リリイの籠 (2007/12/14) 豊島 ミホ 商品詳細を見る |
絵のモデルを頼んだ加菜に、憧れにも近い感情で惹き付けられていく美術部員の春―生意気な女子生徒―由貴に、こっそり大切な思いを打ち明けてしまったえみ先生―容姿の劣る親友・実枝に彼氏ができ、穏やかでいられなくなる里加―女子高を舞台にキラめく感情の交差を描き出した、書下ろし1編を含む全7編。(「BOOK」データベースより)
この人、自分のこと「官能小説の賞で作家になった」というくせに、青春ものが上手いんだよね。
女子高という閉鎖社会で、人を好きになったり、友達に彼氏が出来たことを嫉妬したり、こっそり容姿を比べて「私のほうが勝ってるよね」と思ったり。
成人女性の話が混じってますが、彼女も内面は「少女」ですね。
解る解る、って話だったり、「これはあの人と同じタイプの子だな」って話だったりするけど、実際にいそうな女の子の話たちです。
好きなのは「忘れないでね」。
転校続きで、クラスの輪に入るよりはみ出してる子と仲良くなってなんとなく切り抜けたほうがいい、という処世術を身につけてしまった女の子が、もう転校はないというのにやっぱりはみ出しものの子と仲良くなっちゃって・・・。というお話。
最初と最後に出てくる、駅でのお別れの場面が対照的です。
女の子(元女の子)はきっと面白いと思う。
女同士の付き合いってやっぱ大変だよね、でも楽しいよね、って話たちです。
(78点)
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