乱読にもほどがあるッ!
趣味? 読書です。毎日欠かさず本を読む、グータラ主婦の読書記録。
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今月のベストは多分これで決まり。

夏の庭―The Friends夏の庭―The Friends
(2001/05)
湯本 香樹実

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親友三人組の1人が親戚のお葬式に言った。もう1人が、「俺も、死んだ人を見たい!」と言い出した。数日後、「もうすぐ死ぬんじゃないか」と噂のおじいさんを三人で見張ることに。ところがこのおじいさん、どんどん元気を取り戻していって・・・。

ちょっと調べたらいろんな賞をとってるし、各国で翻訳されてるし、三國連太郎主演で映画になってるし、すごく有名な作品なのですね。知らなかった自分が恥ずかしい。

「死ぬってどういうことだろう、死んだ人の体はどうなるんだろう」って考えるのは、少年時代にありがちな「漠然とした不安」からくるものなんだろうけど、それを「じゃあ、死にそうな人を見張ろう!」って考えるのは悪趣味と紙一重の無邪気さ。
ところが毎日見ていると、このおじいさんに情が移っていく。この過程の描写に、まずやられた。
「とりあえず、玄関周りのゴミだけでも捨ててあげよう」と思いつくやさしさ。「たまにはおいしいもの食べたらいいのに」と商売物の刺身をちょろまかして来たはいいものの、どうやって渡せばいいのかわからずにピンポンダッシュで置いてくる不器用さ。おじいさんの方でもみられていることに気付き、気付かれたことに気付き、あてつけのように尾行する少年たちの意地の張りよう。・・・愛しい。
そしてお互いに存在を認め合ってからの、少しずつ、少しずつ近づいていく距離。

子供だからこその毒も、浅はかさも、醜さも、書かれているはずなのに何故か、作中の雰囲気は美しい。

そして中盤以降に語られる、おじいさんの戦場体験がこの話にぴしりと筋を通す。
「いのち」というもの。「生きる」ということ。・・・そして、「死ぬ」ということ。
泣きそうになる、でも泣かせるために書かれた話ではない。情に流れない気高く透明な文章。

完敗です。やられました。読んでほしいし、子供たちにも読ませたい。

(95点。これから本屋に買いに行きます)



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テーマ:感想 - ジャンル:本・雑誌

コメント
この記事へのコメント
いや、なんつーの・・・。
千ちゃんの文章にやられましたwww

めっちゃ読みたくなってもーたんですけど。
2008/05/16(金) 17:55:03 | URL | 岸谷まさたろ [ 編集]
>まさたろさま
この本、いいよ!
わたしがおじいさんと少年って言うモチーフに弱いのもあるんだけど(^_^;)

文庫は新潮で400円くらい。
お値段に見合った長さなんで、すいすい行くしね。
よかったら読んでみてくださいm(_ _)m
2008/05/17(土) 09:49:45 | URL | 千砂 [ 編集]
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