乱読にもほどがあるッ!
趣味? 読書です。毎日欠かさず本を読む、グータラ主婦の読書記録。
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。



ランキング参加してます。 にほんブログ村 本ブログへ 人気blogランキングへ
「告白」と「コロヨシ!!」の内容について触れています、ネタバレありです。
それでもいいという方は続きをどうぞ。
 
 
「告白」の第一章で、
エイズ患者の血を牛乳に混ぜて飲ませることを、主人公が復讐の手段にしています。
これに対して、医師の方から、「こういう方法では感染しない、この書き方は現にエイズで苦しんでいらっしゃる方の周りに悪い影響を与える恐れがある。どうしてもこの形式で書きたいのなら、架空の病気を作ってもよかったのではないか」という意見がかかれているのを読みました。

そして、その文章を読んだ方が、
「告白」は未読だけど、そんなことが書かれているんなら「ありえない」と思ってその先読む気なくすかも、ということを書かれていることも。


これに対しての意見です。

私はあの話にあの復讐方法はありだと思います。
あの作品、第一章の怖さは百物語的な怖さだと思うのです。

教室という閉じられた空間で、教師という権力者が一人の人間として自分の娘が殺された一件を語り、犯人を追い詰めていき、そして最後に「こういう復讐をしたぞ」と告げる。
普段なら笑い話ですむようなことが、この状況下ではさぞかし恐怖に思えるでしょう。

ましてや相手は中学生、大人に相談するわけにもいかない、みんな口外しないと約束している、
それならば信じるでしょう、おびえるでしょう。

物語として、成立しうると思うのです。

あの教師に正確な知識がなかった、というのはまったくそのとおりで、実際復讐としては成功しないわけですが。
(作中では別な原因によって妨げられたことになっていますが)
そして「あの方法では感染しない」と知ったときの彼女がどう反応するか、というのも読んでみたい気がしますが、それはこの物語の中では語られない次元の出来事ですね。
最後の事件のそのあとに警察につれられていって、そこで知らされ愕然とする、なんて話も書けそうですが、そうなってくるとやはりこの物語の趣旨からははずれるのでしょう。



そしてそれと別次元の問題として、
「実際の患者に配慮がなかった」
というのはまったくそのとおりだと思うのです。

「告白」を読んだ人は、血液を飲むと感染する、ということを信じるかも知れない。
だって、あれだけ売れている本に書かれているのだから、きっと真実に違いない、と。
そうなったとき、現実の患者さんたちはどれだけ誤解に苦しめられるのでしょうか。

作者もですが、出版側に配慮が足りなかった、という意見には同意します。
別な架空の病気にしても書けたはずですね、確かに。



そこで読んだのが「コロヨシ!」でした。

この作品に出てくる架空のスポーツ、「掃除」。
これは架空だからこそ、あの味わいが生きてくるんですよね。
私たちの住む世界とそっくりなのに、丸ごと違う世界。
緻密に編み上げられた物語。

緻密でなくてはならないのです。
「嘘」を物語の根幹にすえるのなら、その周囲はリアリティを持って固めなければ、するっと書き飛ばした部分の違和感から物語が壊れていく。そういう物語も、何作も読みました。
三崎氏の作り上げる「嘘」の世界はさすがです。


私はどちらの物語もありだと思いますし、どちらも面白く読めました。
中に潜んでいる「嘘」も込みで楽しめた。
小説はそれでいいのだと思うのです。




日和見な意見になってごめんなさい。
長文にお付き合いくださり、ありがとうございました。



ランキング参加してます。 にほんブログ村 本ブログへ 人気blogランキングへ
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://sensa.blog121.fc2.com/tb.php/1252-71772be6
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。