乱読にもほどがあるッ!
趣味? 読書です。毎日欠かさず本を読む、グータラ主婦の読書記録。
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まだ現役で本を出してらっしゃるんですよねえ…。すごい人だなあ。

足みじかおじさんの旅―やなせたかしのおとなのメルヘン足みじかおじさんの旅―やなせたかしのおとなのメルヘン
(2009/04)
やなせ たかし

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足みじかおじさんは無名である。カッコよくない。でもぼくらが悩む時、ひそやかに悩みを解決してくれるひとが、そんなひとがいれば助かる。ここに集めた、足みじかおじさんのみじかいお話がいくらかあなたの心をなぐさめることができたなら、それが作者のよろこびです。(まえがきから)


2~3ページのショートメルヘン集。

足みじかおじさんというのは天使見習いのようなもので、ほんの少しだけ使える不思議な力を使って、困っている人の手助けをしています。
この「ほんの少しだけ」というのがポイントで、困っている人を助けることは出来るけど、世界平和といった大きな希望はかなえられない。少しだけ気持ちを明るくする手助けは出来るけれど、不治の病を治したりは出来ない。
かっこいいヒーローじゃなくいけれど、困っているときにこんな人が現れたらいい。
そういう、ささやかな幸せを上手く捉えた話です。
時々何にも解決していない話が混じっているところが絶妙。本人の心がけによって自体がよくなる話もあれば、それすらない話もある。子供が読むには少しだけビターな話もありますが、余韻を感じさせる好きな話の一つです。

かっこよいヒーローじゃなくても、誰かを助けることに喜びを感じる…。
やなせたかし氏のライフワークの一つといっていい作品です。

(80点)
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シリーズ第2弾。

背表紙は歌う (創元クライム・クラブ)背表紙は歌う (創元クライム・クラブ)
(2010/09/11)
大崎 梢

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「とある地方の小さな書店が経営の危機にあるらしい」よくある悲しい噂のひとつだと思っていたが、書店営業仲間の女性がそのことを妙に気にしていて…。個性的な面々に囲まれつつ奮闘する井辻くんは、東に西に今日も大忙し!出版社の新人営業マンの活躍を描いた、本と書店を愛する全ての人に捧げるハートフル・ミステリ。(「BOOK」データベースより)


出版社営業の「ひつじくん」こと井辻くんが主人公のシリーズ二作目。本屋関係なのだけど、「成風堂」シリーズとは一味違う読み応えが魅力。
そして何をモデルに書いているかが解るとまた一段楽しそう。有名文学賞であるとか、手芸専門の出版社とか。

この本の中では、「君とぼくの待機会」が好き。
東々賞(モデルが何かは…お分かりですね)という大きな文学賞にノミネートされ、ナーバスになっている作家さんたちと、それをフォローする担当さん、本屋に奔走する営業さん。そんなお祭りムードの中、「もう受賞作は決まっている」という噂が流れ、名指しされた作家さんが辞退するという騒ぎに発展しかける。どうやら書店員さんの間で同時に広がったらしい噂の出所を探さなくては…! しかし選考会まであとわずか! というタイムリミットのある推理もの。解けてしまえばちょっとした掛け違いから発生した誤解なのですが、なんといってもどたばた間がたのしい。
賞を取るというのは大変なことなんですねえ。

そして最終章に「成風堂」の面々がちらりと姿を覗かせるのも(いや本人は出てこないのですがね)嬉しい趣向です。地続きの話なんですね。

(87点。面白いです)



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恥ずかしながら初読です。世の中には知らない本がたくさんあるなあ。

かいぶつのまちかいぶつのまち
(2010/07)
水生 大海

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演劇大会の前日、出演者たちが次々に体調を崩し、上演作品「かいぶつのまち」に見立てたかのように主人公に繰り返し凶器が届く。元「羅針盤」メンバーは、後輩との壁の大きさに戸惑いながらも、その隙間に巣くう「かいぶつ」を探し始める。心打つ青春ミステリー。(「BOOK」データベースより)


ところどころ解らない描写がでてくるな、と思ったらシリーズ2作目でした。こちらから読んでも物語的には問題ありません。

自分が小劇団用に書いた脚本が母校で演じられることになり、全国大会まではたし、観覧と激励に訪れたところ、顧問を含む何人かが原因不明の体調不良を訴え、なし崩しに面倒を見ることになった瑠美。しかし問題は体調不良だけではなく、主役の下へ何度も届けられるカッターナイフ、顧問と生徒の確執、以前の主役の退学、2年と3年の間にある温度差と盛りだくさん。それでも舞台の幕は開くし、出来がどうであろうと幕はおりるのです。しかし舞台が終わったからといって人生の幕はおりないし、問題も解決するわけではありません。主人公の瑠美たちは、一連の問題の原因を探ることになります。

何より胸に迫ってきたのは、演劇に対して「部活動です」とさめた目線で言い切れてしまう現部長。舞台にのめりこんで舞台の周囲で生きている主人公たちとはまるっきり違う考え方で、このあたりも衝突の原因になったりするのですが、イマドキの少年はこういうものなのかもしれません。寂しいけど。

物語としては最高だけど、私がこの現場にいたら怒るな、ということが最後の山場で行われていました。私はそこを減点せざるを得ない。見ていた観客はどう思ったんでしょうね。そういうことを瑠美たちは考えたのかな。

(80点。面白かったです。一作目も探してみよう)



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金原瑞人YAセレクション みじかい眠りにつく前に 2 昼下がりに読みたい10の話 (ピュアフル文庫 ん 1-12)金原瑞人YAセレクション みじかい眠りにつく前に 2 昼下がりに読みたい10の話 (ピュアフル文庫 ん 1-12)
(2009/03/10)
あさの あつこ芦原 すなお

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翻訳・書評活動で日本に「ヤングアダルト=YA」を根づかせた第一人者・金原瑞人が選んだ傑作9編に、作家・三浦しをんが日本文学から選んだおすすめの名作1編をくわえた、YAアンソロジーの決定版!!(「BOOK」データベースより)


いや、一筋縄でいかない本ですよ。

今まで児童書のくくりに入れられていた作品とか、逆に一般書になっていた話、出版社がいまいちメジャーじゃないため知名度が低い話なんかが多く収録されているシリーズなんですが、中でも今回のこれは迫力がある気がします。

特によかったのが!
川島誠「愛生園」。
施設で育つ育つ3人の子供。彼らがかわるがわるに語る形式です。決して感情豊かではないのだけれど、背後にあるあれこれを想像すると叫びたくなるような感じがします。親がいなくて施設にいる子供もいれば、親から虐待を受けて施設に逃げ込んだ子供もいる。「幸せ」ってなんだろう、子供ってなんだろう、と思いました。
短編なのに、読めば読むほど考えさせられる。
子供たちがみんな、幸せだったらいいのに。

子供の学校生活のあれこれのほかに、ちょっと怖い話も混じっているのが印象的でした。

(80点。他のアンソロジーとは一味違うんだな)



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「ふるさと」、ありますか?

チョコレートの町チョコレートの町
(2010/07/21)
飛鳥井 千砂

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シャッターの下りた商店街。傍若無人な昔の同級生。どこか馴染めない家族。俺は、嫌っていた故郷で働きだした。そうして初めて見えた、大切なこと。故郷を持つすべての人に捧げる物語。 (「BOOK」データベースより)


主人公の遼は賃貸を中心とした不動産店で店長をやっているなかなか有能な青年。ところがトラブル処理のためしばらく嫌っていた実家のある町の店で臨時店長を務めることになってしまうのです。
この『嫌っていた実家』の設定が絶妙ですよ。近隣に大きな市があるからそれほど人口は流出しない、でも田舎で、近所付き合いが濃密で、詮索好きで、すんでいると「うわあ、うっとおしい!!」と叫びたくなるような町です。時に若い頃は。
しかし、しっかり町に順応していてふるさとを愛しちゃってる人も旧友にいたりして、「何で嫌わなくちゃならないんだよ?」とかいわれてしまうのです。そのたびに内省してしまう遼がかわいいです。
そこに大手の工場と地元の商店街の確執とか、兄の結婚問題とかが絡んできて、もともとのトラブルは片がついても欠員補充の目処がつかず、遼はやっぱり振り回されてしまいます。

なんというか。
嫌いだけど憎んでいるわけではなくて、好きな部分もないわけではないけれど、ちょっと距離を置いて離れたところから思い出しているほうが幸せな町。そんな感じです。人間関係にもこういうのってあるよね。

遼と一緒に働く不動産店の店員さんのバランスも素敵です。この町は好きだけど、生まれ育った人たちとは本の少し温度差がある感じ。
工場長もそうですね。

そしてだんだん遼が「嫌いではないんだけど」と変化していく様子も解る。
私も地元は嫌いではないですが、もう長らくあそこで生活していないので戻ってもなじめないだろうな。
そんな共感を持ちながら読みました。

(83点)



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