乱読にもほどがあるッ!
趣味? 読書です。毎日欠かさず本を読む、グータラ主婦の読書記録。
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おお? 貫井氏単独カテゴリ作ってなかった。結構読んでると思ってたんだけど、考えてみたら年に一冊かそこいらかも。

悪党たちは千里を走る (集英社文庫)悪党たちは千里を走る (集英社文庫)
(2008/09/19)
貫井 徳郎

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しょぼい仕事で日々を暮らすお人好しの詐欺師コンビ、高杉と園部。ひょんなことから切れ者の美人同業者とチームを組むはめになり、三人で一世一代の大仕事に挑戦する。それは誰も傷つかない、とても人道的な犯罪計画だった。準備万端、すべての仕掛けは順調のはずだったが…次ぎから次ぎにどんでん返しが!息をつかせぬスピードとひねったプロット。ユーモア・ミステリの傑作長編。(「BOOK」データベースより)


悪党といってもこの話の主人公たちは「詐欺師」。それもなけなしの金を巻き上げるのではなくて、金が余ってそうなところから、少しだけまきあげる、小悪党。いつか大きい儲けを夢見ている高杉と、その子分の園部。ペットの誘拐ならまあ子供の誘拐より罪は軽いしいいかな、なんて考えていたところをその家の子供に感づかれ、進退窮まったところを「じゃあ僕を誘拐したことにして分け前をちょうだい」と持ちかけられ、なし崩しで誘拐しちゃうのか? と思っていたところ、別な犯人がその少年を誘拐したらしく、すっかり情のうつっていた高杉たちが彼を助けることに…。
坂道を転がるように犯罪にまきこまれていく主人公(でも詐欺師)という設定が面白い。
騙し騙されのコンゲーム、というにはやってることがせせこましくて、残酷なことはでてこない。なんたって、主人公が「誘拐なんて残酷極まりない犯罪には手を出さない」と言い切ってしまうような男だし。
そして被害者であるところの誘拐された少年の親も非常にせせこましくて、身代金を値切ってみたり。
人質は無事に帰ってくるのかと、真犯人は誰で何故高杉たちのことを知っているのか、という二本の謎を軸に物語が進みます。

軽い雰囲気で一気に読めて、読後感もいい、エンタメらしいエンタメ小説です。

(80点)
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この本は子供の学校での読書タイム用に購入しました。親もゆっくり読んでます。

ボーイズ・ビー (幻冬舎文庫)ボーイズ・ビー (幻冬舎文庫)
(2007/10)
桂 望実

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多分ブログではきれいにでないかと思いますが、繊細な色使いの素敵な表紙です。

母親を亡くしたばかりの川畑隼人は、引っ込み思案な十二歳。ある日彼は、真っ赤なアルファロメオを乗りこなす七十歳の靴職人と出会う。だけどそいつは、かなりの偏屈ジジイ…。出会うはずのない二人。出会っても通じ合うはずのない二人。そんな彼らが、徐々に心を通わせていく。(「BOOK」データベースより)


主人公の一人が小学生で、母親をなくしたばかり。これだけでもう、辛い設定なのに、母親に頼まれたからと弟の世話を引き受ける、なのに弟は母親とはもう会えないってことをよく理解してなくて、何とかわかってもらおうと苦戦するわけです。こういうとき本当は頼りになる筈の父親は仕事に一生懸命すぎて子供のほうを向いていないし、主人公の隼人は自分も辛いのに「母さんは父さんに心配かけないでねっていってた」とか気を回しすぎるあたりがもう、いじらしくていじらしくて…。

これに対してもう一人の主人公は老人。靴職人。腕は一流なのに気難しくて、納期は約束しない、気が向かなかったら作らない、人付きあいなんかしたくない、という頑固さ。

この二人がだんだん親しくなっていく物語。しかしよくある「老人と子供」ものと一味違うのは、子供のほうが周りに気を使って自分のことを後回しにしている大人びた子供であることと、老人のほうが気の短い内面子供であることだと思います。

二人とも、上手く自分と折り合いがつかなくて、無理しているところがそっくり。

この小説の山場は、文庫本223ページころからの隼人が必死に父親を説得するあたりだと思います。
いろんな大人に知り合って、自分の話を聞いてもらって、そしてようやく自分に一番近しい、でも一番心配をかけたくない父親に話を聞いてもらおうと努力するところ。この父親も人格の練れていないバカ者で、気を回すところが違ってやきもきさせられます。こういう父親を持った子供は苦労するけど、苦労しているということが父親に伝わるだけでどれほど子供の気持ちが楽になるのか…。母としての立場から、我が子や知り合いの子の事を思い返して頷きながら読みました。

この話は「十二歳」や「夏の庭」・「西日の町」あたりがツボの私にとってはどんぴしゃ!でした。ちょっと子供向けとは違ったかもしれないなあ…。

(87点)



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なんか新刊でてるなあ、と思ったら「古典部」だし! コレを読み落としていたとは、不覚なり。

ふたりの距離の概算ふたりの距離の概算
(2010/06/26)
米澤 穂信

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春を迎え、奉太郎たち古典部に新入生・大日向友子が仮入部することに。だが彼女は本入部直前、急に辞めると告げてきた。入部締切日のマラソン大会で、奉太郎は長距離を走りながら新入生の心変わりの真相を推理する! (amazon・内容紹介より)


今回の話はマラソン大会が舞台です。
二年生になった奉太郎たち古典部と、仮入部してきた1年生。仲良くやっていたと思ったのに、急に入部しないと言い出されたため、原因を探るべく奉太郎が過去を回想します。

ああ、奉太郎変わったな、というのが第一の感想。
「やらなくてもいいことはやらない、やらなくてはならないことは手短に」といっていた頃から一年。以前の奉太郎なら、新入部員を獲得しなくてはならない理由があるわけでなし「入部しないというのなら何か理由があるんだろう」と流してしまっておかしくなかったのに、入部しない理由を考え込んでしまうあたり、誰かの影響が大きいなーとニヤニヤしました。実際、入部取り消しによって一番傷ついたのは千反田えるだろうし。

今回の話も前回同様、物語が終わる時点というのは決まっていて、「マラソン大会の終了時」がそれです。それまでにいろいろ思い起こして推理をまとめなくてはならない、この制限たっぷりな中で奉太郎の回想がまた無駄がないのです。推理の要素がぎっしり詰め込まれていて、それでいてちゃんと青春小説で楽しく読み進められて、謎解きでは「あれとあれがこうなるのか!」って驚きもたっぷりで、文句なし。ちいさな場面も読みおとせないですよ。これぞ日常の謎、という話です。すごく高度な技を、そう感じさせないくらい鮮やかに見せてもらった話というか。

学年が進むことで人間関係にも変化が生まれてくるのは当たり前なのだけど、古典部の面々も少しづつ成長してますね。
奉太郎が実にいい男に育ちつつあります。素敵。
ちゃんと、物語内の時間を進めて成長を実感させてくれることに、感謝します。

(90点)



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うお! 一週間ぶりか?

闇の喇叭 (ミステリーYA!)闇の喇叭 (ミステリーYA!)
(2010/06/21)
有栖川 有栖

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平世21年の日本。第二次世界大戦後、ソ連の支配下におかれた北海道は日本から独立。北のスパイが日本で暗躍しているのは周知の事実だ。敵は外だけとはかぎらない。地方の独立を叫ぶ組織や、徴兵忌避をする者もいる。政府は国内外に監視の目を光らせ、警察は犯罪検挙率100%を目標に掲げる。探偵行為は禁じられ、探偵狩りも激しさを増した。すべてを禁じられ、存在意義を否定された探偵に、何ができるのか。何をすべきなのか。 (「BOOK」データベースより)


有栖川有栖とミステリーYA!なら面白くないわけないじゃん、というのは私の嗜好の問題ですが。

謎解き自体も端正な、このトリックだから犯人は彼しかありえない、という非常に美しいものです。しかしこの話の肝は設定ではないかと。

第二次世界大戦の影響で、北海道が独立。日本はかろうじて天皇制を残した国体を維持しているが、締め付けのきつい、方言や外来語の使用が許されない、徴兵制度のある国に変貌しています。自由がないわけではないけれど、どこに監視の目があるか解らない、息詰まる世界。何より大きな特徴が、「探偵行為の禁止」なのです。
ミステリーで殺人事件で主人公は女子高生なのに。
しかしちゃんと謎は解けるのです、あまり後味のよろしくない形で。

そして殺人事件の謎が解けても物語は続きます。

中学生から高校生をターゲットにしたこのレーベルでこの話を書くというのは、作者も出版社も思いきったことをしたな、とも思うのですが、この社会の閉塞感、翻ってわが身の幸福、社会制度のありようについても考えさせる話なので若い人が読むのはいいことなんだろうな…。

単に面白かった、という言葉ではくくれない話でした。もっというと、このトリックが可能かどうかもどうでもいい。こういう事件が起きる土壌のある社会というものにそら恐ろしいものを感じます。すごくいろいろ考えた。いろんな人にぜひ読んで欲しい。

(88点。戦争ってなんだろうと感じました。反戦小説ともまた違うのだけど。)



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最近同じ作家さんの本ばかり読んでいる気がしてならない。新規開拓しなくちゃな。

まほろ駅前番外地まほろ駅前番外地
(2009/10)
三浦 しをん

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『まほろ駅前多田便利軒』での愉快な奴らが帰ってきた。多田・行天の物語とともに、星、曽根田のばあちゃん、由良、岡老人の細君が主人公となるスピンアウトストーリーを収録。(「BOOK」データベースより)


「まほろ駅前多田便利軒」の番外編です。何があっても、本編を先に読むことをおすすめします。

番外編としてはね、悪くないと思うんですよ。
便利屋の主の多田と、居候の行天が片付けるいくつかの依頼たち。人間ってバカだなあと思う話もあれば、人間って深いなあ、と思う話もあります。ただし、全体として話は小粒。まあ番外編ですしね。

「逃げる男」なんかは、他者からは伺えない夫婦の関係について書かれた話。それも、夫が死亡してからの話。「あの人はこんなことを考えていたんだ!」という安易な結論を出さない潔さがありますね。好きなタイプの話です。

作者の脳内で彼らは息づいているみたいですから、続編を楽しみにしたいと思います。

(75点)



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