![]() | キッドナップ・ツアー (2003/06) 角田 光代 商品詳細を見る |
夏休みの第一日目、私はお父さんにユウカイされた。お父さんはお母さんと何か交渉してるみたいだけど、私には内容を教えてくれない。今日はどこにむかうの・・・?
このお父さんがもうダメ。ダメ男。もう絶対、給料日までまだ一週間あるのに財布の中身は300円、ってタイプ。中身は子供なんだろうなあ。
対する主人公は、ごく普通の女の子。ちょっと達観してる部分もあるけど、自分の知らない世界があることを実感してない、幼さの残る少女。
正直言うと、最後の結末に物足りなさを感じる部分もある。大人の交渉部分が十分に語りつくされないところとかね。
でも、この本の読みどころは、女の子の視線。
「どんなにだらしなくてもお父さんが好き」。でも、面と向かってはいわない、いえない。もちろんお母さんも好きだから、お母さんの前でもいえない。
いわないから気持ちが存在しないってわけじゃない。
それでも、旅に終わりが来る。
ラストの場面は、さみしくて、いとおしい。
(75点)
ランキング参加してます。


ちなみに私は娘に「だらしないお父さんは大嫌い!」って言われてます。
そうなんでしょうね。
そういうふうに全体像を振り返ってみると、
ずっと前の小学五年生の自分の視線が戻ってきて、
今いかに「大人の視線」の絶対性に自分が侵されていて、子どもたちに無理解の壁をつくっているかを思い知らされた気分になりました。
私もそのうちこれを取り上げてみます。
私も自分の小遣い用財布はそんなことありますが(涙)
このお父さんは生活費込みですよ。一昔前の大学生みたいだなあ、と思いました。
割と感性が近い感じがしました。
ときどき児童の視線から書かれた本を読むのは、私にとって必要なことです。うちにも小学生の子供が二人いるんで、彼らから見た世界は私とは違う、ということを忘れないようにしたいと思ってます。
こちらからも、またお邪魔します。
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