![]() | 虚栄の肖像 (2008/09) 北森 鴻 商品詳細を見る |
墓前での奇妙な花宴で依頼されたのは、肖像画の修復。報酬は、桜を活けた古備前というが…。表題作ほか全3篇を収録した、ミステリー連作短篇集。全3編。 (「MARC」データベースより)
下手な修復家によって、真作が贋作になり、贋作が真作になってしまう。しかし、修復を行わなければ作品は朽ちていくだけ。
そういう、骨董品とは一味違う、真贋の境目を見極める話です。
前作はちょっとわかりにくい部分があったように記憶していますが、今回はずっとすっきりした印象。
出てくるのは「素人の肖像画」「パリ派の画家の風景画」「無名の天才の緊縛画」。それとその周りを行き来する骨董品。
作品の良し悪しや価値のほかに、その絵画が存在することによって広がる波紋が主眼です。
少し屈折した主人公の佐月が魅力的。彼と因縁のある女性も出てきて、佐月の人物に奥行きがでてきました。
(74点)
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