乱読にもほどがあるッ!
趣味? 読書です。毎日欠かさず本を読む、グータラ主婦の読書記録。
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。



ランキング参加してます。 にほんブログ村 本ブログへ 人気blogランキングへ
昨日の「涙本」というのはこれでした。

カイト・ランナーカイト・ランナー
(2006/03)
カーレド ホッセイニ
商品詳細を見る

1960年代のアフガニスタン。主人公の「ぼく」は、乳兄弟で使用人の少年と、深い友情で結ばれていた。強い父の下で、縮こまるようにして生活していたぼく。12歳のある日、凧揚げ大会で父を喜ばせることが出来そうになったぼくは、彼を見舞った暴力から、目をそらしてしまい、その罪の意識を抱えて生きてきた。・・・26年後、ぼくのもとに、「罪を償う道がある」という電話がかかってきて・・・。

※今回ネタバレ含む・・・のか? 説明長いです。

私。世界情勢とか、地理的なものとか、宗教的なものとか、ダメなんです。もーさっぱり、わかりません。ので、この本も最初はけっこうとっつきにくかったんですが、読み進めていくうちにそんなのどうでもよくなりました。

途中まで、この本は絵に書いたようなありきたりなストーリーでした。

権力も財力も持っている父。主人公の誕生と入れ替わりに死んでしまった母。母を愛していた父は、自分の息子を「強い男」に育てようとする。ところが息子のほうは、詩や創作が好きでスポーツや暴力の嫌いな、内向的な少年。父親の愛に飢えているが、それを表現できない。
少年の傍らには親友の使用人がいるが、民族的差別によって、主人公は友人を一段下に見ている。

・・・ね? ありそうな話でしょ?

ところが主人公、ケンカ凧だけは抜群に上手。この凧揚げというのが、ガラス糸でたこをあげて、糸を切られたら負け、最後まであがっていたら勝ち、というもので、切られた凧は拾った人のものになる。ので、子供たちは凧が落ちるところに走ってとりに行く(これがカイト・ランナー)。
ある大会で優勝した主人公、親友に最後に落とされた(準優勝の)凧を拾ってきてくれるように頼むが、なかなか彼が戻ってこない。探しにでた主人公が見たのは、暴力にあっても自分のために凧を手放さなかった親友の姿。
なのに、暴力におびえた主人公は、親友をかばいに踏み出せず、見なかったことにしてしまう。

・・・ここまできても、まだありそうな話、かな。

親友をかばえなかった自責の念に駆られた主人公は、子供がよくやる、最悪の選択をしてしまう。・・・親友一家を、自分の家の使用人という立場から解雇させるように仕向けるのだ。
時は流れ、政情変化によってアメリカへ移住した主人公と父親。祖国ではありえないほどの肉体労働をして主人公を学校へやる父。
いつしか父の体は病魔に冒され、主人公の結婚を見届けて息を引き取る。
さらに数年後、「子供の頃の罪を償う方法がある」という電話が祖国からかかってきて、主人公は祖国へと戻ることになる。
そこである困難を乗り越えて、主人公は親友と再会、友情を再確認して大団円・・・という話では、ないのです。

主人公が罪を償いに帰った国は、タリバンの支配下にありました。



簡単に人の命が奪われ、人々は長く続く戦争状態に疲れ果てている。
主人公は、そんな国で、残酷な知らせに直面します。そして、「罪を償う」ために奔走します。

26年、罪を忘れずにいる純粋さ。必死さ。
これも「強さ」だと、私は思います。


作者自身もアフガニスタンからアメリカ大陸へ移住した人です。
国の内情を知っている人でなければ、この話は書けなかったと思います。
国全体を襲った、残酷で、世界にあまり知られてない現実。民族間抗争というのは、言葉は知っていてもどういうものなのか知らなかった私が恥ずかしくなるような。

それでいて、ラストは、決して絶望ではないのです。救われる感じがしました。

(95点! まさに涙本。読んでみて~)
 
 
 
おまけ。
文庫化される際に改題されたようです。こっちのタイトルは、作中に何度か出てくる泣けるセリフからきてます。
君のためなら千回でも(上巻) (ハヤカワepi文庫 ホ 1-1)君のためなら千回でも(上巻) (ハヤカワepi文庫 ホ 1-1)
(2007/12/19)
カーレド・ホッセイニ

商品詳細を見る



ランキング参加してます。 にほんブログ村 本ブログへ 人気blogランキングへ

テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学

コメント
この記事へのコメント
読みました!
わりとすぐに泣く質の私が、泣かなかったのですが、
(簡単に泣けるけど、あまりに重いと逆に泣けなくなる質か?)
心にずしーんずしーんと来る物語でした。
デビュー作とは思えない!
良い本を紹介してくれてありがとうございました<(_ _)>
2008/01/24(木) 09:09:22 | URL | ここ [ 編集]
>ここさま
経験に裏打ちされた文章って、心に響きますよね。
私はこの本、「私の知らないスゴ本はきっとあなたが読んでいる」って言うブログで知ったんですが、
読んでよかったと思いました。
なんというか、「いい本を教えあうリレー」に参加できたようで嬉しいです。

この本、今、「本屋が読んで欲しいと思う本」に選ばれたとかで、
目にする機会も増えてきてます。
いろんな人に読んで欲しいと思うよ。
2008/01/24(木) 13:32:32 | URL | 千砂 [ 編集]
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://sensa.blog121.fc2.com/tb.php/563-895aa9d0
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。