少年少女飛行倶楽部 (2009/04) 加納 朋子 商品詳細を見る |
友人に巻き込まれて「飛行クラブ」なんてものに入ることになってしまった海月。クラブの目標は、自分自身の力で飛ぶこと。実務能力がまったくない割にえらそうな部長・通称カミサマの下、果たして飛ぶことはできるのか?
自称「面倒くさがり」、でもやらなきゃならないことは計画的にきっちりやってしまう性格の海月。その、計画性のせいか、はたまた腐れ縁の友人樹絵里のかっとんだ性格のせいか、クラスでちょーっと浮いてしまっている感じ。この、飛行クラブの面々は、みんな、タイプは違うものの、「友人の中では少し浮いてしまう」タイプの子ばかり。
これ、ヤングアダルトのジャンルでは結構良く見るパターンだし、そんな彼らが団結して何かを目指す、というのもままある。
しかし!
凡百の作品とは、ちょっと味わいが違うのですよ。
これはもう、作者の人徳。または人柄。
結構重たい設定もあるのに、読んでて感じるのは暖かいやさしい気持ちです。
障害者の姉を持つ部長。怪我を理由に野球部をやめなくてはならなかった中村。親の期待を一身に受けているものの、親の薦める部活がどうしても肌に合わなかった餅田。恋で頭がいっぱいになってしまって、友達との距離感がつかめない樹絵里。高所平気症の朋。そして主人公の海月。
彼らがだんだん距離を縮めながら、がんばる様子がほほえましい。
これは本当にお勧めの一冊。
ちょ文藝春秋から出てるし、入手しやすいと思います。
(90点)
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