![]() | おどりば金魚 (2007/07) 野中 ともそ 商品詳細を見る |
交際していた男から恋心が消えていることに突然気付いた依子。その日、アパートのおどりばで座り込む風変わりな女性と知り合うが・・・。東京の片隅の古ぼけたアパートを舞台に、そこに住む人たちの営みを描いた連作短編集。
ともそさんは私にとって「宇宙でいちばん明るい屋根」の人。子供たちを描く時の優しい視線が好き。「パンのなる空~」とかは馴染めなかった。なので、本を読む前に、「どっちの本かな?」ってチェックしてから読むようにしてます。
で、帯を見た段階では、どっちとも取れなかったんだよね、この本。
ところが、読んでみると、主人公は大人になったけれど、内容的には子供たちを描いている時と近い匂いがする。ほんのり優しくてあたたかい話。
私が一番好きなのは「タイルを割る」。タイル職人の娘と、ものを送ることで愛情を表現する男が交際する話。これが何十年もたってから優しい思い出として語られるんだな。ラストの、お父さんのセリフが、不器用で素敵。
(75点)
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