の読書記録。
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。



ランキング参加してます。 にほんブログ村 本ブログへ 人気blogランキングへ
毎年この日に書こう! と決めていて、当日になったらすっかり忘れてる本があるのです。今年は間に合いました(ぎりぎりで。汗)

蒲生邸事件 (文春文庫)蒲生邸事件 (文春文庫)
(2000/10)
宮部 みゆき

商品詳細を見る


予備校受験のために上京した受験生・孝史は、二月二十六日未明、ホテル火災に見舞われた。間一髪で、時間旅行の能力を持つ男に救助されたが、そこはなんと昭和十一年。雪降りしきる帝都・東京では、いままさに二・二六事件が起きようとしていた―。大胆な着想で挑んだ著者会心の日本SF大賞受賞長篇。(「BOOK」データベースより)


2.26事件当日が舞台の、タイムスリップミステリーです。

ネタばれ的に書いてしまいますが、このタイムスリップで日本の歴史が変わることはありません。そもそも主人公の孝史には、2.26事件について受験対策程度の知識しかなく、歴史を変えようにも誰に働きかけるといいのかすらわからない。
たまたま、何の心の準備すらなく戦時下に迷い込んでしまって、帰ってくるまでの数日を、おろおろしながら過ごす話。(といってしまうと非常に辛辣な書き方になりますが)
それでいいのです。主人公は孝史になっているけれど、魅力的なのは脇を固める人物。

まずなんといっても、女中のふきがかわいらしい。孝史の、現代とは生活様式が違うことから来るわがままに、膨れたり、しかったり、諭したり。孝史がひかれていく様子も、納得がいく。

そして、平田。彼は時間旅行能力者なのだけど、それは幸せとつながらない。このあたりが実に宮部みゆきらしい。「能力者」が「能力」があるがゆえに苦しむこと、それでも誰かのためにがんばりたいと思うこと、自分を犠牲にしても何かを成し遂げようとすること。
きりきりと胸が痛くなるような、追い詰められていく感じ。

あっと驚くどんでん返しもない、むしろ淡々と進んでいく話。なのに段々感情移入して、どんどん切なくなっていく。

最終章は泣けました。何回読んでも、ほろりときます。

断然お勧め。面白いです!

(95点!)
スポンサーサイト



ランキング参加してます。 にほんブログ村 本ブログへ 人気blogランキングへ

テーマ:感想 - ジャンル:本・雑誌

これはTv Brosで豊崎氏の書評を見て、それなら読んでみるかーと思った本。

光
(2008/11/26)
三浦 しをん

商品詳細を見る

天災ですべてを失った中学生の信之。共に生き残った幼なじみの美花を救うため、彼はある行動をとる。二十年後、過去を封印して暮らす信之の前に、もう一人の生き残り・輔が姿を現わす。あの秘密の記憶から、今、新たな黒い影が生まれようとしていた―。(「BOOK」データベースより)


正直に感想を言ってしまうと、「こんな話も書けるのか」です。
閉鎖された小さな島で、ひっきりなしに振るわれる暴力と、爆発しそうな性欲と、ぎりぎりする向上心。子供たちが抱えていた破裂しそうな心。しかし、彼らを取り囲んでいたあれこれは、津波がすべてさらっていって・・・。
それから二十年たって、息を潜めるように生きてきた「生き残り」の三人に、新たな展開が待っている。

赤裸々な性描写も驚いたのだけど、それより何より主人公・信之の内面描写がすごい、と思わされた。
日常の中で、「すべてを切り捨てられる」と思いながら生きていく男。
一度すべてを奪われた男の内部の乾いた世界。
そして彼がすべてをささげて愛し続けていた女性も、かつてすべてを奪われた過去を持っている、この意味。

救いのない、容赦のない話。

「私はこの人の何を知っていたんだろう」と、文章にしてしまうとよくある陳腐な台詞なのだけど、この台詞が生きている。妻が夫に、男が元恋人に、幼馴染同士で、「何もしらない」と思い知る場面の底冷えのする感じ。

堪能しました。
狙ったわけではないのだけど、どうにも最近、こういう静かに残酷な話に出会う。
出版業界としてこういう本が増えているのか、偶然私がその海に漕ぎ出してしまったのか。さて。

(85点)



ランキング参加してます。 にほんブログ村 本ブログへ 人気blogランキングへ
ただいま右手負傷中です。雪かきで親指の筋痛めまして、添え木のようなものを当てられております。
…パソコン入力に差し支えなくてびっくりだ。

超短編を含む短編集 みきわめ検定超短編を含む短編集 みきわめ検定
(2008/10/21)
椰月 美智子

商品詳細を見る


結婚「まで」の男と女のある場面 「そろそろ今日あたり、キスのその先をすることになるに違いない。」結婚前の男女の、危うい気配を鋭く切りとる、今もっとも注目の作家・椰月美智子の短編集。 (amazon・内容紹介より)

今最も注目な作家ですか。そうですか。このあおり文句、毎月一人は見るんですけど、乱発しすぎてありがたみないですよね。

ちょっと長めの表題作(でも50ページ分くらい)と、短編10編。

この表題作「みきわめ検定」が、面白かった。
付き合い始めた彼氏と彼女。まだ、どんな人かよくわからなくて、距離を探りあいながら続けるデート。あ、こういう人なんだ、っていう場面をいくつか重ねて・・・ラストシーン。
この彼氏というのが、自己中心的なのだけど、たぶん、自覚はない。ひょっとしたら周囲の人も、気がつかないかもしれないくらい。映画館で(それもストーリーの山場で)飲み物を買いに席を立つ、とか。こういう人、私ならどうだろう・・・と考えちゃうほど、いかにも「いそう」な男の子。彼に対する主人公の気持ちのゆれがほほえましい。(というと、主人公はきっと嫌な顔をするであろう)

残りの短編は納得いくものもあり、理解できないと思うものあり。でも、「ありえない」と思う話はなかった。人間描写がうまい。

短編ながら「いいな」と思ったのが『と、言った。』。老人介護施設で働く青年の、とある一日、といった話。嫌悪感も共感も全部一緒くたにして繰り返されていく日常の業務。うん、なかなかこの切り口ではかけませんよ。

派手な作品はないけれど、丁寧な好印象の作品集。同時発売の「枝付き干し葡萄とワイングラス」という作品もあるそうで、すごく気になります。

(78点)



ランキング参加してます。 にほんブログ村 本ブログへ 人気blogランキングへ

テーマ:感想 - ジャンル:本・雑誌

「別冊1」は主人公メインの後日譚だったけどこっちは別の二人が主人公、という情報は読む前にあちこちから入ってきていたのですが。

別冊 図書館戦争〈2〉別冊 図書館戦争〈2〉
(2008/08)
有川 浩

商品詳細を見る

郁が官舎を移って、二人部屋を一人で使っていた柴崎。そこへ、ほかの部屋でうまくいかなかった同期の子が移ってきた。扱いにくいその子との同居生活にも神経を使っているのに、柴崎を狙うストーカーまで現れて・・・(『背中合わせの二人』より)

これも本編と同じく、数個の前振り短編 プラス 長めの本編、といった感じ。(本編にあたる部分は分割されてますが)
今回の本筋はストーカー事件を通してあるカップルが出来上がるまで、かな。このストーカーが何故個人情報を収集できたのかなどの謎もあるし、ストーカーは気色悪いしで、感情移入して読めました。同質の女の子の粘着質な卑屈さも、こういう人いるよ!って共感できたし。

しかし。ワタクシの好みでいくと、断然最初の短編『もしもタイムマシンがあったら』が好みなのです!
なんとなく国家公務員になって、良化隊員になってしまった男性と、作家志願の恋人が、良化法をはさんで対立して、別れを選ぶ話。その後この男性の選んだ道がね、ため息をつくくらい素敵なんですよ。
玄田隊長も、むやみやたらとかっこいいです。有川氏、こういう性格の男かくのうまいよなー。

ちょっとうまくいきすぎじゃない? って感じもする作品ではありますが、大団円はラブコメのお約束だからいいんです。どうぞ、幸せになって下さいね、と幸せな気分で読了。

(90点! 終わってしまうのが残念ですね)



ランキング参加してます。 にほんブログ村 本ブログへ 人気blogランキングへ

テーマ:感想 - ジャンル:本・雑誌

「なんか面白そうな作家さん、いないかなー」と思いながらアンソロジーを借りてくることが多いのだけど、なかでもこれはちょっと異色作かも。

こどものころにみた夢こどものころにみた夢
(2008/06/10)
角田 光代 島本 理生

商品詳細を見る



人気作家12人による「夢」の「絵本」!  怖い夢、儚い夢、おもらしの夢? 角田光代、島本理生、西加奈子、阿川弘之、堀江敏幸、穂村弘、高橋源一郎他、豪華作家陣が美しい絵とと共に綴る「夢」の物語。 (amazon・内容紹介より)

一言で言うと大人向けの絵本、かな。
「夢」がテーマだけど形式はさまざま。エッセイあり、小説あり、眠っているときに見た夢の話あり(でもこれも創作かも?)。
それぞれの作品に違うイラストレーターさんがついてます。
いろんなタイプのイラストが添えられているので、本文を読まずにぱらぱら眺めてみても楽しい。

特に気に入ったのが辻村深月・『タイムリミット』。
夢的に分類するなら悪夢。なんだか解らないけれど殺されるかもしれない恐怖感。辻村氏は長編の人だと思っていたので、短編の切れ味のよさにも感心。結末に想像の余地を残す形式も好き。

そして意外にも(失礼)面白かったのが穂村弘『おしっこを夢から出すな』。本業・歌人なだけあって、テンポのいい言葉選びは抜群のうまさ。ちょっと情けないところがまたいい。
なんとなーく短歌は読みこなせない気がして敬遠していたのだけど、こんな方の読む歌なら読んでみたいかも。

(トータルでは80点。良質な本だと思います)



ランキング参加してます。 にほんブログ村 本ブログへ 人気blogランキングへ

テーマ:感想 - ジャンル:本・雑誌

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。