![]() | かいぶつのまち (2010/07) 水生 大海 商品詳細を見る |
演劇大会の前日、出演者たちが次々に体調を崩し、上演作品「かいぶつのまち」に見立てたかのように主人公に繰り返し凶器が届く。元「羅針盤」メンバーは、後輩との壁の大きさに戸惑いながらも、その隙間に巣くう「かいぶつ」を探し始める。心打つ青春ミステリー。(「BOOK」データベースより)
ところどころ解らない描写がでてくるな、と思ったらシリーズ2作目でした。こちらから読んでも物語的には問題ありません。
自分が小劇団用に書いた脚本が母校で演じられることになり、全国大会まではたし、観覧と激励に訪れたところ、顧問を含む何人かが原因不明の体調不良を訴え、なし崩しに面倒を見ることになった瑠美。しかし問題は体調不良だけではなく、主役の下へ何度も届けられるカッターナイフ、顧問と生徒の確執、以前の主役の退学、2年と3年の間にある温度差と盛りだくさん。それでも舞台の幕は開くし、出来がどうであろうと幕はおりるのです。しかし舞台が終わったからといって人生の幕はおりないし、問題も解決するわけではありません。主人公の瑠美たちは、一連の問題の原因を探ることになります。
何より胸に迫ってきたのは、演劇に対して「部活動です」とさめた目線で言い切れてしまう現部長。舞台にのめりこんで舞台の周囲で生きている主人公たちとはまるっきり違う考え方で、このあたりも衝突の原因になったりするのですが、イマドキの少年はこういうものなのかもしれません。寂しいけど。
物語としては最高だけど、私がこの現場にいたら怒るな、ということが最後の山場で行われていました。私はそこを減点せざるを得ない。見ていた観客はどう思ったんでしょうね。そういうことを瑠美たちは考えたのかな。
(80点。面白かったです。一作目も探してみよう)
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