どこの本屋でもランクインしていることを喜べばいいのか、1~3位を携帯小説に占拠されていることを嘆けばいいのか。微妙な順位。
それはさておき、今日の1冊。
![]() | ポーの話 (2005/05/28) いしい しんじ 商品詳細を見る |
無数の橋がかかる泥の川。川で毎日うなぎを取るうなぎ女たち。その一人から生まれたポーは、母親たちに囲まれて成長したが、女ったらしの悪党「メリーゴーランド」とであって悪事に手を染める。そんな中、泥の川が氾濫を起こし・・・。
小説家ではない、「物語作家」いしいしんじの魅力の詰まった1冊。
正直言うと、全然論理的じゃないんです。説明が足りなくて「どうなってるの、これ」って思うところもいっぱいあるんです。でもそれは、書き尽くさないことによってうまれるイメージを大事にしてるからです。
ポーが何故、どろぼうをするのか。動物園の象にバナナをあげられるから。「泥棒をした罪悪感のつぐないに、バナナをあげに行こう」というメリーゴーランド。つぐないをするためには罪悪感がなくちゃいけない、そのためにはどろぼうをしなきゃならない、この歪んだ論理と、それを是とするポーの無垢な魂。
「クーツェ」に比べたらとっつきにくいかな? でも最終章の押し寄せるようなイメージの連続は、単純に心地いい。
(73点。作品に「酔う」のが好きな人向け)
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この本を読んだあとに熱を出したのを思い出しました。多分私は、論理的に読もうと悪戦苦闘していたのだなと、千砂さんの感想を読んでわかりました。
確かにイメージの氾濫という感じの小説ですね。このあたりから“いしいしんじ”さんが変化したのかもしれない(いい意味で)。
新しいブログのデザインもなかなか素敵ですね。私も見習わなければ。
「ブランコ乗り」読もうと思ってるんですけどなかなか借りられなくて。文庫買おうかなあ。
このテンプレートは自作じゃないです、自作する知識もないです。下の方に作者さん書いてあります。
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